いつかの菊井徹平と今の菊井徹平を想う… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?


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ボクシングマガジン7月号に、元日本スーパーフライ級チャンピオンの菊井徹平選手の記事が載っている…


背広姿に仕事鞄を提げ、上の写真はJR横浜線の鴨居駅そばで撮られた、というので、多分そこは大きな人道橋の上じゃないかと思う…


今年4月に1年半ぶりの再起戦のリングで勝利した…という菊井選手。


思えば、僕は菊井選手の絶頂期を後楽園ホールのリングで度々目撃している…


見るからに「好青年」にして、とても拳を鍛え上げて殴り合うことを仕事にするボクサーには見えない彼の元に、ふいに舞い降りたチャンスは、当時空位だった日本スーパーフライ級王座決定戦であった…


プロデビュー9年目についに出場したタイトルマッチの対戦相手はアマチュアエリート期待のホープで、当時すでに世界ランカーとなっていた相沢国之選手であった…


戦前予想はもっぱら相沢選手有利で、こう言ってはなんですが、菊井選手はちょっと「地味」な印象のある選手でもあった…


基本に忠実であるが、目を見張る武器もパワーもあまり見出しにくい…


対する相沢選手はそのパンチには鋭さが漲り、コンパクトなコンビネーションは眩く、そして、強烈な左ボディーブローの、その突き上げられる角度と抉り込みは素人目にも物凄い武器に見えた…


しかし、生観戦に出かけた僕の眼に映ったもの、それは菊井選手の圧倒的ワンサイドであったのだ…


菊井選手のボクシング、それは基本に忠実な「左ジャブ」を機軸にした正統派スタイルなのですが、このワンツーの前にアマチュアエリートが見るも無残に手も足も出なかったのだ…


で、ちょっと当時の記述を掘り起こしてみる…


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2006 4 10 後楽園ホール ダイアモンドグローブ


仕事が終わらなくて、午後7時過ぎまで渋谷にいた。焦る…。一粒で2度おいしい「ダブルタイトルマッチ」だ。7時24分に大慌てで青山通りから内堀通り!! 靖国通りから一気に水道橋へ!! どうだぁ!!


日本スーパーフライ級王座決定戦 



WBC世界スーパーフライ級8位
   相澤国之 10W7KO1D

    VS

日本スーパーフライ級1位
   菊井徹平 17W5KO6L


 世界挑戦権を獲得した前日本王者・名城信男が返上したベルトを争う決定戦だ。日本1位の菊井と、先日元世界王者・チャッチャイを破って世界ランカーとなった相澤が争うこの1っ戦。


 戦前の予想は圧倒的に相澤有利だ。パワーが違うし、アマ上がりで技術的にも定評がある。一方の菊井は線が細く、攻め込んでも遠巻きに狙い打っても長丁場の10R、やがては捕まるのでは…が僕の予想だった。KOで相澤、判定でも相澤、菊井が勝つイメージが正直浮かばなかったのだが、これほどの激戦からこんな結末がまっているなんて…。


 相澤VS菊井


 R1 両者小気味良いフットワークから左ジャブの刺しあい…。お、やや積極性をみせた菊井のパンチが相澤の頭を跳ね上げる。さらに、相澤の左をかいくぐっての左ボディーが有効!! 菊井10-9


 R2 相澤がプレスをかけるも距離を左ジャブで保つ菊井は相澤の打ち終わりに右をねじ込む。距離を縮めてまとめたい相澤だが菊井のコンビを浴びてしまう。1っ発では明らかに相澤に分があるものの、細かくまとめた菊井のRか…。菊井10-9


 3R ロープ際、体を入れ替えての菊井の左フック!! しかし、両者左を被弾しながら、相打ち覚悟で打ち合う展開…が、終盤、リズムに乗りかけた菊井が相澤を空転させ手数有効打で勝った。菊井10-9


 4R 両者相打ち覚悟の展開も空振りの多い相澤に対して細かく的確に打ち抜く菊井が印象的か…。

 菊井10-9


 5R 自分の距離で戦えない相澤苦しいなぁ。中盤に差し掛かり、焦りも見えてきたか?相澤が出るも、迎撃体制の菊井は飛び込んでくる相澤の出鼻をくじき、さらに左右コンビネーションを放つ。菊井の右がカウンター気味に炸裂!! 相澤は持ち前の強烈なボディー打ち、まとめ打ちが封じられている…。菊井10-9


