天上天下唯我独尊…佐々木基樹、敗れる!!! さらに坂田健史、瀬藤幹人の10回戦!!! | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

坂田のレントゲン写真…おおお


 この衝撃の写真は坂田健史(WBAフライ級3位)選手があの悪夢の世界初挑戦で、王者・ロレンソ・パーラに2-1の僅差判定で敗れた時の、R2に右アッパーカットで顎を割られた時のレントゲン写真である…。


 そして、昨年9月、その因縁のパーラ再び挑むも2-0の判定に泣いた…。


 過去参記事 パーラVS坂田2 http://ameblo.jp/higege91/entry-10004429175.html

 

 坂田選手…と言えば、その「ガッツ」と決してひるむことのない「ファイター魂」が最大の武器だ。


 想像してください… 2Rに顎を割られた坂田選手…


 世界戦は12R制でインターバルの10分を加えて約40分間… 


 割れた顎を頬で支えて溢れる鮮血を飲み込みながら、あのベネズエラの世界王者と殴りあったわけだが、最後まで前へ前へ…と殴られても殴られても攻め続けたのである。


 …その「根性」と「ガッツ」は桁外れで凄まじいの一語に尽きる…。


 そして今夜、3度目の世界戦への切符を掴む為にリングに上がった…。


 坂田健史 WBA フライ級 3位 27W12KO3L1D


 VS


 レイ・キーソック(…漢字変換断念 リングアナこう紹介していたように聞こえました。名前違うかも)

 韓国フライ級3位 5W3KO1D


 …戦績だけ見ると無敗だが物足りない印象だが、坂田選手ほどコンスタントに調整試合を黙々とこなす選手はあまりいないように思えるがいかがであろうか?


 1Rからガンガンと押してゆく坂田に対し、線は細くとも基本に忠実な印象を受けるレイはフットワークを生かして射程距離の長いジャブ、さらに左ボディーで対抗。


 しかし、今夜の坂田は問答無用に圧をかけ続けた。


 上下左右打ち込み続けた。その手数と猛牛さながらのプレッシャーの前にレイは後退…


 ビシビシバチバチ有効打を叩き込む坂田…だが、レイは耐えに耐える。試合は一方的な展開なのだが、レイ倒れない。


 結果、5R1分38秒… 追いまくられて棒立ちになったところでタオルが投げ込まれ試合終了。


 持ち前のラッシングパワーで押し捲ってTKOで勝利を飾った。


 これは予定通り。相手がちょっとキャリア不足でパワーレス過ぎた印象だが前戦の吉田戦が煮え切らなかったし、これはこれでいい。


 レイ、しかし、あそこまでダウンを拒否… よくがんばった、感心…


 坂田選手、持ち味を遺憾なく発揮しての坂田節炸裂の勝利であった。


 ハワイキャンプで褐色になったその身体は全く怯むことなく攻め続けた。


 3度目の世界挑戦に向けてさらにがんばれ!!!


 瀬藤幹人 日本SB級5位 18W8KO6L1D


 VS


 竹下隆之 11W2KO9L


 瀬藤はあの下田昭文を破って復活してから2戦目…


 過去記事 瀬藤VS下田 http://ameblo.jp/higege91/entry-10008749861.html


 その下田がその敗戦を期に肉体改造してパワーをつけて世界ランカーのヘラルド・マルチネスを衝撃的に破ったのは記憶に新しいところ…


 燃えてないわけがない。SB級はイケメン王者の福原がまさかの陥落、新王者・山中が誕生し、挑戦の時も近づいてきている。


 …もっとも、王者・山中は前々王者の木村章司の挑戦を受けることが決まっているようだが、両者とも世界ランカー(福原を破ったので山中はランクインするでしょう…)なので、どちらが新王者になったとしても、挑戦できれば一気に道は切り開かれる可能性もある。


 瀬藤は1Rから独特のノーガードからのアウトボクシングを展開…。竹下は果敢に打って出るもそのパンチをことごとく見切って、また、パーリングして飛び込んでは左ジャブから右ストレートを叩き込む。さて、このノーガード戦法だが変則ボクサーとして知られる瀬藤であるが、今夜は全く心配してしまうような要素を見せなかった。


