必殺からくり人 花乃屋 仇吉 | 聖 神吾 hijiri-shingoのブログ

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ミステリー作家です。
本来であれば、作家活動の記事をアップするところなのですが、そう毎日毎日ネタもなくて……。
半分、趣味の内容になっています。

 
必殺からくり人 花乃屋 仇吉

演-山田五十鈴

 

昼は深川で三味線を教えており、夜は屋形船に乗り流しで三味線を弾いている。

 

からくり人の元締が惨殺され、後を受けて2代目元締となり「花乃屋」を立ち上げた。

 

この夜に悪人の密談が行われていることが多く、流しをしながら悪事の手がかりをつかんでいる。

 

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さて、仇吉は八丈島に送られる以前、「おえん」と名乗っていたらしい。

 

この「おえん」という名前ですが、言わずもがな『新必殺からくり人』等に登場する、泣き節(出雲の)お艶と同じですよね。

 

両名は同一人物という設定ではありませんが、殺し技が同じ三味線の撥で、のど元を切り裂くというものなので説得がありません。
 

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最終回では仲間に遅れて敵の屋敷に乗り込み、そこで元締と対峙。

 

撥を投げつけて倒すものの、自身も弾に倒れ、八丈から抜け出した時のことを思い浮かべながら絶命した。

 

このころの必殺はハードでしたよね。

 

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花乃屋は、それまでの裏稼業組織が少なからず持ち合わせた、権力との癒着や豊富な財力を一切廃し、構成に武士がキャラが存在しません。
 
純粋に弱者の側に立ち、建て前に迷わぬ、自由なレジスタンスたちです。
 
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本作の特徴として、物語が巧みに忠実とからんでいることが上げられます。

 

歴史の闇にからくり人が暗躍し、人々はそれを知る由もない。
 
文化が爛熟して、退廃気味と言われた「天保」の時代、そして現代の「昭和」がよく似ていると考えられました。

 

過去の江戸時代の描写を通じて、「現代」日本を風刺している部分が大きく現れていますよね。

 

「殺し」をクライマックスに置かない、ドラマ重視の作品といえるでしょう。