「熱量」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

「熱量が違うな…」

時折ふとそんなことを思う。

 

ここで言う「熱量」とは仕事に対するものであり、「違う」というのは従業員と私自身との間におけるその熱量の「差」についてである。

端的に言うと「皆は自分ほど仕事が好きなわけではない」ということ。

私は24時間365日、ほぼ毎日を「仕事のことを考えながら」終えて行く。

 

だが彼らは違う。

皆基本的に「仕事に従事する間だけ」仕事のことを考え、そして帰宅すれば一旦仕事から頭が離れる。

むしろ仕事中も「仕事以外」のことを考えていることも多々あるのだろうと思う。

 

しかし私は皆のそうした姿勢を決して責めているわけではない

と言うよりも「それが普通」であり、今以上を求めてしまってはいけないのだろうとも考えている。

 

ただ私自身が「異常なほど」仕事に対する熱量が強過ぎるが故、その熱量の差が同業他社のそれと比べていささか大きいのかな、などと思う。

 

実際、普段から同業他社の経営者などと会う機会は多いが、正直な印象として皆「現状に満足している」という感じである。

そして「現状を先ずは維持すること」を最優先にしていると感じる。

 

とは言えそれはそれで正しい姿勢ではある。

何故なら、先ずは現状を維持出来ないことには更なる発展など望みようもないからだ。

 

「従業員と熱量が違う」と書いたが、もっと言えば同業他社の経営者と比べても自分の「仕事熱」は少々あり過ぎる。

我ながら「立ち止まる」ということをせず、常に「前へ前へ」と半ば強迫観念が自身を動かしているかのようですらある。

 

そうした自分自身の仕事への姿勢について冷静な自己分析が出来れば良いのだが、何せこれまで「考える暇があるなら先ず動け」と己に言い聞かせながらここまでやってきた私。

 

「冷静でいること」がそもそも難しい。

一番自身が冷静でいられるのが恐らくこうしてブログを書いている時、である。

物事の経緯、そして考え方などを他人に文章で伝えるというのは思いの外、難しい。

 

その時々の感情に任せて文章を綴っても、しかし見る側に内容を理解してもらえなければ書く意味も無い。

 

だから「どう表現すればより伝わるのか?」を必死に考えるし、またそれを考えるにあたっては気持ちが冷静でないと出来ない。

その冷静さをもっと現場で出せれば少しは熱量も抑えることが出来るのだろうが、しかしいざ作業着に着替えてしまうとまた心に熱を帯びて来る。

 

この業界で独立する人々の多くが皆、何らかのバックグラウンドを持っている。

「元々メーカーで働いていた」とか、「ビル管理会社の営業職として長らく働いていた」などがそれである。

 

そうした人々はそのかつての伝手、人脈で独立早々から仕事に恵まれることも少なくない。

つまり「何もしなくても仕事の話が舞い込む」というケースも多々あり、自ら仕事にがっつくまでもなく、気付けば「仕事が溢れている」ということもある。

 

過去、そうした人間を何人か見てきたが、しかしそうしたバックグラウンドを一切持っていなかった私は単純に「明日が怖い」のだ。

 

今は仕事があっても、もしかしたら明日には無くなるのではないか?

そうした不安が常に心の中を闊歩し、その不安を少しでも排除してようと必要以上に仕事に躍起になる部分もあるのだろうと。

 

動かないでいることが怖い。

現状を維持するには「現状を守ることではダメ」と思えてならない。

「現状維持」を目標とするにしても、でもそれは「更なる発展」を目指す中で守られる「今」であるとも思う。

 

動かないでいたのでは現状どころか次第に力を失い組織として衰えて行くだけ… そうした考えが根本にはある。

 

何だか刃物を持った暴漢に常に後ろから追われているかのようだ。

とにかく私は立ち止まれない人間である。

立ち止まった途端、背後から刺されて意識を失い、そのまま全てが終わってしまいそうな気がする。

 

だから必死に前進を続ける。

そして自身を動かしているのが正にそうした仕事への熱量でもある。

日々、出せるだけの熱を出し続けることで己の足をひたすら動かしている。

 

である以上、皆とその「差」を埋めることは生涯出来ないのかも知れない。

このままだといずれ熱過ぎな私に皆が嫌になり、次第に私の下を離れて行ってしまうかも知れない。

 

でも動くことを止め、徐々に疲弊しながら一人去り、二人去り… 誰にも知られぬまま社会の藻屑と消えるくらいなら散々動き続けてくたばる方が自分らしい。

この平成め組が存在し続ける限り、いつだって私が「め組で一番熱い人間」のままなのであろう。

 

だからというわけでもないだろうが、私は異常なほど寒さには強い。

 

 

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