新井田、バレラともに異常なし 産経新聞
新井田×バレラが迫ってまいりました…
そうか、WBA世界ミニマム級王者・新井田選手は今回の防衛を果たせばV7達成…
素晴らしい記録であります。
あまりにもストイックすぎる『孤高の世界チャンピオン』…
と言う印象がかつてはありましたが、僕の中では「高山勝成」戦以降、非常にファンに近くなった印象あります。
それはファンも手に汗握る熱戦であったこと(僅差の2-1で際どく防衛)、その勝利者インタビューで流した「涙」を見てから僕はグーンと新井田選手に親近感湧きましたねぇ…
ここは一つ、過去に生観戦した新井田選手の防衛戦を再収録して土曜日を待ちたいと思います…
『孤独』な世界王者・新井田豊の4度目の防衛戦…
…相変わらずの『孤独感』漂う新井田豊の4度目の防衛戦。
垂れ幕なし、明快なる応援団なし…。
それが『クールなジーニアス・新井田スタイル』と言えば、らしい、…気もするが、寂しいのが本音だ。
王者
WBA世界ミニマム級王者
新井田豊 19勝8KO1敗3分
前回の防衛戦・対エリベル・トゲホン 過去記事 http://ameblo.jp/higege91/entry-10004597213.html
VS
挑戦者
WBA同級15位
ロナルド・バレラ(コロンビア)14勝8KO1敗1分
しかし、これはまた『採点泣かせ』の内容であった。かなりその観戦者の「主観」「印象」に左右されやすい闘いであり、採点基準を明快にして確認・議論しなければはっきりしない内容であったことを先に触れておきます。
…では、試合を振り返ろう。
1R 静かな立ち上がり。バレラはサウスポースタイルの立ち上がり。右リードの印象はわりかし早いが鋭い…まで行かず、切れてる印象も特になく、重さもそうは感じられない。…が、スムーズな手数とコンビネーションを放つ…って印象か?新井田は基本的には偵察感漂うが、終盤に左ボディーから顔面へのダブルを叩き込み好印象を残す。バレラ左構え…と思いきや相手との向きや何らかの『きっかけ』を期に右構えに瞬間的にスイッチ!!…むむ、はっきりしたクリーンヒットを放ったおまけの新井田とする。新井田10-9
2R 左構えのバレラ、出てくる。手数が多い。迎え撃つ格好の新井田はいきなりの右ストレートで迎撃するも、バレラは終始連打で打って来る。バレラのリードが時折新井田の頭を跳ね上げるも、新井田は左ボディーから右ストレートを綺麗に叩き込む。…微妙だが、クリーンヒットで新井田におまけの10-9
3R 左構えから右構えへとスルリとスタイルを変えるバレラ。受身になり、右を合わせる新井田。しかし、巧妙に「構え」を変えるバレラのボディー打ちからの接近してのショートの連打が好印象。バレラ10-9
4R 新井田がバレラをロープ際へ押し込んでの執拗なまでの執念のボディー打ちの連打を魅せる!!!
バレラは本当に嫌がっているように見える。いいぞ、もっと打ち込めー!!! …が、中盤以降は新井田が消極的に…。ホワイ? …右構えにスイッチしたバレラの左リードを頻繁に浴びる新井田。…が、終盤攻めて盛り返した。新井田10-9
5R 接近してくるバレラに対してオーバーハンドで迎え撃つ新井田。しかし、印象としてはバレラのボディー、右リードが攻勢点として高いか?バレラ10-9
6R やりづらそうだ…。新井田は前日計量で体温が『37.8度』もあった。それはやはり『不調』の印なのか?しかし、手数旺盛なバレラは積極的だ。好調そうだ。両者クリーンヒットは生まれないものの、その積極性、手数でバレラ。バレラ10-9
7R 新井田もスイッチしながら距離と間合いを探っての戦い(…ぼんやり者のHigege91、VTRで確認しないとわからないが、もっと早くからそうしていたのだと思います)。ここへきてバレラの手数がやや減った印象。互いに空転、防御戦。しかし、R終了間際、新井田のクリーンヒット有、従って新井田のRとするが、おまけで微妙だ。新井田10-9
8R バレラ以上に頻繁にスイッチを繰り返す新井田に対し、バレラの攻勢の印象は減った。しかし、新井田が積極的に行けているか…? って言えば疑問の残る内容か。しかし、クリーンヒットはなくとも、やや攻めた新井田のRとした。新井田10-9
9R ひたすら下がり続ける新井田。バレラの右ストレートが綺麗に当たる。R終了間際接近戦で両者互角に打ち合うも、総体的にはバレラのR。バレラ10-9
10R 左ボディーストレート、左ストレートで新井田を突き飛ばすバレラ。新井田は「山場」を作れず、「まとめられない」…。バレラ 10-9
11R 新井田なりには攻めの姿勢なんだろうけど、行くに行けないバレラの「巧さ」「やりづらさ」があるんだろうなぁ…。正直、中盤からホール会場はやや冷め気味だった。両者決定打は欠くも、新井田の左フックがバレラの顎先に綺麗にヒットした。やや新井田が積極的だったか?新井田10-9
12R 最終だ!! …なんとなく、勝ってるんだか負けてるんだかわからない全体的な印象だ。明確に奪いたい!!新井田の右オーバーハンドが当たった。バレラも手数、接近戦では負けてはいない。しかし、新井田のパンチの方が重そうで見栄えがいい。ええい、ここはサービス!!! 新井田 10-9
…これはやばいんじゃないのか?
