太陽の柔らかな光が、車窓からまるで語りかけるように差し込んでくる。眩しくない、ただ心地よい。そのキラキラとした輝きに心がうっとりとさせられる。まるで何かを伝えようとしているような、その光。言葉を聞きたいと思うけれど、理解することはできない。でも、それでいい。私の心のどこかが感じ取っていれば。
窓の外を流れる景色を眺めながら、ふと思う。私から太陽までの距離はどれほどあるのだろう。光の速さで計れば、何光年ものはるか彼方。私たちは地球の重力に縛られ、宇宙の果てしない広がりには届かない。しかし、想像力は違う。それは私たちを太陽にもっと近づけ、詩の言葉は太陽を友達にさえ変えてしまう。
幽質界の話が心に浮かぶ。物質界よりはるかに広大で、そこでは物理的な法則は通用しない。霊的な法則が支配する世界。食べることも寝ることも、労働さえも不要な場所。人間の物質の脳では理解しがたい、でもいつかは帰る世界。
幽質界は物質界に先立って誕生したと言われている。私たちは、その幽質界からこの地上に降りてきたのだ。そして、いつかはそこへ「帰っていく」。無事に元の世界へ戻れるだろうか。私たち全てが、より高い階層の幽質界へと移りゆくことを、ただ祈るのみ。
