勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践/勝間 和代

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「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」推薦図書をほぼ完読して

9月半ばにフレームワーク本を読み、非常に感銘を受け、推薦図書を読み進めること約3ヶ月。
ほぼフレームワーク本も完読に近づきました。

推薦図書を全部読んでみよう!
というのは、おそらく著者の方の意図とは違うかもしれません。
まだ本書を読まれていない方への注意書きですが、
フレームワーク本は本の紹介ではなく、多面的で具体的な取り組みによってビジネスのボトムアップを促してくれる本です。推薦図書はあくまで巻末の参考書です。

それでもやってみてどうだったか。といえば、

やってよかった!と力を込めていいたい。

その理由は・・・

①インプット力が飛躍的に伸びた
小飼さんのようなスゴい人ではないわたしは、ほぼ毎日通勤中も昼休みも読書・読書・読書。夜はこどもを寝かした後で、ブログに書評を書く毎日でした。
もうすこし集中的にできたら、より効果的だったと思うのですが、まあ所帯持ちには限界があります。
こんな毎日を3月送ると、さすがに読む速さが伸びてきます。こうなると読書が楽しい。

②アウトプット量が飛躍的に伸びた(「力」ではなく「量」です)
いい加減、読んでばかりだと頭が飽和状態になってきます。
わたしは気がつくと嫁に小一時間ほどブルーオーシャン戦略について熱く語り、「なにそれ。」と一刀両断されたこともありました。せっかくの知識も出す方法を間違えると水の泡です。
そこで、ブログ書評として知識のアウトプットを行うことにした訳ですが、頭にインプットがされた状態だと自分とは思えないほど筆が走ります。どうもインプット量に比例して、アウトプット量もあがるようです。

③アウトプット力が(これから)飛躍的に伸びる(はず)

しかしながら、筆の走る状態で書いたものは往々にして読みにくく、せっかく書いたものをアップしても、アクセス数は増えないままです。気がつくと、自分の閲覧した分だけがアクセス数という、たいへん哀しい事態になることもあります・・・。
そこで今度はブログの構成、文章の磨き方を研究しました。
世の中には恐ろしいほどの更新力と読破力を持った方(小飼弾さんのような方)もおり、読むのが楽しくてついついアクセスが習慣化してしまう巧みな書評を書かれる方(smoothさんのような方)もおられます。いずれも容易にマネができない(ことが段々わかってきました)方達ですが、ありがたいことにこんな本を紹介してくれることがあります。
早速アマゾンアタックして、届いた本を読むと次のような文が・・・。

すでに世の中の誰かが書いたりいっていることであるなら、わざわざ私が同じ事を書く必要はありません。それはむだというものです。

うーむ書評の道はキビシイ・・・。ちなみにこの本はお薦めです(smoothさんの書いていないことが見つけられなかったので書評は書きません(爆))

④思い込みを見直すことができる
わたしにとって推薦図書を読んだ最大の効用は、思い込みによる行動を直せるような強烈な本に出会えたことでした。
それは「人間この信じやすきもの」や「まぐれ」あるいは「急に売れ始めるにはワケがある」のような本でした。
これらの本は推薦図書というキッカケがなければ、まず手に取ることはなかったでしょう。
42冊の推薦図書を読めば、きっと行動や習慣を変えるようなインパクトを持った本に出会えると思います。

⑤発見がある
発見あります。推薦図書を読む日々は、日々発見でした。
たとえばこんな発見が・・・

1.「ホイラーの法則」は「アフォーダンス」をセールスの世界に落とし込んでいる!

2.ニューヨークの治安改善は見方が変われば評価も変わる!
⇒「ブルーオーシャン戦略」、「統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?」、「急に売れ始めるにはワケがある

なんのこっちゃ?という方は、リンク先をご覧ください。
まあビジネススキルアップとは無縁なんですが・・・。でも本から何かを発見するのは楽しいですよね。これが読書を習慣化する源だったと思いますし。

ここまで長々とお付き合いいただいた方ありがとうございます。
フレームワーク本のブログは、今回で終わりです。
心残りはアクセスがあまり伸びず、コメントもいただけずに終わってしまったところです(実父からのヤジのようなコメントはいただきましたが・・・)。
将来どなたかが、本ブログを発見されて参考になればいいな、と思います。こちらで「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」推薦図書の一覧を見ることができます。


