「原動力」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

 

最近、数ヵ月ぶりに会った方などから決まって「痩せました?」と聞かれる。

 

普段から自分の体重管理などはしておらず、去年の今頃と比べてどうなのかなど良く分からない。

ただ去年の夏に高血圧からくるとてつもない頭痛で救急搬送されて以降、自分なりに食生活も改善。

 

それまでは仕事から帰宅するなり先ずはチョコレートなどの菓子類を食べるのが定番であったが、しかし最近は一切そうした間食をしなくなった。

不健康料理の定番であるラーメンもほぼ食べておらず、この1年間で食べたのは記憶に残る限り1度だけ。

 

もはやインスタント麺すら食していない。(そもそもラーメン自体そこまで好きでもないが)

それに加えて去年からは腹筋運動の量を増やしたことで、少なくとも腹回りは自分でも分かるほどに細くなった。

 

全体としてどこまで痩せたのかは定かではないが、しかし確かにここ最近は身体が軽くなったと感じる。

 

元々10代の頃から鍛えており、20代の一時期はボディビルダーやパワーリフターが通うジムで本格的に鍛えてもいた。

因みにその当時、半年間ほどそのジムにプロレスラーの葛西純も通っており、よく隣でトレーニングしていた。

 

 

さて、思えばもう30年間に渡って身体を鍛え続けている私。

とは言え今現在は専ら「自宅トレーニング」がメインであり、10代~20代にかけて嗜んでいた武道(主に剣道、テコンドー)なども今では一切やっていない。

 

週に1度の本格的なウエイトトレーニング、後は風呂上りなどのストレッチや軽い運動、その他、不定期にこなすジョギングを継続することで十分な体力を維持出来る。

 

だが改めて考えてみると、自身がそうして身体を鍛え続けているその根底理由、それは少年時代から10代半ばにかけて感じた強烈な劣等感に他ならない。

少年時代は細身で色も白く、毎度大人たちから「細い」、「色が白い」と言われた。

それはまるで「貧弱な少年」と言わんばかりに。

 

周りの大人たちからそう言われる私を見て、傍らにいた母親もあたかも「確かにこの子は弱い子」と同調するかのような反応を毎度していた。

嘘でもいいから「いや、こう見えてこの子は強いです」とでも言ってくれれば私もそこまで劣等感を持つことも無かったと思うが、しかしそうした対応はただの一度もしてくれなかった。

 

そうして心の中に刻まれ続けた劣等感は今も決して消えることは無く、その後のトレーニングに没頭した自分、そして現在まで鍛え続ける自分を作った様に思う。

 

私は時折「資格マニア」、「資格オタク」などと言われる。

確かに10代の頃から様々な資格を取り始め、そしてこの業界に入って以降も取り続けた。

でもそれもやはり、元は「勉強が出来ない」という自覚と、そうした自覚から来る劣等感が根本にはあった。

 

我ながら「学」が無く、最終学歴は「定時制高校を5年かけて卒業」というもの。

挙句、その定時制の中でも勉強が出来ない方であったがゆえ「自分が出来ないのはあくまでも学校の勉強だけである」ということを証明したいが為に資格の勉強に没頭していた部分もある。

 

現在はこうして小さいながらもこの消防設備業で独立し、恐れ多くも経営者を務めさせて頂いている自分。

でもこれも実は「社会人として普通に働くことが出来ない自分」に対する劣等感が根底にはある。

現在46歳でありながら過去、正社員として働いた期間は正直1年にも満たない。

 

とにかく私は普通に働くことが出来ない人間であった。

毎朝起きて会社に行き、そして皆と仕事をするという、大人として当たり前のことが本当に出来ない。

 

先輩という存在も、そして上司という存在も、とにかく全てが面倒に感じられて仕方がなかったのだ。

普通に働くことが出来ない以上、もはや自分で何か事業を起こすしか逃げ道が無い。

 

だから唯一、アルバイトなどで「少しばかりの経験」があったこの消防設備業で独立したに過ぎない。

この仕事における目標も夢も、所詮は全て後付けのものでしかないのだ。

つまり現在の経営者としての私とは「働くこと」から逃げて逃げて逃げ続けた結果の姿である。

 

「貧弱と言われ続けた自分」、「学校の勉強が出来なかった自分」、「普通に働くことが出来なかった自分」

 

それらの強大な3つの劣等感こそ、私が日々を生活する上での支えであり、また基準でもあるのだ。

でも10代や20代の頃に比べれば心身とも私も少しは強くなったと思う。

 

何故なら、今は「自分がとてつもなく弱い存在」ということを素直に受け入れることが出来ているから。

己の弱さを理解し、その現実と向き合うことをしなければ人間は前に進めない。

 

まさに劣等感こそが今の私の原動力なのだ。