…不意に、08年チャンピオンカーニバル最大の目玉カード、日本・東洋太平洋フェザー級ダブルタイトルマッチ、日本王者・粟生×東洋太平洋王者・榎を会社帰りの井の頭線で妄想を始めてしまいました。
先ず、渋谷駅のホームで、それは不意に頭をよぎったのであります…
恐怖の貫通力のある左ジャブを持つ、日本一「強固」な東洋太平洋チャンピオン・榎選手…
圧倒的なセンスと天才的なカウンター勘を持つ、日本一「柔軟」な日本チャンピオン・粟生選手…
まだ先の対戦だから、あまりギリギリと歯軋りしながら考えるのは止めていたのだけれど、思いついた途端、頭から離れなくなったのでありました…
両者アマキャリアを積み、それぞれ実績を残してますが、「高校6冠」という触れ込みの粟生選手の方がそれを比べた時は輝かしい…
が、プロキャリアを比べると俄然、榎選手に軍配は上がる…
実力者とのタフファイトを比べたらそれは段違いであります。
日本王者として、そして、東洋太平洋王者として、常にタイトルマッチを戦い続けてきた榎選手に対して、粟生選手はタイトルマッチは戴冠を果たした梅津戦と2度の防衛戦のみ…
しかし、目で見てわかる「センス」と呼ばれるリズム感と距離感…を比べた時、クリンチのような「駆け引き」も含めて考えると粟生選手の巧さ…には時すでに『老練』なしぶとさも垣間見える…
老練…なんだかベテランだけに許される表現のようですが、アマキャリアを含めた粟生選手のボクシングキャリアを考えればそれも実践で身についた間違いの無い技術と呼べるのでありましょう…
一方の榎選手、リズム感は一定、目を見張るフットワークもない。ただし、その最大の武器は最短距離を貫く左ジャブとそれを基点に繰り出される強烈な右ストレート…
鋭い貫通力と攻撃力だけを取れば榎選手だが、リズムと距離を操りながら試合を作れるのは粟生選手か…
サウスポーの粟生選手とオーソドックスの榎選手…
む…
時にバランスを崩すほど身体を柔らかく使いながらここぞのタイミングで「カウンター」を武器にする粟生選手、試合巧者としての技巧がツボに嵌れば、イライラの募った榎選手の隙を突くカウンターの左ストレート、あるいは、強烈な右フックが炸裂、ダウンシーンもあるかもしれない…
いやいや、粟生選手が慎重に試合を運ぼうと序盤「見」に回った場合、榎選手の石の上にも3年的な、あまりにも直線的な恐怖の左ジャブの前に距離感を失う可能性もあるのではないか? 出入り激しく動けば動くほど、その左が粟生選手を捕らえた場合、粟生選手、クリンチを多用、倒されまいともがき苦しむのではないか…
いやいや、これは無敗のチャンピオン対決、いや、世界挑戦者決定戦…
そんな単純な試合になるはずはない…
以前、この試合が決まったと記事にした時、榎有利の書き込みを多く頂いた気がしています。従って、世間的にはそのような印象があるのか…とぼんやり思っていましたが、ここへきて、僕は粟生選手の「老練・老獪」な最近の戦術が奇妙に気になっているのであります…
戦いたいように戦わせない… しかし、クリーンヒットだけは奪い、ポイントは確実に稼ぐ…
粟生選手、これが出来る…
しかし、12R36分間もの間、あの日本一の貫通力を誇る榎選手の攻撃を捌き続けることが出来るか…?
また、榎選手、僕の印象ではそのボクシングは良くも悪くも硬過ぎる… これ、粟生選手のキレのあるカウンターを顎を引いて堪え続けられるか…?
榎選手、いつだったか、昨年、タイ選手相手に勢いに乗ってラッシュしていて、相手をコーナーに追い詰めたところで不意にカウンターをクリーンヒットされて一瞬、「真っ白」になってやばかったことありました…
また、粟生選手、06年のフランシスコ・ディアンソ戦、ラフファイトの果てにクリーンヒット食らって「ポカーン」とこれまた「真っ白」になっちゃった瞬間見ました…
両者、そんなに打たれ強くはない…と僕は見てますが、しかし、まぁ、両者滅多に喰わないからKO決着は可能性としては少ないような気がしますが…
しかし、判定決着ならば粟生選手…
って僕の妄想は渋谷から吉祥寺に着くまでの30分弱の間に一旦辿り着いたのでありますが、いやいや、これを書いているうちに、榎選手の槍のような左ジャブの前に顔面を腫らせた粟生選手が何も出来ない姿が浮かんだりして…
でも、榎選手の顎先に粟生選手のキレのある右フック、あるいは左ストレートがドンピシャのカウンターになれば、これ、ダウンシーンあるでしょ!?
え?
どうなんだよ、どっちなんだよ、HIGEGE91…!?
うーん…
まだ時間あるから決めるのはやめきますわ…
御愛読感謝
つづく