緊急事態とか蔓延防止とか宣言が出るたびに、大好きな旅行の計画を考えるのも、お出かけするのさえ億劫になってきた。
お家時間の楽しみは、Netflix、YouTube、そして、読書。
半年前に帰国して、日本の本をいつでも読みたいだけ読めることが本当に嬉しい。うちのマンションの目の前に市立図書館があるのもラッキー。でも、好きな作家の本は、やっぱり買って読みたい!あまり持ち物を増やさないようにしようと思いつつ、本は確実に増えていきます。
15年前「永遠のゼロ」を読んで百田直樹ファンになりました。問題発言が多いとか、右翼的な政治観だとか、偏ったメディアに批判されることも多いけど(確かに、ひとこと多いから誤解されるんだよね、と思うこともあるけど)、とても正直な方なんだと思います。
「虎ノ門ニュース」や「百田尚樹チャンネル」を見ると、人間味も男気もある、真面目でユーモアたっぷりな人だと分かります。
帰国していちばんに買ったのが「野良犬の値段」、前代未聞のミステリー作品。とにかく展開が面白くて、ページをめくる手が止まらなかった。さすが元放送作家、読者を飽きさせないことにかけては唯一無二。
今年7月に文庫化された「夏の騎士」は、小学校6年生の夏を描いた清々しい小説。
60代のおっさんが書いたとは思えないほど子供たちの感情が豊かに表現され、子供や若者に読んでほしいのはもちろん、大人が読んでも小学校時代の思い出が鮮やかによみがえり、感動します。
百田版「スタンド・バイ・ミー」と言われるのも納得。
「勇気は人生を切り開く剣だ」という最初の一文から最後まで一気に読み終えた後、「百田さん、やっぱり天才やなぁ」とつぶやいてしまいました。
小説だけではなく、評論やエッセイなど幅広く書いているのも、百田さんのすごいところ。
私がすべての日本人に読んでほしいと思っている本が、「百田尚樹の日本国憲法」。
日本の憲法や安全保障を楽しく学び、憲法の問題点を分かりやすく暴き出し、つっこみどころ満載なのにひたすら憲法を一字一句守り続けるという滑稽さに笑ってしまいながら、憲法が日本人の命や暮らしを守るものではないことに気づき笑えなくなるという、実に奥の深い新書です。
1951年サンフランシスコ講和条約で日本が主権を回復した後、自由党と民主党という二つの保守党が政権を争っていて、でもこのままではあかん、憲法改正を進めるべき時期に、どっちが与党を取るかなどで争っている場合じゃない、二つの党が合流して自主憲法を作ろうじゃないかと合意して、1955年に誕生したのが自由民主党。
政治家はその原点に帰り自らの務めを果たしてほしいと、百田さんは言いたいに違いありません。その思いが届くといいのですが。