必殺仕業人 赤井剣之介
演-中村敦夫
生きるため人を殺す明日の見えない逃亡者。
主水を尋ねてきた新しい仲間の赤井剣之介は市松の紹介で、こうした2つのシリーズを、江戸を去った仲間がつなぐ展開は稀有。
昼は白塗り、夜は素顔でお歌への愛を貫く。
仕業人たちは表の顔を持ち、生業だけで食えることを基本としており、あくまでも殺しは裏稼業です。
剣之介は「芸人の端くれ」ですが、「下手な芸」を自覚しているように、満足に食える腕はありません。
「殺し以外できそうにない」と言って、主水組に加わった剣之介は、殺しが生業で芸が隠れ蓑という独自路線を走っている。
そのためか相手に情は一切かけず、金が入ると「久しぶりに鰻でも食うか」と飲食にすべて使ってしまう。
厳密には浪費家というよりも倹約を知らず、明日をも知れぬ身であるため、貯蓄にはこだわらないのだ。
赤い鞘の太刀を背負っているが、中身は竹光。
お歌の掛け声に合わせて居合抜きをし、日銭を稼ぐための小道具にすぎないのですね。
剣の腕はそれなりにあるが、侍を捨てた意地があるのか、殺しでは剣は使わない。
殺し技は刃のついた指輪で敵の元結を切り、ほどけた敵の髪の毛で絞め殺す。
うまく決まらず反撃されることもあるが、それも次第に洗練されていく。
この技はシリーズにおける絞め技の元祖です。
絞め技の手際もよくなるにつれて、あやふやな依頼には難色を示すなど、仕業人らしくなってきたが、芸の方は上達の気配がまったくない。