 6R 完全にリズムを掴んだ菊井の前に相澤は出てもダメ、離れてもダメ…な辛い状況だ。さらに左目尻をカット。流血。これは偶然のバッティングであるが追い詰められて行く。しかし、止まることなく打って出た相澤の根性が劣勢を徐々に打ち壊しつつあるような気がした。パワーでは相澤なのだ。互角10-10


 7R 両者カウンター被弾覚悟接近戦でのフックの応酬!! ここは意地を見せた相澤、被弾数は互角と見るも、そのダメージは菊井の方が負ったように見えた。しかし、菊井がここまで打って出られる選手だとは筆者も想像してなかった。打たれたら下がらずに打ち返す・・・・これが勝利の鉄則!! 互角に近いがここは打って出た相澤だ。相澤10-9


 8R 倒す気マンマンでせめて来る相澤を迎え撃つ菊井は被弾しながらも明快な右ストレートカウンターを打ち下ろしポイントを奪った。菊井10-9


 9R 止まれない相澤、ポイントは明らかに劣勢だ。しかし、今夜の菊井の「左」は素晴らしかった。相澤は終盤に入ってもなお自分の「距離」を失い、連打しても打ち返され、リズムを壊され続けた。菊井は打たれてもカウンターで倍返しだ。相澤、いかんともしがたい…。


 10R ラストラウンド!! 両者死ぬ気で打ち合う。KOしか望みのない相澤に対して真っ向から迎え撃った菊井!! 相澤はディフェンスが全般的に悪かった。左を浴び、攻め勇んでは右を喰らい続けた。持ち前のハードパンチを叩き込むも、強気の菊井の心は折れるどころかさらに打ち込んできた。そして、その右の多くはカウンター気味に相澤を捕らえていった。相澤に振りたい気持ちも出たが、ここは気持ちで相澤を跳ね返した菊井を評価しないわけにも行かない。互角10-10


 Higege91の採点 99-93 菊井徹平の勝ち!!

 公式の採点 97-94 98-94 97-94 


 「3-0」で日本スーパーフライ級新チャンピオン、菊井徹平ー!!!!


 戦前の予想を覆した菊井の完璧な勝利は素晴らしかった。なるほど、菊井の『左ジャブ』が相澤の持ち味である破壊力のある連打を殺した形になった。さらに言えば、真っ向勝負にも打ち負けるどころか打って出た結果、攻め急いだ相澤の「焦り」にもきちんと付込めた。相澤はディフェンスが課題だろうな。そして、「倒す」ことに固執した無策が予想以上にキレていた菊井の距離感を敗れずに終わってしまったような印象であった。


 しかし、これは最近では稀に見る『激戦』であった。それは相澤の気迫と菊井の真っ向勝負が生んだ「ドラマ」であった。的確さが明暗を分けたものの、執念は互角であった。


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 …懐かしい


 で、確かこの試合直後、客席応援者の人々の前に顔を腫らせた菊井選手が笑顔で挨拶にやって来たとき、僕は思わず「おめでとう!!」と声をかけたのですが、その時の菊井選手の、その変形しながらも清々しさに満ちた笑顔が忘れられない…


…はい、ありがとうございます!!!


その後、その初防衛戦で元東洋太平洋チャンピオンの有永選手を完璧な判定勝利で退けると、その充実はピークに達していたように思えた、のですが、このボクシングマガジンの記事の声によれば、すでに次戦の河野公平戦を前に「スランプ」の兆しを本人は感じていたと明かしている…


連続世界ランカー撃破しての、2度目の防衛戦でありますが、しかし、ここでチャンオピオンベルトはもぎ取られてしまった…


その時の記述も掘り起こす…


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2007 2 12 後楽園ホール 「ダイアモンドグローブ」


日本スーパーフライ級タイトルマッチ

日本スーパーフライ級チャンピオン WBC3位 WBA6位

菊井徹平 21W4KO4L

×

挑戦者 WBA5位

河野公平 17W7KO3L



菊井×河野8


 …さて、ボクシング界の「ハンカチ王子」こと、世界ランカー連続撃破中、世界目前の日本チャンピオン、菊井選手2度目の防衛戦はチャンピオンカーニバル開催により国内最強の挑戦者を迎え撃つ!!


