死ぬほど切迫した刑事ドラマ…に狂う!! | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

今日は「思いっきり」はまっているTVドラマについて少しばかり…

僕は映画が大好きでありますが、しかし、どうも最近は見る気がしないのだ…


なぜかと言えば、映画よりも抜群に鋭くて深いTVドラマシリーズの存在に打ちのめされているからだ…


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これ、「ロー&オーダー~性犯罪特捜班~」っていわゆるアメリカの刑事ドラマであります…


最近は日本でも珍しくなくなってしまった「性犯罪」…


犯罪大国ご本家のアメリカの刑事モノ…ってことで、その内容も凄惨を極める内容となっております…


で、僕はこれをCSの「FOXチャンネル」でこれを見まくっているわけですが、この約1時間の1話完結のドラマシリーズ…でありますが、例えば、日本映画で社会性の強い作品があったとして、しかし、このドラマ1話(どの話でも…)の持つ切迫感と焦燥感に及びもつかないであろう…と激しく感じるわけであります。


例えば、最近観たショッキングな内容をちょっと紹介すると…


ある末期癌患者がレイプされ殺された… なんとその遺体には40箇所にも及ぶ刺し傷があり、その現場には嘔吐の後もあった… さらに、射精の後があり、しかし、その精子は種無し…であった。


これを捜査してゆく内、その容疑者に浮上したのはなんと14歳の少年で、さらに、その少年が通う学校のある男子生徒のロッカーから被害者の財布と凶器と想われるナイフが出てくる…


そして、そのロッカーを使用していたのは12歳の少年であった…


それぞれが警察署に呼ばれ、事情聴取を受ける… 14歳の少年は口を硬く閉ざしていたが、12歳の少年は流暢に自分の無実を語り、その14歳の少年が殺害し、レイプした…と供述したのだ…


この12歳の少年の発言を録画したVTRで見せられた14歳の少年は裏切られたことを知る…


そして、この14歳の少年はついに事件の詳細を語り始める… 


お金欲しさに被害者の部屋に押し入ったこと、12歳の少年が電話の受話器で被害者の頭を殴ったこと、そして、台所からナイフを取ってこいと命令され、それに従って手渡したこと、12歳の少年が被害者をレイプし、さらに、そのナイフで殺害したこと、その恐るべき光景に思わず嘔吐したこと、そして、その被害者があまりにも気の毒になってその遺体に毛布を掛けたこと…


賢い上に、残虐な思想を持った12歳の少年に、おっとり型の14歳の少年は完全に操られていた…という事実が浮き彫りになるも、しかし、法律上、12歳の少年は家庭裁判所で裁かれ、最大でも十数ヶ月の施設入りという処罰しか与えることが出来ず、しかし、操られてしまった14歳の少年は強盗殺人共謀の罪に問われ、大人と同じ扱いを受けることとなる…


その法廷で、14歳の少年はその未成熟な精神が証明されるも、しかし、有罪は免れない状況に陥る…


14歳の少年は検事官に法廷で追求される… 


-強盗は良いことか悪いことか? 


-悪いことです… 


-ではなぜ、12歳の少年に言われるがままナイフを台所から取ってきて手渡したのか…? 


-わかりません… 


-殺すとは思わなかったのか…? 


-思いません… 


-では、そのナイフでどうすると思ったのか…? 


-脅すのだと思いました… 


-では、12歳の彼が被害者を滅多刺しにするとわかっていたら一緒にあの部屋には行かなかった、というのか…? 


-行きません… 


-では、なぜ、悪いと判っているのに、ナイフを手渡したのか…?


-わかりません…


-では、なぜナイフを渡さずにその場を離れなかったのか…? 


-わかりません…


-それが悪いことだと判っているならば、それに協力せずに逃げ出すことも「選択」できたのではないのか…?


-わかりません…


-いいところを見せたかったのか…?


-ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…


強盗目的で被害者の部屋に押し入った事実は当然免れず、そして、結果として殺人共謀を犯した事実もまた重いものであった…


ここで検事と弁護士は相談の上、「取引」を被害者の母親に持ちかける…


この取引に応じれば、最大で5年の刑務所生活となるが、模範囚として勤め上げれば数年で社会復帰が可能となることを提案する…


しかし、母親はその「取引」を拒絶… 自分の息子は何もしていないし、それなのに刑務所に入るなんて考えられない… 陪審員の方たちもきっと判ってくれる… 


母親はついに弁護士の説得には応じなかった…


そして、「評決」が下る… 陪審員がメモを手に、この14歳の少年の審理の結果を口にする…


-この少年を「有罪」とする…


14歳の少年の弁護士が各陪審員に評決結果を教えて欲しい…と懇願する。


-有罪


-有罪


-有罪…


全ての陪審員がこの14歳の少年を「有罪」と認めていたのだ…


…って感じの内容の刑事ドラマであるわけですが、さて、僕の記憶を辿ったある「あらすじ」を読まれてどのような印象をみなさんが持たれるか解りませんが、こんな感じのストーリーが毎回毎回1話完結で繰り返されてゆくわけであります…


近親相姦あり、変質者あり、レイプ殺人あり…と、重過ぎるほどのテーマ性を持ったこの作品群でありますが、それは厳しい社会性と法秩序を扱っているわけですが、このハイクオリティーは壮絶にして奇蹟的…だと僕は感じているのであります。


アメリカ映画に代表される「ハッピーエンド」とは対極に位置するこのTVドラマシリーズ…


つまらない話は一話もありませんねぇ…


どれも悩ましく、狂おしく、胸を掻き毟られるようなスト-リーとなっていて、痛烈にして切迫しているのだ…


これは最近流行っている連続アメリカンドラマ…とは異質なもの、でありますが、一度観たら病みつきになるはず…


僕は総制作費数十億円…みたいなエンターテイメント映画よりも、低予算であって派手なドンパチなど全くないけれど、この「ロー&オーダー」の社会性の方が断然価値を感じるわけであります…


TUTAYAとかそういうところに置いてある作品なのかどうか解りませんが、でも、このドラマを見るためだけにCSに加入する価値はあると思いますねぇ…


因みに、WOWOWで放送しているFBI捜査官が主人公達の「クリミナル・マインド」という作品や「コールド・ケース」なんて未解決事件を再捜査するドラマなんかもあったりしますが、これらと見比べると軽く10倍は面白い…と僕は感じています…


御愛読感謝


つづく