「新たな歯車がまたひとつ」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

「もし良ければ一緒にお昼でもどうですか?」

 

お取引先の社長さんからそんなお誘いを受け本日昼食を御馳走になった。

「お取引先の社長」と書くと「以前から随分と親しい間柄」、そう思われる方も多いだろう。

がしかし、実は直接お会いするのは今日が初めて。

 

と言うのも去年の11月頃、こんな依頼を受けた。

「弊社の従業員が来年6月まで育休に入るので復帰までの間、常時1名の応援要員を手配して頂けないでしょうか?」と。

 

そうした応援依頼、普段なら嬉しいところだが、しかし去年半ば過ぎ辺りからウチの仕事量も増加。

加えて丁度依頼を頂いた頃、19歳の女性作業員の「チーコ」が近々産休に入るのが決定していた。

 

なので依頼を頂いた時点では「二つ返事」とはならず「弊社としても可能な限り」という、少々曖昧な回答に終始した私。

仕事量の増加、従業員の一時離脱という状況を考えると、常時1名の作業員を手配するのは結構キツイ。

 

だが一方、仕事量の増加に伴い外注の方々との関係性も強くなりつつあった中「頑張れば何とか出来るかも」と思い、そして何より新たな人脈が築けることへの期待感からその依頼を受けることに。

 

それでも当初は少なからず不安もあったが、しかし自社の人間に加え、頼りになる外注の方も増えていたことで現状問題無くやり繰り出来ている。

人員手配に関してのやり取りは専らメールや電話のみで済ませていたので先方の社長さんと直接会うことも無いまま3ヵ月が過ぎ、ようやく本日お会いできた格好。

 

消防設備士となって19年、そして独立から11年が過ぎた私と、一方で先代の社長さんから数年前に会社を引き継いだその方とは同じ業界の経営者同士とはいえその境遇は大きく異なる。

 

とは言え、経営者同士だから分かり合える部分があるのも事実で、共に以前、仕事のことを考えると「不安で眠れない時期」などを過ごしていたことは共通であった。

ただ同時に今後に向けた話などもせねばならない。

 

私は当初依頼されていた「6月まで」を基本として常時人員の手配を考えていたので、そこから先は手配が難しい事、一方で「今後は請け案件を増やしていきたい」という自身の考えも伝えさせて頂いた。

 

「現場請け」については先方も前向きに考えて頂いているようで、あるいは今後、現場単位で仕事を頂けるとなればウチとしてもそれは大変有難い話

 

現場応援は私自身、相応に重視している業務ではあるのだが、しかし優先順位的にはどうしても下となる。

先ずは請け案件を最優先にしつつ、そうした隙間の中で「余裕があれば手配する」というやり方にせざるを得ない。

 

またその現場応援にしても現実的なことを語るなら、やはりお相手の仕事への取り組み方、今後に向けた考え方、そして実行力など見させて頂きつつ、より請け案件に繋がるであろう会社の応援を優先的にこなすことで更なる基盤強化へと繋がる。

 

そうした意味でも本日ご一緒させて頂いた社長さん、当初は依頼を受けるのに悩んだ部分もあったが、今は「あの時少々無理して依頼を受けて良かった」とつくづく実感している。

 

新たな関係が始まっても、しかし同じ数だけ「解消」される関係がある。

独立以後、6~7社との関係が築かれた一方でこちらから関係を絶った相手も少なくない。

そうした中にはある時期をほぼ毎日の様に共に仕事をしていた者も含まれる。

 

自ら前に歩むことで確かに多くの出会いに恵まれる。

だがその中で本当に長い付き合いとなるのはごく限られた相手だけでもある。

自分自身や、あるいは組織の成長を考えると、時には「積極的に縁を絶つ」という判断も必要不可欠なこと。

 

何度か出会いと別れを経験してきた中で養われた「勘」もあると思う。

この度の出会いは長く続く気がしている。

「そうした努力を惜しまずしていこう」、そう思わせてくれる方でもあった。

 

新しい歯車がまたひとつ、回り始めようとしている。

 

 

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