 過去1勝1敗のラバーマッチの挑戦者、あの元日本王者・元世界1位のプロスパー松浦を劇的に屠った世界上位ランカー・河野公平との戦いである。


 で、僕は両者好きなのである。特にこちら側だけ…って肩入れできない中立立場での応援なのである。


 菊井選手は地味ながらいきなり花開いた技巧派で、その穏やかな風貌といい、健気で懸命な姿といい、なんとも胸を打つ選手である。


 また、河野選手であるが、猪突猛進闘魂爆発形のファイターであり、瞬間瞬間に完全燃焼しようとするそのファイター魂であるが、これが全く持って胸を打つのである。


 勝敗予想であるが、僕はやや菊井有利も、河野のラッシングを捌けなければ河野のKO勝ち…と考えていたのだが…


 
菊井×河野1

 公平、公平、公平…!!!!


 青コーナーリングサイドは河野選手の熱い応援団で埋め尽くされていた…


 選手入場… なにやら感動的な優しい入場曲で登場は河野選手。約350人集まったといわれた応援団の声援を噛み締め、リングイン…


 応援合戦ではやや押された間のある菊井選手であるが、こちらはクイーンの曲で入場… それも後期の渋い曲だったなぁ…


菊井×河野3

  …さて、この一戦であるが世界ランク上位者同士、事実上の世界王座挑戦者決定戦的意味合いは相当に強い。


 勝ったら確実に見えてくる「世界」の二文字…


 ぐ…


 ゴングが鳴った!!!


菊井×河野5

 1R 予想通り挑戦者・河野がいきなりの猛ラッシュ!!! チャンピオン・菊井、ここが勝負の分岐点であることは試合前からイメージしていたはずだ…が、あの実力者・プロスパーでさえ粉砕した河野のラッシングパワーはその予想を上回るものだったのであろう…


 菊井は左ジャブで突き放しながら機を見て右を叩き込みたかったのであろうが、その距離を踏み越えた河野がいきなり左フックを菊井の顔面に叩き込んだ!!!!


 ドン!!!


 菊井ダウン!!! 早々と膝を突いてしまったチャンピオン… ギャー!!!! 立ち上がるも更ななる河野のラッシュの前に自分のボクシングを失った菊井、どう凌ぐ!? 


 ドン!!!


 河野のショートの右アッパーが菊井の顎を突き上げた!!!


 効いたー!!!


 …ぐ、が、菊井、何とか凌ぐもここは挑戦者に主導権を握られる苦しい立ち上がりだ。しかし、河野のイケイケドンドン…であるが、やはり尋常ではなかった。 河野10-8 ※菊井バッティングによりカット(…だと思う)


 2R 河野は奪ったペースを渡したくない。打って出る!!! …が、ここはやや落ち着きを取り戻した菊井が飛び込んでくる河野に左ボディー、右ストレート、右フックを合わせる… そして、接近戦ではショートの右アッパーも好打!!! 河野はやや空転気味。ここは菊井が獲ったか?菊井10-9 ※河野右瞼をカット、菊井の有好打によるもの。


菊井×河野6


 3R~6R 菊井の距離で試合は推移しない。河野の気迫が菊井の巧さを踏み越えてゆく!!! 菊井はマッククリハラ直伝の攻撃的ボクシングを試みるも河野はそのジャブをかいくぐり、さらに強引とも言える左右ストレートをバカスカと打ち込んでは菊井を下がらせてゆく!!!! さらにボディー打ちが冴え、思い切り打ち込んだ右が菊井の膝を揺らせる場面もしばしばだ…


 菊井は河野の踏み込んだ瞬間に合わせて右アッパー、さらに左ボディー等を合わせて行くが、河野は止まらない。止まることはできない。前へ突き進むのが河野のボクシングである。真正面から突っ込んでゆく!!! 


