TS-9回路解説 ~番外編~
やっほーい、とり・そぼろだお~(^ω^)前回でTS-9の回路解説は無事、勝手に終わりまして、「ほなけん、改造の実用例は?」ということで今回僕なりに回路図書いてみました。かなり欲張りな回路です。ほい!オリジナルサイズはこちらから落とせます。ここから落とすんだよ~~~んどうでしょう。そのまま作れば9個もツマミがあります。電源部のトリマーも含めれば10個ですね。もはやTSか?と思われるかもしれませんが、回路の外形を見るとTSです。微妙に定数変更していたりもしますが、単に僕の好みというだけなので全部は触れません。ツマミの動きも理解してもらうために、ポットの足番号も振ってみました。では、参りましょうぞ。[①]Input Zのツマミ。Zはインピーダンスのことですね。要するに入力インピーダンスを無理やり変えるツマミです。回路図の通りに配線すると、右に回しきった状態でほぼ1Mになるので、ノーマルと同じ感じに。左に回していくと入力インピ―ダンスが下がっていくので高域がまろやかになって、相対的に出てきます。ただこのツマミは曲者でして、ギターから直とかだとそれなりに効くのですが、このペダルよりも前にインピーダンスを下げる機能を持つペダル(BOSSとか)などを繋ぐと効果が薄れます。「つーかこれ効いてないんじゃね?」レベルになります。超ハイインピーダンスなパッシブエレキギターだからこそのツマミなので、おもしろいんですけどね。[②]Clipというツマミ。これはクリッピングがどれだけ波形をカットするかを調整できます。右に回しきった状態でクリッピングが完全に作用して、左にま回していくことで徐々にクリッピングがキャンセルされて歪みが浅く、そして質が変わっていきます。これも入れ方は様々で、上の回路図だとクリッピングそのものをキャンセルする仕様です。しかしこれにダイオードを1本加えて非対称にして、その内の1本だけに可変抵抗を付けてやると対称⇔非対称を無段階的に変化させることができます。厳密にはちょっと違いますけどね。入れ方としてはこんな感じですね。可変抵抗の値はお好みで。1Kとかでも結構効きますよ。[③]Driveのツマミを1M-Aに変更。これはゲイン幅を広げて最大ゲインを稼ぐと言うものですね。それに伴って発振防止用のコンデンサを120pFにしています。[④]PreGainのツマミ。これは右に回すと抵抗値が小さくなるので、ゲインが上がってトレブリーになります。左に回すとゲインが下がって低域がモッサリしてきます。[⑤]Toneのツマミは5K-Bに変更。これはトーン部のところで書きましたが、抵抗値を下げることで全体的に明るく硬い出音になります。[⑥]PostGain、これは前段のDriveと全く同じです。しかしTone回路よりも後ろにあるので、ここでゲインを稼ぐとまた違った歪みが得られます。発振する可能性があるので、並列に51pFを増設しています。もしかするともっと大きい方がいいかも。以前も書きましたが、ここにクリッピングを噛ませるのももちろんアリです。[⑦]Presence、これは抵抗が持つローパス特性を利用したツマミです。ギター用シールドの抵抗値が大きかったらハイの伸びが悪かったりしますよね?簡単に言うとそれと同じことっす。左に回しきった状態でノーマル、右に回していくことで徐々に高域が削れていきます。音量も結構下がります。引っ込む感じになるので、距離感という意味で「Distance」なんて名前でも良いかもですね。「付けたのに全く使わない」ってことになるので、これやるなら前段で割と高域を出すチューニングの方が良いです。[⑧]信号ライン最後はLowCutです。これは手前の0.1uFとハイパスを形成しています。なので抵抗値を変えてやるとカットオフ周波数が変わると言うやつですね。そこまで派手には効かないと思います。これを見て気づいた方もいるかもですが、入力部の510Kや初段のオペアンプ入力直前の10Kでも同じことができます。効果としては入力側の方が顕著です。可変抵抗は1M-Bなので、真ん中で大体510Kになるのでオリジナルと同じ。右に振ると低域が減ります。逆にすると低域が気持ち程度増えます。実験機的な感じで作るのであれば1M-Bで良いのですが、ポットの値は500Kにしてカット方向にのみ効くと言うようにした方が、扱いやすさということでは良いかもしれません。[⑨]さぁラスト、Biasのツマミ。電源ラインのところにありますね。まさに名前の通りで、あえてバイアス電圧をずらすというものですね。これはグリグリいじるものでもないので、もし付けるとしてもトリマーで良いと思います。ということもあって、あえて足番号は振っていません。真ん中で通常の4.5Vを形成。右左に振ることで最大4V:5V、5V:4Vまで可変できます。大体Timmyと同じくらいですね。もっと振りたければ上下の18Kの抵抗値を小さくすればOK。「右に振りきったものと左に振りきったものは同じじゃないの?」と思うかもしれません。しかし実際はクリッピングが非対称であったり、パーツの微妙な誤差などで若干変わってきます。-----------------------------------ということでTS-9とりそぼろボンバーmodの解説でした。まぁ「こんなのできますよ~」という提案ですね。定番ということでは③,④、個人的なオススメは加えて⑤,⑥ですね。まぁ僕の個人的なのはどうでも良くて、上記の中から気になるメニューで改造をすると、自分の欲しい出音が手に入る…かもなんですわ。ちょっと今回ので記事にしたかったこと書き切っちゃったので、次回は自作する時に記事でも書こうかと思います。まぁいつになるか分かりませんが。ではでは、アデュ~