ドロー有り得る。敵地なら敗北有り得る。
ぐ…、『おまけ』で新井田ってのがやたら多かったよなぁ、なんだか…。
あれ?…お客さんが随分採点聞かずに席を立って行きますね…。
…なんだよ、いいのかよ、そんなものかよ…、あんまりじゃないか!?
Higege91の採点結果。 115-113 …で、新井田豊の勝ち!!
公式の採点を発表いたします…。
ゴク・・・ッ
115-113 116-112 117-111 …の3-0で王者・新井田豊の4度目の防衛成功!!!
心なしか、歓声も少なく、なんとなく防衛成功の新井田豊…。
…日本王者、東洋王者だってもっと観客が沸く!!
に、新井田は世界王者なのに…。
不器用で感情表現の下手な『天才王者・新井田豊』…。
ストイックに為すべきことを為す…。
応援に集まった観客たちは新井田豊という世界王者と「一心同体」になって闘いたい、共にその『勝利』を分かち合いたい…と心底願って集まっているのだが…
『噛み合わない』
…のだ。
これはある種の『悲劇』だ。互いに好意を抱いているにも拘らず、上手くゆかない男女の如し…だ。
新井田自身、「明快な勝利」を自らの義務と課し、精一杯やっているのだが、ミニマム級という最軽量の戦いということもあるが、伝わりづらいのだ。
長谷川穂積のファンサービスと笑顔、越本隆志の心の底からの涙、徳山昌守の苦悶と愛嬌、イーグル京和の愛くるしさと強打…。
上記現役世界王者たちと比べ、新井田は非常に理解されづらい存在感である。
孤独な天才…
聞こえはいいが、観客の求める一体感がなかなか見えてこない。
V2戦の金在原戦はテレビ観戦だったのだが、かなり積極的に攻撃してダウンシーンこそなかったものの、最も『KO勝利』に接近した白熱の防衛戦に見えたのだが、会場もあれだけわかりやすかったら『盛り上がる』と思うし、新井田も戦っていて燃えてくるのではなかろうか…?と思うのだが、会場はいかがなものだったのであろうか?
さて、採点には多少の疑問が残る。流石に117-111は離れすぎだと思うが、3-0判定で問題はないのかもしれないが、もっと『拮抗』していた感が残っているのだが、いかがであろうか?
新井田豊にはがんばって欲しい。
今夜は会場が静かだったし、時折聞こえた「野次」も気分良くなかったろうが、観客とは素直な存在なのだ。
気迫さえ見せれば例え負けても惜しみない拍手と賛辞が送らるのだ。
今回は確かにやりづらそうな相手であった。しかし、新井田だからこそ防衛を果たせた、と僕は考える。
V5、V6…と連続防衛期待しています!!!
…という内容でした。
これは最後の生観戦記事ですが、今度は「V7」の日本人防衛回数単独4位の大記録掛かってます…
また、この記事にある「孤独感」は新井田選手の最近の様子とは先にも書いたとおり、『変わってます』…
仕事はあるのですが、見に行けたら当日券で飛び込みたい…と考えております。
がんばれ、新井田豊!!!
バレラはバレラでも、違うバレラとの対戦ですので、ご存知とは思いますが…
御愛読感謝
つづく