 菊井の方が距離が詰まった場面では巧くパンチを繰り出し、河野にカウンター気味に当ててゆくのであるが、河野は強烈なストレートを見栄え良く打ち抜いてゆくのだ。


 まさに、「突貫」とは河野の為の言葉ではなかろうか?


 当たって砕けちまえ!!! 倒すか倒されるか、駆け引きを捨て払った「無我の突貫ボクシング」である。


菊井×河野4


 菊井はサイドにフットワークを展開するも、結果河野のストレートを食っては真っ直ぐ下がってしまう…


 そうだ、これは「パワーの差」である。まさに、相撲に例えるところの強引な「寄り切り」である。


 このような展開になっては巧さなど有利には働かない。勢いに乗った河野には多少のパンチが当たっても効かないのだ。

 

ドンドンドン!!!


 河野の左右ストレートの重いコンビネーションに観客も大きな声を上げる!!!


 ハンカチ王子は苦しい、懸命に応戦するも爆発し、アドレナリン全開の河野にはショート連打は効かないようだ。

 

 全部河野10-9 


  
菊井×河野2
 

 7R やや河野は打ち疲れたか? ここが実は弱点である。あまりにもスタミナ配分を無視して突貫するため、その代償はデカイ。それでも中盤戦の戦いは自分なりのリズムと緩急をつけていたように見えたし、プロスパー戦における「もう動けない」的なスタミナ喪失感は見受けられなかった…が、この隙を突いたのは菊井の気迫と執念ではなかろうか?それでもラッシュする河野に対して菊井は細かくも的確なクリーンヒットを御見舞いし、さらにゴング間際右ストレートをカウンターでヒットさせた。リズムを掴みかけたか?王子ではない、王者…なのだ!!! 菊井10-9


 8R 菊井が打って出た!!! ポイント劣勢は明らかだ。ダメージも深い、が、ここで踏ん張らねば負ける。チャンピオンでなくなってしまう!!!! 河野はとにかく前へ出てくる…そこへ左ボディーから右ストレートを叩き込んだ菊井!!! ここはチャンピオンの意地を見せたか?菊井10-9


 
菊井×河野9


 9R 両者死力を尽くしての壮絶な打ち合い!!! 河野のスタミナが気になる…が、菊井も効いている…


 ドン!!!


 河野の右ストレートが菊井の顔面を跳ね飛ばした!!! 


 う… 


 菊井の膝が落ちかける… こ、堪えたぁ… 目の前の大チャンスにスタミナなんぞどうにでもなる!!! 河野は恐らくこの土壇場で自分の中の自分を大きく飛び越えたのではなかろうか? 火事場の馬鹿力…ではないが、限界を覆し、その精神力で真っ向から戦えたのではなかろうか?(…もっとも、課題のスタミナを相当に上積みできていたとは思うのだけれど…)


 限界を超えた戦い… そうだ、これが「タイトルマッチ」だ!!!


 河野10-9


 10R ラストラウンド!!! もう技巧もスタミナも鋭さも距離感も関係ない… 両者無心で打ち合う… 踏ん張って踏ん張って打ち勝った方が勝ち…そんな連打の応酬… そんな最中に河野の右ショートアッパーが菊井の頭を跳ね上げた!!!!


 菊井も必死に抵抗… そうか、これは「抵抗」なのだ… 河野の圧倒的な猛進ボクシングに対して、菊井は結果「非力」を鋭さで補いきれずにそれでも「抵抗」し続けたのだ…


 しかし、その「抵抗」であるが、それは諦めではない。その白熱と熱量は僕の胸を激しく高鳴らせた…


 菊井、ダウンを奪えー!!!!


 河野、もう一息だー!!!



 カンカンカンカン… 


 互角 10-10


 盛り上がる河野選手の応援団!!! わぁー!!!


 好青年… 菊井選手が律儀にリングから四方に挨拶… 


 ぐ…


 HIGEGE91の採点… 93-97で河野選手の勝ち。


 公式の採点… 97-94 98-93 97-93…以上、3-0のユナニマスデシジョンを持ちまして、勝者… 


日本スーパーフライ級 『新』 チャンピオン…


河野公平ー!!!!


