どもども。嫌気ささずに見てくれたんすね、あざーっす。
今回はタイトル通り、増幅段。
歪みペダルだと、全体の質やバランスを決める上で最も重要なセクションですね。
正直ここいじるだけで、全く別物にできます。
なんでちょっと長くなってしまってます。すんまへんやで。
では回路図、どーん
入力のコンデンサが前のとこと被ってたりしますが、それも意図があってやってます。それは最後まで解説したら書きますので気にしないでくださいね。
んでどすか、よく見ますよね。このダイオードが入ってる感じとか。
ちなみにこれ、オペアンプの+端子に信号が入力されてますので、「非反転増幅」と言います。
ほな解説いきまー。
[①]
最初の1uFはカップリングコンデンサ、入力バッファのとこでやったアレです。
容量増やすと低域増えます。
[②]
次に10Kの抵抗がバイアス(▽なやつ)に繋がってますね。
これの動作は入力バッファのとこでやったらGNDに落ちる510Kの抵抗と同じと考えてください。
前段の1uFとハイパスを形成しています。
小さくすると低域が削れていきます。
ここはオペアンプの入力直前なので、中間電圧であるバイアスに落してます。オペアンプが正常に動作しませんのでね。
オペアンプってのはそういう不器用なやつなんです。分かってやってください…。
「音が鳴らない」とか「出るけどプープー」とかの原因としてこれをGNDに落としてる場合があるのでご注意を。
バイアスってのは多くのエフェクターの場合だと9V電源で、半分の4.5Vですね。
要は一般的なデュアルOPの8番に掛かってる半分の電圧にさっきの抵抗が落ちてりゃOKです。
まぁこの辺りのこと書くと電源部で書くことなくなるんでこんなもんで。
[③]
んで話戻してオペアンプ入りーの、51pFのコンデンサ。
これは面倒くさく言うと帯域制限用or位相補償用コンデンサ。
簡単に言うと発振防止用ですわな。ゲインを上げた時にピーッてなるのを止める働きをします。
厳密に言うと後述の抵抗とLPF(ローパス・フィルタ)を形成してるんですが、まぁ独立させて考えてもらって大丈夫なレベルです。
普通のTS-9くらいのゲインだとまぁ発振しませんが、Landgraff DOD(以下DOD)くらいゲイン稼ぐと配線の仕方とか部品の相性とか色々相まってDrive上げた時に発振することがあるんですよね。
多分経験された方も結構いると思います。
そんな時の対処法として、このコンデンサの容量を増やす手があり、かなり楽だし有効です。
この回路だと51pF(DODも51pF)ですが、最初から120pF~220pFくらいをぶっ込んでも良いくらいです。
一応さっき書いた通りローパスなんで、あんまり大きくするとギターのトーン絞ったみたいに高域の伸びが悪くなり、煌びやかさが失われます。プープーになります。
上記の値くらいだとほぼ本来の出音を殺さず発振だけ抑えることができます。
一度ここに0.01uFとか突っ込んでみるとよく分かりますよ。
このコンデンサは、レイアウト作る際になるべくオペアンプの近くに位置した方が良い、らしい。
まぁそんな気にすることでもないですが。
なんか今回書くこと多いな。すんまへんやで。
[④]
てなわけで51Kの抵抗とDriveのポット。これは同じなので一緒にやります。
要するにここの抵抗値が大きくなればゲインも上がるって感じ。
さっきのコンデンサとローパス形成してるって書きましたが、そんなのはどうでも良いです。
そんなことより増幅倍率。実はオペアンプの1-2番間の抵抗値を、オペアンプの2番からバイアスに落ちてる抵抗値(4.7K)で割ったのが比率になります。大体ね。
なのでこの回路だとDriveが最大で
(51K+500K)/4.7K=117
となるので、大体120倍くらい。
DODだとDrive最大で
(10K+1000K)/1K=1010
なんで、大体1000倍。とまぁこんな感じ。
1000倍ってのはなかなかなの倍率で、ここまでのはあんまりないです。
弾いたことあるか分かりませんが結構歪む印象のRuby Stoneなんかでも330倍くらい。
まぁこの辺の数字はどうでもいいんですけどね。
固定抵抗である51Kが最小ゲインを決めるので、ここを小さくするとDriveを絞った時により歪まなくなります。
ただ小さくし過ぎるとDrive最小時に音が小さくなりすぎるて、上げていった時に「ゥ~ブワァ!」って急激に音量が上がって腰抜かすかもなので、まぁ最低でも4.7Kくらいは欲しいかな。
10K~47K大きいくらいが扱いやすいかなと思います。
「小さくしすぎたら最大ゲイン稼げれへんやんけぇ!男は黙ってフルテンやぁぁ!!」って方、
安心してくだい。履いてま(ry
例えばDriveに1Mのポットを使うと1051Kだろうが1010Kだろうがほとんど変わらないので、この抵抗に関しては最小ゲインを決めるために調整してください。
[⑤]
