「JIRAAに向けて」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

来月から少しばかり「ダイエット」に励もうかと考えている。

 

と言っても今現在も日々のストレッチやウェイトトレーニング、そして週に2~3度、3~4㎞のジョギングなどもしており、取り立てて「太っている」ということもない。

 

そればかりか「特茶」などのダイエット志向の物を飲んでいると周りから度々「いや村田さん必要ないですよ」と言われたりもする。

現状、朝食は摂らず、朝はコーヒーを1杯だけ飲むのが定番で、昼食は大抵コンビニで済ませている。

 

一方で夜は結構ガッツリと食べるのだが、それについては「その日の楽しみ」としてそのまま継続させる方向。

 

なので来月からは主に昼食時の量を減らすことで「少し体重を落とせれば」という程度の緩めのダイエットに励もうかと思う。

そしてその目的は来月8日から参加予定のJIRAA(ジラ)のトレーニングに向けてのもの。

 

4月にヨーロッパのロープ高所作業ライセンスであるIRATA(アイラタ)を取得したばかりだが、JIRAAはそのIRATAをベースに作られた日本独自のロープ技術の検定制度である。

IRATAはレベル1~3まで存在し、4月に我々が取得したのはあくまでも初級となるレベル1。

 

と言っても1日で全てが完結する「ロープ高所作業特別教育」などと異なり、IRATAインストラクターの下、朝から夕方まで5日間連続のトレーニングを行い、最終6日目に外国人アセッサー(審査官)を招聘してアセスメント(審査)を行い、それに合格して初めてレベル1獲得となる。

 

普段のロープ作業を行う上ではもはや「レベル1で十分」と言えるほど内容の濃いもので、実際レベル1のトレーニングでは高さ5~6mの位置でロープに宙吊り状態のまま「隣のロープに移動」などといった練習も普通に行う。

 

とは言え、通常のロープ作業でそうした技術を使う場面などほぼ皆無と言って良い。

ただ「そうした技術を持っている」という自信こそが「より安全かつ確実な作業に繋がる」と言える。

 

レベル1でさえ、もはやあらゆるロープ技術を網羅しているが、そうした中、レベル2やレベル3は主にレスキュー技術に特化した内容となっている。

 

要するに「ロープ作業中、宙吊り状態のまま動けなくなった者の救助」がメイン。

ある意味「それこそが最も重要」とも言えるが、一方でレベル1には特に受講条件など無いものの、しかし上のレベルに挑戦するには「1年以上かつ1000時間の実務経験」という条件が付く。

 

普段からロープにぶら下がって作業されているガラス清掃業の人々からすれば1000時間の実務経験も「1~2年で賄える」のであろうが、しかし私の様に「業務の一部としてのロープ作業」という場合、もはや1000時間など果てしない。

 

そしてやはり、そんな私と同様の想いを持つ人は職種問わず、ロープ作業を行う方の中には少なからず存在する。

 

「IRATAのレベル2や3の技術を学びたい」

そう思っても、しかし実務経験の壁が大きくのしかかる。

 

そんな人々への言うなれば救済案的に生まれたのが前述したJIRAA検定である。

JIRAAもIRATA同様、1~3までのレベルに分けられ、加えてその内容はほぼ完全にIRATAのそれと同じである。

 

つまり「実務経験不要のIRATA」とも言えるものであるが、しかしそもそも普段からロープ作業を行っている人々であれ、ロープレスキューを行う事など先ず無い。

そうした現実を踏まえて考えるとIRATAの定める実務経験はレベル2や3に「付加価値を与える為の物」と言えなくもない。

 

「誰もが簡単に挑戦出来なくすることでそのライセンスに価値を与える」という、 あるいはそうした解釈も出来る。

IRATAとて当然ながらビジネスとしての側面がある以上、そうすることで下位レベルを持つ者たちに「挑戦したい」という意欲を湧かせ、商売としての発展を図るのはある意味当然のこと。