 

 がぁ…


 ラッシングが、技巧を文句なく粉砕した…


 菊井×河野8


 勝利者インタビューで思わず涙を流した河野公平選手…


 350人も集まってくれた支援者に感謝の気持ちを述べた… 


 勝った… チャンピオンだ… 努力と根性の突貫ファイター、河野公平選手おめでとうございました!!!


 さて、敗れた菊井選手であるが、序盤立ち上がりのダウンが全ての歯車を狂わせたといえるのではなかろうか?河野選手の戦い方は想定済みのはずだったのではなかろうか?もっとディフェンス重視で立ち上がりをすごした後、中盤以降、疲れた挑戦者を痛めつけたかった。


 …が、それはもちろん結果論である。さらに妄想すれば、「打ち合いに出ても負けない自信」がチャンピオンの中にはあった…のではなかろうか?とも思うのである。初防衛戦で序盤いきなり有永選手の出鼻をくじいたワンツーで主導権を握り、さらには倒すことまでイメージしての戦い方…であったのかもしれない。


 しかし、河野選手の猛進突貫…は想像以上であり、そのアタック・爆発力は桁が違った…のだろう。


 それにしても、WBC3位、WBA6位の上位ランカーを撃破しての戴冠…であるゆえ、河野選手に期待されるのは「世界」の二文字である。


 ここは心を鬼にしてちょっとだけ…


 全身全霊で粉砕突貫ボクシング…であるが、僕はこれが大好きなのであるが、あのWBC王者、打ち合いも辞さない技巧派、クリスチャン・ミハレスの軽くも止まらない切れのある連打の前では正直苦しいような… また、こちらも同じく根性とラッシングパワーを売りにするWBA王者・名城信男選手であるが、ディフェンス(更なる左右の動きと上下の動き)がないと危険な印象…。あの右ストレートをカウンターでまともに食ったら今夜のようにはいかないだろうなぁ…


 こう言っては失礼かもしれないが、菊井選手は切れで勝負するタイプであったし、コツコツ…と相手を追い詰めてゆくボクサーである。


 一発のあるパンチの硬い選手相手に今の突貫戦法はあまりにも「一か八か」な要素が強すぎる…


 って、素人の僕は妄想するわけですが、しかし、それが河野選手のボクシングですから、それが好きで応援しているわけですから、それが変わっても困ってしまうので、とにかくおめでとうと言いたいですね!!!!


 しかし、燃えましたね…


 群馬県から猛スピードで水道橋まで駆けつけた甲斐がありましたです、はい…


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そうだ、二人とも好きなボクサーだったから、まぁ、なんというか、とにかく切なかったなぁ…


で、しかし、この菊井選手の再起戦は敵地メキシコに呼ばれての「世界タイトルマッチ」となったのであります…


当時のチャンピオンはあの元世界チャンピオンの川嶋勝重さんを2度退けたクリスチャン・ミハレス…


が、これは手も足も出ず、10R無念のTKO負け…


そして、さらに再起戦で当時の日本バンタム級チャンピオンの三谷将之選手に挑むも、これは善戦虚しく判定負け…


で、この後に「1年半」のブランクを作ったのでありますが、しかし、「会社員」として働きながらも、自身の「スランプ」と「不調」の原因を探り続けながら、そして、「昔の感覚」を取り戻すために拳を磨き続けていたという…


…これ、いい話だなぁ。


勝っても負けても、「充実感」の手応えだけはあった、あの頃の「感覚」を取り戻すまではどうしても辞められない…


そして、今日もきっと、あの素晴らしい笑顔の奥で、その執念と闘志を燃やしながら、いつかの「充実」を取り戻すために、その拳を磨いているのだ…


しかし、その背広姿、本当にぐっと来ました…


ボクシングワールド派だった僕ですが、残念ながらそれが廃刊となってしまい、今月よりボクシングマガジンにお世話になることとなったのですが、このマガジンで一番好きなコーナーは、この加茂佳子さんのインタビュー記事なんですよね…


もっともっとこんなのを読みたいですね…


ボクサーたちの「心の形」と「その在り処」を探す試み…


本当に嬉しい記事でありました…


御愛読感謝


つづく