「砂利道に止まっていたもの」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

もう随分と古い記憶なのだが…

 

私がまだ母に手をつながれながら道を歩いていた頃。

恐らくまだ幼稚園にすら入っていない2~3歳の時。

当時は名古屋市内の集合住宅に住んでいたのだが、近所に時折歩く砂利道があった。

 

記憶ではその道を母に連れられながら週に1回ほど歩いていたと思う。

子供の私にとっても歩き慣れたその道だが、「あること」が理由でその道を歩いていた当時の記憶が今でもこうして残っている。

それは、その砂利道の途中、毎度決まった場所にとても珍しいトラックが止まっていたから。

 

多くの男の子の例にもれず、その頃既に「自動車」というものにかなりの興味を抱いていた私。

中でもトラック、あるいは大柄な外車などに心惹かれていた。

然るにそのトラック、とにかく珍しい形をしており、当時その砂利道に止まっている車両以外に同じトラックを見たことがなかった。

 

黄色いボディでタイヤが大きく、しかしどこかそのボディサイズはアンバランス。

まるでオモチャのトラックをそのまま大きくした様な佇まい。

「チョロQ」なるオモチャがあるが、まさにあんな形。

 

それが日本のトラックでないことは明らかであったのだが、しかし名前や持ち主などは一切分からず、しかしその、他にない迫力に子供ながら「うわ~カッコイイ!!」となった私はそのトラックの前を通るたびに興奮していた。

 

前から見る、横から見る、そして通り過ぎる際にはその後ろ姿にもまた見入る… そんな感じ。

だがある時期を境にそのトラックの姿を見ることは無くなった。

 

持ち主が手放したのか、あるいは引っ越しでもしたのか、期間にして恐らく半年間ほどそのトラックは止まっていた様に思う

その後、近所の幼稚園に入園した私であったが、程なく、父親の仕事の都合で現在住むこの川崎へと越してきた。

 

 

さて、その幼少期に近所で見かけていた黄色いトラック。

長いことその名前は分からずにいたのだが、ある時偶然テレビでそのトラックらしきもの見て当時の記憶が蘇った。

「あ?! あの時近所に止まっていたのはこのトラックに違いない!」と。

 

それはあのメルセデスベンツが70年の長きに渡って生産している通称「ウニモグ」と呼ばれる多目的対応型のトラック。

 

 

 

 

 

タイヤのサイズに比べて不自然な程の短いボディ、まるでラジコンカーをそのまま大きくしたかの様なその姿。

現在でも日本ではかなり珍しい車両であるが、40年前の当時では尚のこと希少車両であったに違いない。

 

ところが調べてみると何と現在日本でこの車両を扱う会社は横浜市内にあるそう。

オプションで「左右のハンドルを入れ替える機能」があるというのだが、未だにそのメカニズムが理解出来ずにいる。

 

最近は取り立てて車に対しての興味もない私だが、しかしこのウニモグは未だ「いつか運転してみたい」と思わせてくれる車の1つである。

 

ところでかつて私がその近所のウニモグに興奮していた様に、もしかすると今現在私が乗っている車(ロシア製ワンボックスカーのUAZ)にも、近所のチビッ子が興奮気味に見てくれている時があるのかも知れない。

 

だとしたら知らないうちにどこかの少年の記憶に私の車の刻まれている、ということになる。

かつて私が見ていたウニモグの見知らぬ所有者の立場に今は自分が立っている…

 

そう考えると何だか面白くも不思議な感覚に包まれる。

 

 

 

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