茅打ちバンタを後にしてアタクシ、そのまま辺戸岬へと向かう
のかと思いきや、こんな場所に来てしまいましたよ。
どうですかこの山容、アタクシがわざわざ脇道に逸れたのは、
実はここを目的にしていたんですね。
ここは大石林山と言いましてね、南の斎場御嶽に対する北の
大石林山と言うくらいの沖縄二大パワースポットなんですよ。
白い岩肌が険しくそびえ立ち、陽光を浴びて白く輝き、それが
空の青さと見事なコントラストを描いていましてね、加えて
おびただしく生い茂る蘇鉄の群落、まさに南国の仙境と言っても
過言ではないわけですよ!
きっと孫悟空の生まれた花果山とは、こんなところだったんじゃ
ないでしょうかねぇ…。
ここは山の中腹からマイクロバスに乗って、ダートな山道を
ガッタンゴットンと座席にケツを打ちつけながら5分ほど
登っていくと、もう山の上の方まで行っちゃうわけですよ。
上の方にはいくつかの周遊コースがありましてね、散策が
楽しめるというわけなんですが、頂上には行けないんですね。
きっと頂上にはノロのような神人(かみんちゅ)しか行けないん
だと思いますよ。
ともあれアタクシも早速に散策開始ですが、どうですこの雰囲気!
鬱蒼と茂る木々の間に奇岩が林立する光景はまさに霊気漂う仙境
ですね。
ほら見てください、ちょっとした岩陰にもこのような小さな
祠がひっそりと鎮まっているではありませんか。
アタクシこういうの見ると、たまらなくそそられるんですね!
いやー、いいなここっ!
自然の織り成す奇岩ばかりではありません。
山中にはこんな風な石積みが長々と続いていましてね、人界と
神界を分ける結界ではないかと言われているんですね。
ぱぁーっと視界が開けたと思えば、指呼の間に辺戸岬が望め
るではありませんか!
まさに佳景絶景!
薄ぼんやりと与論島らしき島影も水平線に浮かんでおります。
ここまでの山歩きでかなり汗をかいたもんですから、吹き付け
る風の涼しさが、実に心地良いわけですよ。
10月初旬の沖縄は、まだ夏なんですけどね、ちょっと緑が
乏しく見えるのは、おそらく先日の台風で草木がみんな枯れて
しまったからなんじゃないでしょうかねぇ。
夏だという証拠に蝉は盛んに鳴いていますよ。
この蝉はオオシマゼミって言いましてね、緑色の美しい蝉です。
名前の通り、奄美大島あたりが生息域の中心のようで、沖縄
本島では本部半島以北にしかいないようで、那覇ではその
鳴き声を聴いたことがありません。
"ヒーン、ヒーン"
というような鳴き声がいかにもジャングル気分をそそりま
してね、アタクシは「ベル星人」と呼んでいるわけですよ。
しかしこの白い岩肌に蘇鉄の深緑と言う組み合わせがね、
実にいい!
南の島の秘境って感じでね、早くもアタクシの耳の奥底で
音楽が鳴り始めましたよ。
てれてってってー♪
てれすってけてー♪
何の曲かですと?
インディ・ジョーズに決まってますがなー!
なんかモンスターじみていますけど、これが蘇鉄の花なん
ですね。
これは雌花で中に詰まって見える赤いのが実です。
アタクシは初めて見ましたけど、ちょっと気色悪いです。
さて、散策コースを歩いていくと、ぐるりと一回りして、
マイクロバスの発着場に戻ってくるわけですが、ここで
またマイクロバスに乗って下山するなんて横着かましちゃ
いけません。
歩いて降りるんですよ歩いて!
すると周囲至る所、ガジュマルだらけになるんですよ!
ご存じのとおりガジュマルってのは"気根"と言いましてね、
枝から根っこが垂れ下がって地面に潜り込んで、これが新たな
幹になっていくということでね、もうわけのわからない凄い
ことになってるんですね。
そんなガジュマルが、もうね、右を見ても左を見ても、あたり
一面グジャグジャになってるわけです。
もうね、ここはいますよ。絶対にいますね。
きじむなー…。
このガジュマルは
「うがん(拝ん)がじまる」
と言いましてね、なんでもこのあたり、「ゲゲゲの鬼太郎」
はじめ、いろいろな映画のロケ地にもなっているようですがね、
たしかに霊気が漂っています。
ほらでたっ!
…、…、リュウキュウキノボリトカゲでした。
鮮やかな緑色にイグアナチックな風貌が、ちょっとしたジュラ
シックパークです。
これを見てください。
これ、ただの岩じゃありませんよ。
お彼岸の時には、登り来る朝日の太陽光がまっすぐこのアーチを
くぐるらしいんですよ。
つまりこれは人工物だと言うんですね。
昔の人はこんな大岩をどうやって乗っけたんですかね?
やっぱりこの山、ただ事ではありませんよ…。
山を下って辺戸岬から大石林山を振り返ってみました。
…あきさみよー!
なんと山の形が観音様の寝顔ではありませんかっ!
アタクシは神の居場所に近づいていたんでしょうかねぇ…。
大石林山、ここはいいですよ~。
みなさんも国頭に行くようなことがあったら、まっすぐ辺戸岬
目指さないで、是非、大石林山に立ち寄ってください。
つーか、こっちをメインにした方が絶対楽しめますよ!
あんしぇぐすよー、ぐぶりーさびらー、またやーさい!(・ω・)/