0.047uFのコンデンサ。後述の4.7Kの抵抗とでHPF(ハイパスフィルタ)を形成しています。
容量を小さくすると低域が削れてトレブリーに、大きくすると低域が出てボワーってなります。
ちなみにここの影響力はカップリングコンデンサよりはるかにデカイです。
ここの改造例として、ここに並列でコンデンサを接続してやると容量がその分だけ増えるので、低域の量を切り替えることができます。FATスイッチなんて呼び方されてるやつですね。
こんな風にスイッチで、パチッとな。
増やしてるコンデンサの値は適当っすよ。
ここで注意点というか、これに限らず切替スイッチを増設する際のアドバイスがあるので「こちら」に書いてみました。良かったら目を通して見てくださいな。
まぁ実用的な範囲から言って、0.01uFより小さくすることはあんまりないかなぁ…。
逆に上は4.7uFとかつけちゃうのもありですよ。
その容量だと電解になるでしょうが、その際は極性に注意してくださいね。
まぁここも迷ったら無極性のものを使っとけばOKです。
[⑥]
やっとここまで来ましたね。ちょろちょろ出てた4.7Kの抵抗。
前述の通り、こいつは増幅率と、0.047uFとのハイパスの具合を決めている凄いやつ。マルチタスクな野郎。半端ねぇぜ…。
とまぁ色々絡んでいて難しそうですがそんなことはありません。
「抵抗値を小さくすればゲインが上がってトレブリーに、大きくすればゲインが下がってブーミーに」
これだけ覚えておけば大丈夫です。
この抵抗を可変抵抗にすればVoiceとかBiasとかPreGainなんて呼ばれるツマミになります。
当然ですが抵抗値を小さくしすぎるとDriveを上げた時に発振するのでご注意を。
ちなみにこの部分のハイパス、機種によってはコンデンサと抵抗の順番が逆のものがありますが、その辺はあまり意識しなくていいです。
順番逆でも各々の定数が同じならカットオフ周波数(フィルタの効き具合)は変わらないので。
[⑦]
最後にクリッピング。これは言うまでもないですね。
対照と非対称があります。以上。
好きにしてくだせぇ。
-----------------------------------
さぁ、増幅段の説明してみましたがどないでしたか?
入力部に比べていじるとこ盛り沢山だったでしょ。
クリッピングももちろんそうなんですが、⑤と⑥だけで十分にキャラクターが変わるので、「とりあえず改造してみよう」と思ってる方はこの2点だけでも変えてみてください。
ほな、見ていただいてあざしたー。
今回はタイトル通り、増幅段。
歪みペダルだと、全体の質やバランスを決める上で最も重要なセクションですね。
正直ここいじるだけで、全く別物にできます。
なんでちょっと長くなってしまってます。すんまへんやで。
では回路図、どーん
入力のコンデンサが前のとこと被ってたりしますが、それも意図があってやってます。それは最後まで解説したら書きますので気にしないでくださいね。
んでどすか、よく見ますよね。このダイオードが入ってる感じとか。
ちなみにこれ、オペアンプの+端子に信号が入力されてますので、「非反転増幅」と言います。
ほな解説いきまー。
[①]
最初の1uFはカップリングコンデンサ、入力バッファのとこでやったアレです。
容量増やすと低域増えます。
[②]
次に10Kの抵抗がバイアス(▽なやつ)に繋がってますね。
これの動作は入力バッファのとこでやったらGNDに落ちる510Kの抵抗と同じと考えてください。
前段の1uFとハイパスを形成しています。
小さくすると低域が削れていきます。
ここはオペアンプの入力直前なので、中間電圧であるバイアスに落してます。オペアンプが正常に動作しませんのでね。
オペアンプってのはそういう不器用なやつなんです。分かってやってください…。
「音が鳴らない」とか「出るけどプープー」とかの原因としてこれをGNDに落としてる場合があるのでご注意を。
バイアスってのは多くのエフェクターの場合だと9V電源で、半分の4.5Vですね。
要は一般的なデュアルOPの8番に掛かってる半分の電圧にさっきの抵抗が落ちてりゃOKです。
まぁこの辺りのこと書くと電源部で書くことなくなるんでこんなもんで。
[③]
んで話戻してオペアンプ入りーの、51pFのコンデンサ。
これは面倒くさく言うと帯域制限用or位相補償用コンデンサ。
簡単に言うと発振防止用ですわな。ゲインを上げた時にピーッてなるのを止める働きをします。
厳密に言うと後述の抵抗とLPF(ローパス・フィルタ)を形成してるんですが、まぁ独立させて考えてもらって大丈夫なレベルです。
普通のTS-9くらいのゲインだとまぁ発振しませんが、Landgraff DOD(以下DOD)くらいゲイン稼ぐと配線の仕方とか部品の相性とか色々相まってDrive上げた時に発振することがあるんですよね。
多分経験された方も結構いると思います。
そんな時の対処法として、このコンデンサの容量を増やす手があり、かなり楽だし有効です。
