「盤上の殺し屋」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

去年の夏頃だったと思うが、このブログ上で「今更ながらオセロにハマっている」といった趣旨の記事を書かせて頂いた。

 

私は専ら「ゲームのつぼ」なる無料サイトのオセロ(リバーシ)ばかりを利用しているのだが、同サイト、AIとの対戦も出来る一方、特に特別な手続きなどせずに直ぐその場で見知らぬ誰かとのオンライン対戦も可能。

 

元々オセロになど一切興味が無かった私だが、去年の春頃、何となく「マルバツ」(9つのマスで1列を揃えるアレ)にハマり、その延長線上で今度はオセロにハマり始めた経緯がある。

 

当初、同サイトのAIとの対戦を中心に行っていた私だが、しかし散々対戦しまくった結果、もはや「上級レベル」のAIでも敵ではなくなり、それゆえ今度はオンライン対戦で全国の見知らぬオセラーたちとの対戦を楽しむ様になった。

 

同サイトの対オンライン戦での戦績はざっくりと言って恐らく500勝1200敗30分けくらいであると思われる。(特に戦績は表示されないので)

 

負け率の方が圧倒的に高い反面、しかし散々そうして戦歴を積み重ねたことでそこら辺の俄か(にわか)オセラーの素人衆なら「軽く鼻息だけで粉砕出来るレベル」に到達しているという自信もある。

 

私の攻め方、それは「とにかく片っ端から攻めまくる」という戦法。

自称「ガン攻めの村さん」と、身近な世間に吹聴している。

実際のところオセロの勝ち方のセオリーとして「序盤は少なくマスを取り後半から攻める」というのが一般的。

 

確かに序盤であまり攻勢に出てマスを取り過ぎると中盤以降、コマの打つ場所に困り、瞬く間に状況をひっくり返されてしまう。

私の1200敗のほぼ全てが「中盤までは圧勝ムード」からものの見事に逆転負けを喫するというパターンである。

 

しかし一方、オセロにおける最高の勝ち方、それは言うまでなく相手の全ての駒を裏返しての「パーフェクト勝利」であることに疑いの余地は無い。

「序盤はあまりマスを取り過ぎない」というオセロのセオリーを守っていたのではパーフェクト勝利はほぼ不可能と言って良い。

 

パーフェクト勝利を達成するには「序盤からとにかく攻めまくる」を徹底しないことには難しいのだ。

それゆえ私はとにかく攻めて攻めて攻めまくる。

なので1試合当たりの平均時間はものの1~2分である。

 

一手当たりの持ち時間は「10秒」若しくは「30秒」のどちらかを選べるが、しかし不思議なもので仮に「30秒」で対戦してもこちらが間髪入れず駒を打っていくと何故だか相手もそれにつられて30秒を待たず直ぐに次の手を打ってくる。

 

結果、毎試合1~2分で片が付く。

だがこの矢次ざまの攻めが対オンライン戦、つまり「人間」が相手だと結構功を奏する。

矢次ざまにこちらが駒を打つことで相手は焦り、安易な手を打ってくることも多々あるからだ。

前述した500勝の内、パーフェクト勝利達成数は30戦ほどある。

 

最も多いのが「18ー0」によるパーフェクト勝利であり、最高で「50ー0」と言ったところ。

逆にうっかりミスによる「0ー15」というギャグみたいな負け方も経験している。

いずれにせよ今の私は間違いなく「オセロの猛者である」と言って良いだろう。

 

ボクシングで表現すると散々勝ち負けを繰り返しながらほんの束の間、世界チャンピオンとなり、しかし初防衛戦で脆くも陥落。

しかしその後もしぶとく世界ランキングの10位前後にランクインされながら新進気鋭の若手ボクサーたちの「壁」として居座っているベテランボクサー… そんな感じ。

 

ボクシング戦績に置き換えるならば「51勝(22KO)18敗3分け」みたいなイメージのオセラー、それがこの「ガン攻めの村さん」である。

 

そんな経験豊富なオセラーの私だが、しかしどうしても攻略出来ない相手が存在している。

その連中のことを「四つ角取らせ屋」と私は個人的に呼んでいるのだが、これは要するに「四つ角全てをあえて相手に取らせて勝利をかっさらっていく芸術的オセラー」のことである。

こうした連中について過去のオセロ関連の記事でも触れたことがある。

 

確かに私の目指す「全ての駒をひっくり返してのパーフェクト勝利」はオセロの勝ち方としては最上級のものだ。

だが世界中のオセラーたちにとって「四つ角全てを相手に取らせた上での勝利」もまた、オセロの勝ち方におけるもう一つの最上級であることも事実である。

 

散々オンライン対戦をこなしている私だが、しかし未だにこの「四つ角取らせ屋たち」を攻略出来ずにいる。

これまで30回のパーフェクト勝利を達成してきた私だが、逆に「四つ角を全て取りながらも大敗」というパターンも30回ほどある。

 

自分なりに研究もしてきたが、とにかく本当にこの「四つ角取らせ屋」を攻略するのは難しい。

と言うのもこの「四つ角取らせ屋」の攻め方、一見すると「単なる素人」にも見えるからだ。

オセロには絶対に自分から取るべきでないマスが存在しているが、しかし「四つ角取らせ屋」は序盤でそれらのマスに駒を打ってくる。

 

それを見てうっかり「このクソ素人が…!」と油断し、こちらが角に駒を打ってしまうともはやどうにもならず、瞬く間に盤面を制圧され、殆ど何も出来ずにやられてしまう。

 

これはあくまでも私の推測だが、その「ゲームのつぼ」のオンライン対戦に存在する「四つ角取らせ屋」は多分10人も居ない。

打ち方から察するに恐らく4~5人。

 

そしてその4~5人の「四つ角取らせ屋たち」はこの半年間ほどでその戦術を確かに進化させている様に感じる。

以前までは戦いながら「これはプロの罠だ…!」と気付くことも出来たが、しかし最近の「四つ角取らせ屋」の打ち方はプロであることを全く感じさせない。

 

もはや完全に素人だと信じ込ませ、見事な程にこちらに四つ角を取らせてくる。

そして気付いた頃には完全に逆転不可能な状況に追い込まれてしまう…。

 

その芸術的な勝ち方はもはや「盤上の殺し屋」と表現しても良い。

街中で道行く者たちを威圧しながらショバ代をせびるヤクザの私がひ弱そうな一人の住民に目を付ける。

 

そして恐喝しようと裏路地に連れ込んだ途端、細いワイヤーロープで一気に首を締め上げられ一瞬で殺される…  

そう… そのひ弱そうな相手こそ正に「四つ角取らせ屋」その人である。

 

恐ろしい… この経験豊富なベテランオセラーである私の命を、いとも簡単に奪い去って行く。

結果、最近の私ときたらオンライン対戦の相手が「四つ角取らせ屋かも…」という攻め方をしてくると身動きが出来ないまま「時間切れ」で負けることもしばしば。

 

果たしてあの恐るべき殺し屋たちはどの様に攻略すれば良いのか… まるで答えが見つからない。

この正月休みの期間だけで5~6回ほど彼ら「四つ角取らせ屋たち」に一瞬で頸動脈を切られ殺された私。

 

果たして私が彼らを攻略出来る日は来るのだろうか…。

今日も迫りくる殺し屋たちの影に怯えながらもオンライン対戦に興じる私。

 

嗚呼誰か、攻略法を教えてくりすたるきんぐ☆

 

 

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