>山中が難敵を振り切って大舞台へ突き進む。WBAを始めとした他団体の王者との統一戦実現が今年の目標で「そのためにも勝たないといけない」と静かに意欲を口にした。11年11月の王座獲得後、初めて行う指名試合(世界ランカー上位との対戦)は手の内を知る元WBC世界フライ級王者のツニャカオが相手。昨年4月の初防衛戦前にスパーリングで1度、手を合わせた。山中に似た強打のサウスポーで「相手はスピードがあり、守りもいい。友人だけど、割り切って全力を尽くす」と言い切った。
…いやぁ、仕事に忙殺され、実に辛いHIGEGE91でございますが、このニュースは非常に胸がざわめくニュース
それというの、「友人・ツニャカオ倒す」の文言ですよねぇ…
プロボクサーなんだから、試合が決まったら殴りあわなくちゃぁいかん…とは頭では理解できますが、しかし、「心」では理解しづらいのは当然でありますねぇ…
以前、日本ミニマム級チャンピオンになった江口九州男さんが兄弟対決を制していたりしますが、知り合い、友人、兄弟と殴りあうなんて想像しただけでもぶるっちゃいます…
さて、山中選手と言えば、非常に無口な日本男子的な、あるいは、高倉健的なる男臭さを醸し出している、ちょっと昭和の香りの漂うボクサーでありますが、大震災の被災地に自ら赴いて復興活動をするなど、愛情に溢れた一面も見せてくれる、「男気」がかっこいいボクサーでありますね…
で、これに対して、挑戦者のツニャカオでありますが、こちらは元WBCフライ級チャンピオンで、あのセレス小林さんとの激闘は引き分けに終わったものの、セレスさん自身がベストファイトができた、と仰っておりましたが、日本に非常に縁が深い…
その後、あのポンサクレックに倒されて王座陥落した後、日本人のマネージャーの元で来日、後楽園ホールに度々登場、東洋太平洋チャンピオンに輝くも、同胞対決でロリー松下に判定負け、天才的なあのスピードと柔らかさももはやこれまでか、と思われましたが、しかし、長谷川選手所属の真正ジムに所属して再び東洋太平洋タイトルを獲得、さらに、世界挑戦者決定戦を痛烈なるKOで制して山中選手への挑戦権を掴んだわけですが、もう35歳なんですねぇ…
これ、僕はチャンピオンが山中選手であっても、心のどこかで、しぶとくしぶとくボクシングにしがみつきながら、世界再挑戦のチャンスをついに掴んだツニャカオを、心のどかで応援せずにはいられないものあるのですよねぇ…
ツニャカオ、非常に陽気で人懐っこいボクサーですよねぇ…
勝利した後にはリング上で踊ることがあるわけですが、これがなんとも哀愁(!?)ありますよねぇ…
特に印象に残っているのは、名古屋で行なわれたいつかの東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ、大場浩平選手とのパート1ですねぇ…
これ、僕は名古屋まで車で出向いて生観戦したのですが、試合が終わって採点結果を待つまでの間、勝利を確信したツニャカオはリングの上で、くにゃくにゃ身体を曲げて踊りまくっていたのですね…
ところが、まさかのドロー…と発表されて、まるでドリフのようにずっこけましたねぇ…
まぁ、あの採点結果はありえませんが、なんとも愛嬌のあるボクサーですねぇ…
そうそう、長谷川選手がバンタム級チャンピオン時代に痛快KOで勝利すると、長谷川選手の腕をとって高く掲げて大はしゃぎ、長谷川選手よりも目立ってしまうこともありましたよねぇ…
で、そんなツニャカオと「友人」だという山中選手…
このサウスポー同士による一戦、強打とカウンターの山中選手と、柔らかさとスピードのツニャカオ…という組み合わせとなりますが、この「相性」を想像するだけでもそうとう楽しいわけですが、両者の「気持ち」、「心の形」なんかも併せて想像するともっともっと味わいが出てきますよねぇ…
ううむ…
いまやその勢いがハンパじゃない山中選手が優位とは思いますが、スタミナ難をも克服したツニャカオの、35歳の男の矜持がどのような形で昇華されるのか?にも非常に興味が沸く…
しかし、「友人同士」による戦いとはこれ、たまりませんねぇ…
泣けちゃいます…
御愛読感謝
つづく