最後にいろいろな意味でキッカケをいただいた、「フレームワーク力」の著者の勝間和代さんに感謝したいと思います。この本を手に取らなければ何もはじまらなかった。本当にありがとうございます(広告でもヨイショでも、ありませんよ)。

できれば、
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」を出してください!
問題は「数字センス」で8割解決する/望月 実

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この本は数字に対する感覚をいかに身につけることで、明日の仕事レベルをアップさせるか、その手法をプレゼンした本です。

【目次】
まえがき
 
第1章 数字を「読む」力をつける
~問題発見力を高める5つの数字の読み方
 
 
第2章 数字で「考える」力をつける
~問題解決力を高める3つの数字の使い方
 

第3章 数字で「伝える」力をつける
~コミュニケーション能力を高める7つの数字の使い方

まとめ ~数字に強くなる15のコツ
 
あとがき ~A地点からB地点に行くために


問題です。
伊勢丹と三越の利益の差は200億円あります。
では、三越で1万円で売っている商品をいったいいくらで販売すれば、伊勢丹と同じ利益が稼げるでしょうか?

答えは1万250円です。
思ったよりも、少ない額ですよね。なぜか?これは本書を是非読んでいただきたいと思いますが、ヒントは営業利益率にあります。
本書は現役の会計士の方が書かれた本であり、数字をテーマに、どう読みとるか、どう使うか、そしてどう伝えるか。を柱にノウハウを組み上げています。

すぐれているな!と感じた点は、軽く読める、ということです。
内容が薄いというわけではありません。軽く読めるのには訳があります。
その訳は、著者の方のプレゼン能力にあります。
適度な行間と見出しの大きさにより、実に読みやすい。
読むというよりは、見るという感じでしょうか。
しかも、このプレゼンの出来は相当なものです。

勝間和代さんが最近アンケートに答えると、人生戦略策定セミナーテキストが300円で購入できるキャンペーン、をやられていたのはご存知の方も多いと思います。
早速購入してみたところ、やはり期待を裏切らない。
リズムよくパラパラとシートをめくるだけでで、頭にスッと入ってきます。
しかも、その知識が粘る。粘って考え方が変わることが実感できるテキストです。

本書の著者の方のプレゼン力も、勝間さんのテキストに近いものがあります。
本書の価格は税抜きで¥1480円。セミナーを受けることを考えたらこの値段は安いのではないでしょうか。
早速気になるページに付箋を貼って、机の横に置いて仕事の合間に目を通すようにしています。

わたしは最近、設計金額の検算をすることが多く、数字があわなくてたいへんな思いをしていました。
本書では、そんなあわない数字を大量のなかから、いかに見つけるか。その手法も紹介しています。
まさしく「実用書」の王道をゆく良書だと思います。是非一読を!


誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか/ジョージ・エインズリー

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この本は、ないと中毒になる。あれば行動を制限してしまう意思について、中くらいのところに落ち着きにくい人間の意志について、双曲線による説明を試みた本です。

【目次】
第1部 意志を分解してみると:アクラシアの謎
第1章 はじめに
第2章 意志決定の科学の根底にある二律背反:人の選択を司るのは欲望か判断か?
第3章 人の未来評価にはギャップがある
第4章 そのギャップが自発的でない行動を生み出す:痛み、渇望、感情

第2部 意志を分解してみると:異時点間取引の構成要素
第5章 利益の基本的な相互作用
第6章 内的利益同士の高度な交渉
第7章 異時点間の交渉を主観的に体験する
第8章 非線形動機システムの証拠

第3部 最終的な意志の分解:成功は最大の失敗
第9章 意志力が裏目に出るとき
第10章 効率の高い意志は欲求をつぶす
第11章 欲求を維持する必要性が意志を圧倒する
第12章 結論


「双曲線」いきなりこの言葉にひっかかってしまいました。
ってなに?と思ったのですが、指数曲線に対するライバルのようなもの、と本書では紹介されています。ますます???

