さて、ここまで娘の経過を記してきましたが、最後に私の所感を付け加えておきたいと思います。
乳児の湿疹は原因がはっきりしないことも多く、あえて特定しないこともよくあることのようです。
私たちの場合、かかりつけの小児科→紹介された皮膚科→別の小児科兼皮膚科→総合病院と、計4つのクリニック・病院をまわりました。2軒目の皮膚科で何らかのウイルスによるものだろうと言われたので、そのまま様子見でも良かったのかもしれません。ただ、増えていく湿疹への恐怖感が拭えず、別のクリニックを受診し、それが最終的に原因の特定につながりました。このくらいで何軒も回るなんて過剰な親だな…と思われるかなとも思いましたが、セカンドオピニオンを求めたことは、正解だったと思っています。
結果として、親に出来ることは何もありませんでしたが、今回の湿疹の原因がBCGで、湿疹のみで悪性のものでないと特定出来たことは、かなり不安を和らげてくれました。
ただし、この一連の流れの中で気になったのが、BCG接種による副反応としての発疹が、どの程度小児科医や皮膚科医の間で知られているものなのかということです。我々がかかった町のクリニックの先生方にも報告しましたが、「大変でしたね」「あるのは知っていたが初めて見ました」といったような反応で、見たことがない先生が多いのではないか?と思いました。乳児がBCGを打つようになって十数年ですから、むしろ、BCGによって乳児に湿疹ができること自体、まだそれほど認知されていないのかもしれません。
上記記事で紹介した論文中でも、報告数以上の症例が見過ごされている可能性が示唆されています。また、小児科医がこの症状を疑った場合には予防接種歴の確認および皮膚科との連携の重要性が指摘されています。
壊疽性丘疹状結核疹は、それほど重症にならないとはいえ、子供の全身に湿疹が出ることは、親からすれば本当に不安なものです。最終的に精密検査を受けることになるとしても、町医者にかかった段階でその可能性を指摘してもらえれば、その不安も少し和らぎます。また、BCGを接種する際にコッホ現象だけでなく、こうした副反応についても注意喚起がなされれば、親としても心の準備ができます(もちろん何もないのが1番ですが)。はっきり原因の特定出来ない湿疹の原因の可能性の1つとして、医療関係者の間でも、親の間でも、もう少し広く知られるようになると良いなと個人的には思いました。
繰り返しになりますが、私自身は子供が結核になる方が怖いので、BCGを打つべきではなかったとは全く思っていません。跡が残るかもしれないのは本当に可哀想ですが、運が悪かった…としか言えないと思っています。娘の場合、体質的に、予防接種には気をつけていかなければいけないのかもしれません。今後も注意して様子を見ていきたいと思いました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。どなたかのお役に立ちますように。
P.S.現在、ワクチンと副反応について国の救済制度を調べているところです。何か参考になりそうなことがあれば、また更新したいと思います。