 

それはそれで大いに理解出来るが、しかし反面、実務経験を日頃あまり積めない者たちの学びの機会を奪ってしまっている部分があるのは否めない。

 

日本版IRATAと呼べるJIRAAは、正にそうした者たちへの「学びの機会の提供」を行ってくれる。

正直私自身、ロープに宙吊り状態のまま意識を失った者を救助するのは「とてつもなく難しい」と考えている。

 

実はIRATAのレベル1の最終課題では至ってベーシックな「1対1」の救助が科目として存在している。

 

 

アセスメント時はそれを2人1組で行うが、だがここだけの話「救助される役」の者が救助しやすいように身体の向きを変えてあげたり、あるいはアセッサーに聞こえない程度の小声で「そこはこうだよ…」などと囁いたりなど、ほぼ「救助風」のものでしかなく、しかしそれでも一人の人間の身体を支えながらロープで降下してくるのは至難の業である。

 

だがIRATAであれJIRAAであれ、レベル2以降はほぼ全ての科目が「レスキュー」。

そして今回、JIRAAに挑戦するにあたり、IRATAレベル1を持つ私はJIRAA検定はレベル2から挑戦出来る。

 

IRATAのレベル1獲得後、1年以上、そして1000時間の経験を積んだ後でレベル2の課題に挑むのに比べ、まだレベル1のトレーニング完了から間もない状態で挑戦出来るのは非常に有利な部分もある。

 

そこで学ぶ技術が果たしてどこまで実用性があるものかは分からないが、しかしそうしたレスキュー技術は「一生の中で1度使う機会があるかどうか?」のものであろう。

だがそれらの技術を学ぶことで、あるいは「そもそもロープ作業での事故を起こしにくくなる」という側面は間違いなくあるように思う。

 

「どういう状態が危険を誘発するのか?」

レスキュー技術を学ぶことで何よりも先ず「自分自身がレスキューをされずに済む」という、そうしたより確かなロープ作業を行うことに繋がるのではないかと

 

 

さて話を戻そう。

そんなワケでそうした技術を学ぶ上で、少しでも減量した方が有利かな、とも思うのだ。

47歳となった今、20代や30代の頃は当たり前に出来ていた運動も出来なくなりつつある。

身体も痛めやすくなり、そして何より、太りやすくなったと感じている。

 

でも私自身、ロープ作業というものを今後本格的に業務に取り組んでいきたいし、また近い将来「新たにロープ作業をやりたい」という方々に向けて、現場での実際の降下を教えてあげたいとも考えている。

 

そしてその為には日頃の節制が絶対に必要で、今後は今以上、ロープ作業に向けた身体作りに励みたい。

それが安全に出来る身体ならもはや消防設備業の方は容易い。

 

4月のIRATAトレーニングは緊張し過ぎて6日間、ほぼ毎日2時間に満たない程度の睡眠しかとれず本当に苦しかった。

結果的にシンガポール人のアセッサーから「合格を頂いた」という感じで、自分的には到底納得のいく内容ではなかった。

 

JIRAAももちろん緊張はあると思うが、しかし当時とはまた状況も異なるのでそこまでの緊張はないと思う

今度はもっと気持ちを楽に、伸び伸びと技術を学べればという思いが強い。

 

私はこの平成め組のリーダー。

そしてリーダーたる人間に最も必要なもの、それは「カッコよさ」だと本気で考えている。

欲望に負けてぶくぶくと太っていたのではいずれ人心を失い、やがては会社を畳む羽目になるだろう。

 

「この人物についていきたい」と皆から思われる人間でありたいと常々考えているし、そして何より「生涯挑戦し続ける精神」こそが重要であると思うのだ。

「とうとう頂上まで辿り着いた」と喜ぶその後ろに、遥か遥か高い山が存在していることを忘れてはならない。

 

目指すべきその場所は後もう5~6個、山頂を越えた先にある。