この回路だと51pF(DODも51pF)ですが、最初から120pF~220pFくらいをぶっ込んでも良いくらいです。
一応さっき書いた通りローパスなんで、あんまり大きくするとギターのトーン絞ったみたいに高域の伸びが悪くなり、煌びやかさが失われます。プープーになります。
上記の値くらいだとほぼ本来の出音を殺さず発振だけ抑えることができます。
一度ここに0.01uFとか突っ込んでみるとよく分かりますよ。
このコンデンサは、レイアウト作る際になるべくオペアンプの近くに位置した方が良い、らしい。
まぁそんな気にすることでもないですが。
なんか今回書くこと多いな。すんまへんやで。
[④]
てなわけで51Kの抵抗とDriveのポット。これは同じなので一緒にやります。
要するにここの抵抗値が大きくなればゲインも上がるって感じ。
さっきのコンデンサとローパス形成してるって書きましたが、そんなのはどうでも良いです。
そんなことより増幅倍率。実はオペアンプの1-2番間の抵抗値を、オペアンプの2番からバイアスに落ちてる抵抗値(4.7K)で割ったのが比率になります。大体ね。
なのでこの回路だとDriveが最大で
(51K+500K)/4.7K=117
となるので、大体120倍くらい。
DODだとDrive最大で
(10K+1000K)/1K=1010
なんで、大体1000倍。とまぁこんな感じ。
1000倍ってのはなかなかなの倍率で、ここまでのはあんまりないです。
弾いたことあるか分かりませんが結構歪む印象のRuby Stoneなんかでも330倍くらい。
まぁこの辺の数字はどうでもいいんですけどね。
固定抵抗である51Kが最小ゲインを決めるので、ここを小さくするとDriveを絞った時により歪まなくなります。
ただ小さくし過ぎるとDrive最小時に音が小さくなりすぎるて、上げていった時に「ゥ~ブワァ!」って急激に音量が上がって腰抜かすかもなので、まぁ最低でも4.7Kくらいは欲しいかな。
10K~47K大きいくらいが扱いやすいかなと思います。
「小さくしすぎたら最大ゲイン稼げれへんやんけぇ!男は黙ってフルテンやぁぁ!!」って方、
安心してくだい。履いてま(ry
例えばDriveに1Mのポットを使うと1051Kだろうが1010Kだろうがほとんど変わらないので、この抵抗に関しては最小ゲインを決めるために調整してください。
[⑤]
0.047uFのコンデンサ。後述の4.7Kの抵抗とでHPF(ハイパスフィルタ)を形成しています。
容量を小さくすると低域が削れてトレブリーに、大きくすると低域が出てボワーってなります。
ちなみにここの影響力はカップリングコンデンサよりはるかにデカイです。
ここの改造例として、ここに並列でコンデンサを接続してやると容量がその分だけ増えるので、低域の量を切り替えることができます。FATスイッチなんて呼び方されてるやつですね。
こんな風にスイッチで、パチッとな。
増やしてるコンデンサの値は適当っすよ。
ここで注意点というか、これに限らず切替スイッチを増設する際のアドバイスがあるので「こちら」に書いてみました。良かったら目を通して見てくださいな。
まぁ実用的な範囲から言って、0.01uFより小さくすることはあんまりないかなぁ…。
逆に上は4.7uFとかつけちゃうのもありですよ。
その容量だと電解になるでしょうが、その際は極性に注意してくださいね。
まぁここも迷ったら無極性のものを使っとけばOKです。
[⑥]
やっとここまで来ましたね。ちょろちょろ出てた4.7Kの抵抗。
前述の通り、こいつは増幅率と、0.047uFとのハイパスの具合を決めている凄いやつ。マルチタスクな野郎。半端ねぇぜ…。
とまぁ色々絡んでいて難しそうですがそんなことはありません。
「抵抗値を小さくすればゲインが上がってトレブリーに、大きくすればゲインが下がってブーミーに」
これだけ覚えておけば大丈夫です。
この抵抗を可変抵抗にすればVoiceとかBiasとかPreGainなんて呼ばれるツマミになります。
当然ですが抵抗値を小さくしすぎるとDriveを上げた時に発振するのでご注意を。
ちなみにこの部分のハイパス、機種によってはコンデンサと抵抗の順番が逆のものがありますが、その辺はあまり意識しなくていいです。
順番逆でも各々の定数が同じならカットオフ周波数(フィルタの効き具合)は変わらないので。
[⑦]
最後にクリッピング。これは言うまでもないですね。
対照と非対称があります。以上。
好きにしてくだせぇ。
-----------------------------------
さぁ、増幅段の説明してみましたがどないでしたか?
入力部に比べていじるとこ盛り沢山だったでしょ。
クリッピングももちろんそうなんですが、⑤と⑥だけで十分にキャラクターが変わるので、「とりあえず改造してみよう」と思ってる方はこの2点だけでも変えてみてください。
ほな、見ていただいてあざしたー。