 その集中力たるや凄まじいものが感じられた。


 竹下の方が身長リーチで上回っているように見えたが、パンチが当たるのは瀬藤ばかりであった。


 竹下は打ち終わりをことごとく狙われ、いきなりの右ストレート、さらに右アッパー(このパンチは凄かった)で頭を跳ね上げられ続けた。


 瀬藤の独壇場となったリングであったが、竹下、食っても食っても耐え続けた。


 …が、その忍耐も6R中盤ではレフリーに分けられてふらつくほどに弱っていた。


 6R2分23秒…


 瀬藤の右クロスをきっかけにラッシュを浴び、瀬藤にもつれるようにしてひざを突いた竹下…


 レフリーはノーカウントで試合終了を宣言、TKOで決着。


 実力を発揮しての見事な勝利であった。安定感…が強固になった瀬藤の次戦は楽しみだなぁ…。タイトルマッチの実現は近いように思うけどなぁ…。


 敗れた竹下であるが、堪えに堪えた。あの被弾数は半端ではなかった。特に減点1を宣告されたR5であったが、頭から出たのは反則であるが、その是が非でも勝とうとする勝負魂はぐっと来た。反則だけど、すごーく分かる一瞬であった。


 …で、大波乱が起こったのはセミファイナルの


 佐々木基樹 WBA SL級9位 25W16KO6L1D


 VS


 飯田幸司 10W3KO4L1D 


 …であった。


 佐々木基樹…元日本SL級王者で、あの湯場忠志を破って戴冠したボクサーとして有名である。また、その独特な濃いキャラクターは日本屈指の「俺節」を持ち、その異色ぶりはファンを楽しませてくれる。


 そして、現日本SL級王者・木村勇登とのタイトルマッチは初回にダウンを喫するもその後ダーティーファイトを敢行しながらも見事挽回、王者・木村の心を折るまであと一歩のところまで追い詰めたのだが、判定負け(僕の採点では確かドローであった)。


 その後、無敗の世界ランカー・ダウディー・バハリを3-0できっちり破って世界ランクイン!!!

 

 過去記事 佐々木VSバハリ戦 http://ameblo.jp/higege91/entry-10006507349.html  


 その「天上天下唯我独尊」ぶりを爆発させた…のであったが、


 ノーランカーの山岡靖晶に痛恨のドロー判定!!!(…が、山岡は実力者である)


 過去記事 佐々木VS山岡 http://ameblo.jp/higege91/entry-10010389525.html


 汚名挽回に燃える今回の一戦!!! …で、あったのだが…


 1R ジャブの刺し合い…は佐々木が上回ったか?飯田は踏み込んでの左ボディーから右ストレート!!! ここは互角…としたが… 互角 10-10


 2R 佐々木、ジャブは出るがコンビネーションに発展しない…と思いきや、左ボディーフックから右ストレートが入る!!! 一方の飯田もしつこいボディー打ちから右も当てるも見栄えのよさ、そのクリーンヒットで佐々木とした。 佐々木10-9


 3R 互角のジャブの刺し合いから飯田の右ストレートが入る。佐々木はやや喰い始める。さらに飯田は左ボディーを打ち込み、いい右ストレートを打ち下ろした。ポイントを奪う。飯田 10-9


 4R 佐々木は右アッパーから左フックを飯田に打ち込む!! …が、飯田も打ち負けない。このRはクリーンヒット数で佐々木とするも、接近戦での飯田の勇気は波乱の予感を孕んでいたように思う。打たれたら下がらずに打ち返す… この夜の飯田はこれができていた。 佐々木 10-9


 5R 実直なほどに前へ前へ…とガードを固めて出てくる飯田に対し、佐々木、クリンチを多用…!? …と思いきや接近戦で連打連打のもうラッシュ!!! …お、飯田も必死に打ち返す!!! が、このRの佐々木は明らかに勝負に出ていた。手応えのあるパンチがあったのだろう。スタミナ無視の怒涛のラッシュに会場は沸いた。…が、飯田凌いだ。 これはでかい。 前回の山岡戦も実はそうだった。R2に2度もダウンを奪うも、猛ラッシュ後に極端に疲れてしまう佐々木はペースを奪われて危うく負けそうになったのだ。このRは佐々木が獲ったが、その後の展開に不安を残す…。 佐々木 10-9


 6R 佐々木、クリンチホールドの注意を受ける? 飯田は果敢であった。 また、しつこかった。 ぱっと見て素人の僕には「特化した武器」で目を見張る何か…は感じられないものの、打ち合いに真っ向から応じた部分が大きかったように思う。打たれた後に怯むことなく打ち返して行き、佐々木の流れ…をことごとく寸断し続けた。勢いに乗れない佐々木はドンドン疲れていった。頭を飯田の胸につけて休み始めた。飯田はよく手を出した。飯田のRとした。 飯田 10-9


