少々専門的な内容ですが、
「自分好みの仕様に改造するためにはどこをどうすればいいのか
ということで、自作する人たちの参考になれば。

自分好みにとは言っても
このコンデンサーをオーディオグレードに交換!
オーディオグレード最高!!フゥー!!!


なんて抽象的なゲフンゲフン…部品のグレードよる切り口などでは書きません。
というかそっちも絡めるとキリないので。

簡単にですが、回路について触れながらというものです。
一応一個一個、全ての部品について触れます。
まぁ回路解説と言っても比較的軽い内容だとは思うので、よろしければ見てみてくださいな。

今回扱う回路は定番のオーバードライブ、ちゅーぶすく(ry
「Ibanez TS-9 Tube Screamer」です。

最初にこの実機を買う方や、自作する人ならこの回路をベースとしたLandgraff DODなんかを作ってみた、なーんて方も少なくはないんじゃないでしょうか。

ではではとりあえずその回路図ですね。
TS-9 回路図
TS-9 回路図(1815)

オリジナルサイズはこちらから落とせます。
ここから落とすんだよ~~~ん

基本的な回路構成は点線で囲んだ通りですね。
入力部と電源部に若干オリジナルと違う部分がありますが、その辺は後で説明入れます。

あ、ちなみにですが完全に理解したい場合はここに超絶丁寧な解説(ただし英語)があるのでそちらをご覧ください。
まぁ定数をヒントに、その近くだけ読んでも少しは理解できるかも知れません。

流れとして、この記事では入力・バッファ部について説明します。
その後は増幅段/トーン・増幅段/出力・バッファ/電源というように分けて記事にしていきます。

それでは入力・バッファ部!いでよ!
入力部

来ましたね~。では早速説明に入ります。

[①]
INからすぐGND(如何にも地面って感じのマーク)に繋がっている1Mはオリジナルには無い抵抗です。
これは機械式スイッチの「バチン」という切替ノイズを軽減するのに有効なので「入力の直後にはとりあえず入れとけ!」って感じでいいです。

500K~4.7Mくらいならどれ入れたって良いんですが、まぁ定番は1Mか2.2Mくらいですね。
大きくするとインピーダンスの関係でほんの少し高域が出てきます。
でもあんまりここで音域の調整はしない方がいいかなと。

[②]
ほいで0.022uFのコンデンサ、これで入ってきた音の低域を通す量が決まります。
カップリングコンデンサなんて呼び方もあります。

大きくするとより低域が増えます。あんまり大きくしすぎると後ろの増幅段で低域が歪んで音が「ボワー」って飽和したりするので0.01~1uFくらいがオススメですね。
回路にもよりますが、僕は大体0.1uFにしてます。

ちなみにここのコンデンサー、ほとんどの場合がフィルムだと思うのですが電解を使う場合はちょっとした注意が必要で、極性ありを使用した時に機械式切替だと切替ノイズが発生したりすることがあります。
なので使うなら無極性のものを使っとくのがオススメです。

[③]
次の1Kの抵抗はまぁあってもなくてもいいので省略。
その後ろからGNDに落ちている510Kは、直前の0.022uFとハイパスを形成しています。

TS系の中にはこの抵抗をバイアスに落としてるパターンもありますね。
抵抗値を小さくするとパイパスが機能しやすく(低域がGNDに流れにやすく)なるので、低域がカットされます。
あまり効きは派手ではないですが、この抵抗を可変抵抗にしてローカットに、なんてこともできますね。

[④]
ほいでトランジスタ、2SC1815。バッファなのでコレクタは直で電源(如何にも電源って感じのマーク)に繋がっていて、エミッタから信号が出ています。エミッタフォロワというやつですね。

バッファに使うトランジスタやFETの増幅率(hfeもしくはYfs×ドレイン抵抗)は大きい方が
音量落ちが少なくて、出力インピーダンスも下がるので理論的には良いですね。まぁ好みですが。

[⑤]
トランジスタ後ろのGNDに落ちている抵抗は①と同じと考えて大丈夫です。
大きくすればほんのちょっと高域が出ますが、インピーダンスの関係でここで調節するのはあまり良いとは言えません。ダメとは言ってないですよ?

その後ろの1uFのコンデンサーも②と同じ。低域の調整ができます。

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とまぁ入力・バッファーの話はこんなもんですね。

個人的にこの部分でいじるとすれば②,④あたりですね。特に②に関しては色々出来ます。
これを0.001uFとか、あえて小さい値にして原音の低域をがっつりカットしてみるとかはありだと思います。

あと自作に関してのアドバイスと言いますか、あまり原音重視とか、理論に従ってうんぬんかんぬん…とかは気にしなくていいと思います。

理論で硬めすぎると頭でっかちになっちゃって、枠を壊せずに、おもしろくないペダルしか出来なくなったりしますし。

もちろん、理論を知ってるからこそ生み出せる素晴らしい回路もあります。
でも歪みに関しては割と何でも良いんじゃないかな~ってのが僕の意見ですね。

あ、そうそう。「バッファって何ぞや」ってことですが、インピーダンスを下げて後ろの増幅段に送ってやるためにあります。
「ほなインピーダンスを下げるとどんな良いことがあるんやー」ってのはggrks的な感じで、今回は触れません。後々書くかもですが、分かりまへん。

次回は「増幅段」について書きます。
ではでは、見ていただいてありがとうございました~。