どうやら縦軸を価値、横軸を時間として、ある判断に対する報酬の高さをグラフに表わしたときに生まれる曲線について、ゆるやかなカーブを描く指数曲線に対して、短期的に跳ね上がるようなカーブを描くのが双曲線と、いうことのようです。
双曲線・・・一応Wikiにリンクを貼りますが私はかえってわからなくなりました・・・)

このようにノッケからひっかかってしまったくらいでして、本書の書評を書くにあたり、内容を誤解している可能性もあります。ご容赦ください。

本書は、ひとがなぜ、目の前の誘惑に負けてしまうのか、この疑問を入り口として、非常に奥行きのある「意思」に対する考察を行っています。
なぜ、目の前の誘惑に負けてしまうのか。これが双曲線が描くカーブにより説明されます。
たとえば今、1万円もらえるのと、2年後に2万円もらえるのと、どちらかを選べるとしたら、ほぼ誰もが今1万円をもらうことを選ぶでしょう。
では、8年後に1万円もらえるのと、10年後にもらえるとしたら、どうするか。
おそらく皆10年後を選ぶのではないかと。
つまり現在での誘惑の高さは、双曲線の急激なカーブに対応しているといえます。
往来人が将来に対して抱く期待値の高さは、よりゆるやかな指数曲線によって表されてきました。
しかしそれでは人が目の前の誘惑に負けて非合理的な行動をとること(アルコールや喫煙などの行動)の説明がつきません。双曲線は、これを説明しうるより妥当性の高い理論といえるのではないか、というのが本書の最初の主張です。

著者の「意思」に対する考察は、さらに広がります。
双曲線により描かれる誘惑をはねのけ、長期的で合理的な報酬を得ようとするのが「意思」ですが、強い「意思」とは有益なものなのでしょうか?
どうもそうではないらしい。というのが本書の主張です。
強い意志、個人のルール、は行過ぎると強迫的な行動へと人を駆り立ててしまう、というのです。意思の強さが、行動を制限し、感情を抑制してしまう。あるいは、先を見通せすぎてしまい、合理的判断ができすぎてしまうことが、驚きによる喜びを抑えてしまい。退屈になってしまう。
なんとなくこのあたり、直感的に理解できるところです。
情報も集めず、DVDを買わずに、わざわざおもしろいかどうかわからない映画をあえて見に行くような感じでしょうか。

本書は最初に訳者の解説を読むことからお薦めします。へんに先入観を持ちたくない!という方はさておき、訳者の方の解説を読んで、ようやく本書の流れが見えてきた気がしました。話があちこち脱線する上に、独特の言い回しをするので、なかなか頭に入って来にくい内容でした。

それでもなお読む価値のある本であることは疑いもありません。
たとえば本書の後半では、他者をバイアスとした「意思」の持続というテーマが出てきます。たとえば伝統的なコミュニティが個人の誘惑を自制する(中世のヨーロッパ社会など)ことが、例としてあげられますが、それに加えて自分が意思を社会的に満たせないとき、他人の感情を代償として、満足しようとする事例が紹介されています。

自分が本当は○○したいんだけれど、ちょっと後々引き摺るなあ。という誘惑を、実際に○○してしまった他人の原因と結果を見て充足する、といったところでしょうか。

「意思」は、自己啓発の本が必ず扱うテーマでもあります。
日々良い習慣を身につけて、長期的に高い成果を得よう!
というのがとても重要なのが頭ではわかっているのですが、
これが誘惑が邪魔してなかなか出来なかったりします(冬はとくに)。

わたしの場合は早起きです。早起きして勉強時間にあてれば、その日一日有意義な毎日が送れることは、経験的に知っています。しかし2、3日するとだんだんその効能が薄れて、やがてもとの木阿弥・・・。
これを理論化したのが本書といえます。本書を読んで、じゃあ明日から毎日早起きできるか、といえば、そういう本ではないのですが、ではどうするか、仕組みと対策が見えてきます。具体的には、勝間さんのいう習慣の仕組みをつくることになるのかもしれません。

意思により物事の持続すること。誘惑を退けることは本書から次のように導けそうです。
まわりの人に宣言する→コミュニティによる制約
達成報酬を自分に与える→個人的ルールによる中期的な利益
などなど、いろいろな行動指針の発見ができそうです。

もちろん本書は、純粋に「意思」に対する研究成果を楽しむことができる本でもあります。
「読みにくい本」というよりは、「パズルのような本」として自分なりに解きほぐして読むとおもしろいかもしれません。


【著者紹介】
ジョージ・エインズリー(GEORGE AINSLIE)
フィラデルフィアのテンプル大学教授。専門は精神医学。
Veterans Affairs Medical Center(退役軍人病院)のチーフ精神病医。
著書に、Picoeconomics(Cambridge University Press, 1992)がある。