 7R 佐々木は序盤に左ボディーから右フックを打ち込むも、疲れて下がり気味になってゆく…。飯田はスタミナを残していた。佐々木は終盤ゴング間際に左右フックを打ち込むも、総体的には手数で上回った飯田の攻勢を獲るかなぁ。 飯田 10-9


 8R 佐々木、大きな右を初っ端に飯田に打ち込む。さらにロープにつめて猛攻!!! …が、飯田は折れない。そのパンチは力はなくとも打って出た。凌いだ。…というか、今夜の佐々木、攻防分離が著しく守勢に入ると停滞してしまうのだ。コンスタントに手を出してせめて行く飯田の攻勢の印象のほうが強いか? 飯田10-9


 9R 両者疲れた… クリンチして互いに休む場面も増えてきたが、攻守激しく入れ替わる展開だ。しつこくボディーを打つ飯田、右アッパーから左を返した佐々木… うーん 決定だが見つからん。 互角10-10

 

 10R ラストR!!! 飯田の気迫が佐々木を上回ったように思う。前に出て攻込んだ飯田に対して、佐々木も元日本王者の意地、現世界ランカーの意地を発揮して打ち合う…も、飯田の手数と思い切った前進が印象に残った。 飯田 10-9


 試合終了 判定決着 


 higege91の採点 95-97 で、飯田選手の勝ちー!!!


 公式の採点をお知らせします…


 まぁ、佐々木の勝ちかな… 割れるかもしれないけど…


 96-95 佐々木 97-96 飯田 …


 割れました!!! ざわざわ…


 96-95 以上2-1の判定を持ちまして、勝者…


 ゴク…


 青コーナー 飯田幸司ー!!!!


 あわわわ…


 天上天下唯我独尊… 佐々木基樹、負けちゃったよ…


 佐々木、コーナーポストに両手をかけて俯いたまま、硬直…


 挨拶にやってきた飯田に振り返ることもできない…


 ジミンさんも声をかけられない様子…


 これは「番狂わせ」であるが、いたしかたないか…


 僕は佐々木の勝ちだと思った。佐々木の有効打は見栄えがよく、ポイントとして採用しやすい。一方の飯田は手数前進で上回ったがパンチの切れと重さに関しては見た目的には明快…とは言い難かった。


 しかし、佐々木は前戦でも疑問の残った「スタミナ」に関して発展できていなかったように思う。口を開いてのクリンチ多用等、疲れた感が客席からも見て取れた。5Rの猛ラッシュで捕まえられずにゴングを聞いてコーナーに戻った時、肩で息をしていたのを見たとき、正直先行きの不安を感じずにはいられなかった…。


 スタミナは十分だったとしても、攻め所を見間違えたのが敗因か…?


 いずれにせよ、判定は覆らない…。


 勝った飯田はその気迫と勇気が勝因であったように思う。佐々木の猛攻を防御のみで凌ぐことなく、果敢に打って出たことで佐々木の勢いをその都度殺しきった…。


 そして、しつこくしつこくボディーを叩いて弱らせていったのも良かった。


 佐々木は疲れてしまった。山岡戦ではダウンを奪っていたから辛くもドローで凌いだが、せめてあともう2Rは息を整えた状態で戦って欲しかった。


 あの5Rの猛攻は素晴らしかった…が、チャンスを見誤ったことと、その後のスタミナ消失が敗因なのだろうか…?山岡戦よりも大降りも少なく、弱りきらなかったようにも思うが、飯田選手と山岡選手を比べると、その「距離感の扱い」と言う意味でセンスは山岡選手に軍配が上がりそうにも感じたが、いかがであろうか?  


 しかし、飯田選手、世界ランカーを撃破したわけだが、いきなりの世界ランク…とまでは行かないまでも、最低でも日本ランクにジャンプインは確実か?


 しかし、それまでは普通のボクサーが、いきなり強豪を喰らって実力開花!!! って例は数多い。


 飯田選手の今後は楽しみである。僕は飯田選手の「打たれたら打つ」を大評価だが、いかがであろうか? 


 佐々木選手、調子は悪くなさそうに見えましたが、どうなんでしょうか?


 ライト級に階級を落としてでも世界挑戦!!! …を掲げていただけに、また、その独特なキャラクターでファンも多いだけに残念であった。


 higege91も喪失感に苛まれちゃいましたよ・・・ 


 金元先生、坂田選手の勝利おめでとうございました。


 「坂田節」思い切り堪能できました。瀬藤選手も持ち味を発揮、SB級戦線にいい形でアピールできた勝利であったように思います。声をお掛けしたいところでしたが、客席より応援させていただきました。


 先生もハワイから今日までお疲れだとは思いますが、がんばってください!!!


 御愛読感謝


 つづく