「26年前」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

何とも不思議な縁、とでも言おうか。

 

去年からほぼ専属外注としてウチの仕事を手伝って頂いているメメ女史。

移動中の車内の何気ない会話の中で知ったのだが、2人いる娘さんの内、その妹さんの方が私の遠い遠い後輩にあたることを知った。

 

中学などロクに行ってなかった私は中学卒業と同時に一旦は地元の塗装会社に見習職人として就職するも1年と経たず退職。

我ながら「少し勉強もしてみたい」などと思い、16歳で定時制高校に入学した。

前述のその娘さんも同じ定時制高校に現在通っているのだと言う。

 

定時制の場合、基本的には夕方から授業が始まり、終了が21時少し前。

そこから部活動などが始まる。

一日当たりの授業時間も短いので通常は4年間通う。

 

入学の理由は各々あるが、しかし「中学に通っていなかった」というケースは比較的多い。

メメ女史の娘さんについてそこら辺の詳しい事情は私も知らないのだが、しかし後輩と聞くと何だか親近感も湧いて来る。

 

私にとって定時制への入学は間違いなく「人生の転機」ではあったので、思わず当時のことが頭を過る。

 

するとふと思った。

そう言えば定時制も4年生になると就職説明会みたいなものをやっていたな…」と。

卒業が迫ると一応地元の企業などが卒業予定者向けに求人を出したりなど、多少はそれらしい活動も校内で行われていた。

 

正直なところ定時制の生徒の就職先などたかが知れたもので、有名企業に就職する者などほぼ皆無。

ごく一部の生徒は大学(2部)に進学するが、多くは「アルバイト先にそのまま就職」、あるいは「地元の小さな会社に就職」するのが一般的。

 

若しくは良くても「地方公務員試験の一番下のコースに合格」が精々である。

しかし私が定時制に通っていた当時と今とでは求職状況は大きく様変わりし、もはやあらゆる業界で若手の人材を奪い合っている状況。

 

そこでこの「縁」である。

メメ女史の娘さんは来年の3月に卒業予定なので仮にそのまま無事に卒業となれば私の「27年下の後輩」ということになる。

 

もはやほぼ無関係に等しいが、しかしそうは言っても一応後輩。

来年に向けた生徒向けの求人をウチも出せないものかとメメ女史に相談し、先日、メメ女史から娘さん経由で担任宛てに手紙をしたためて頂いた。

 

そして本日、その返事の手紙を頂き、そこには娘さんの担任の名が記されていたのであるが…

何と何と、その娘さんの担任、私が通っていた当時も在籍していた人物で、しかも直接授業を何度も受けたことがある方。

 

当然記憶も未だ鮮明。

聞くと本来であれば既に定年であるらしいのだが、何でも最近は定年の「延長」が出来るそうで、現在も引き続き勤務されているご様子。

 

わたし代表村田、自分で言うのも嫌いじゃないが、当時その定時制の生徒の中にあってはちょっとした伝説となっている。(と思う)

 

二度目の1年生の頃(留年している)から剣道部に入部し、以後の4年間の大半を「たった一人の部員」として我ながらクソ真面目に顧問との練習に明け暮れていたので校内でも割と知られた存在ではあった。

 

定時制高校のスポーツ大会は昼間の高校とは比較にならない程レベルが低いが、しかし当時、ここ神奈川県だけは事情が違った。

 

と言うのも、横須賀の陸上自衛隊の少年隊員(中学卒業と同時に自衛官候補生として入学出来る特殊な全寮制学校の生徒)が毎年数十人規模で県内の定時制の各スポーツ大会に参加してきては上位を独占してゆくのが恒例となっていたからだ。

 

定時制大会は名目上「定時制・通信制大会」であり、彼ら少年隊員たちは自衛隊学校に入学すると同時に地元の高校の通信制過程を学ぶ。

なので一応彼らは県内の某通信制高校の生徒でもあった。

 

何せ身体を鍛えるのが半ば仕事の少年隊員たち。

毎月給料をもらいながら「勤務」しており、将来的には最低でも自衛隊の「曹」(初級幹部の手前の階級。士の1つ上)までは昇級が約束された連中。

 

ハッキリ言って「高校生」として大会に参加してくるのは反則に近い。

と言うわけで、当然どの競技大会への参加であれ彼らは途方もなく強い。

 

しかし当時の私はそこの生徒からも勝ち星を挙げたことがあり、また3年生時の大会ではそこの主将と対戦。

開始早々、得意技であった「幻の出籠手(でごて)」が見事に決まり、最後は敗れたものの「1-2」の惜敗であった。

 

そのことについて当時教職員の中でも結構な話題になったほど。

 

 

思い出話がすっかり長くなってしまったが…

前述したその先生、多分あちらも私のことをきっと覚えていると思う。

大会の翌日「自衛隊生徒に勝ったんだってね!?」と聞かれたこともあった。

 

その先生、確か学習院大学卒で当時はどことなく「皇室の人」っぽく、何故か毎度ケースに入った「Myチョーク」を持参して授業に臨んでいた。

卒業から26年以上が経過し、もう知っている先生など「いるはずがない」と思っていただけに今回はさすがに驚いた。

 

この折角の縁を頼り、来年卒業予定の「遠い後輩」にうちへの就職を誘う、なんてのも悪くない。

消防設備士なら定時制の生徒でも十分狙えるし、何より若者たちにこの消防設備士という仕事をアピールする絶好の機会でもある。(ついでに高所作業も学んでほしい)

 

うむ。なかなか素敵な想像が膨らむではないか。

 

 

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