2006 3 20 後楽園ホール
WBAフライ級5位
坂田健史 25W11KO3L1D 26歳
VS
同級
伊波秀吉 9W5KO8L1D
坂田の止まらない手数、上下左右と打ち込み続けた猛進が伊波を棒立ちにさせたのは、5R中盤であった。しかし、坂田のボクシングの美しさはその『誠実さ』であり、『ストイックさ』であり、『懸命さ』なのだが、今回、その『ひたむきさ』がきちんと結果に出て本当に良かった。
伊波もレフリーストップされるも最後まで倒れなかった根性は賞賛に値する。時折クリーンヒットもあった。
http://ameblo.jp/higege91/entry-10004429175.html 坂田健史VSロレンソ・パーラ2 世界戦
あの悔しい悔しい上記の世界戦敗退から再起2戦目をきっちり勝った坂田健史、同門の亀田興穀とのせめぎ合いもあろうが、慌てず精進し続けて欲しい。きっと結果がついてくるはず。
だって、人間にとって最も尊い部分であるところの上記の美徳が君のボクシングには備わっているのだ。
自信を持って、自分を信じて『猛進』してほしい。僕は坂田健史が好きだ。君のような『一途な生き方』をしたいって心底思う。
近い将来、世界戦の舞台で、その腕が高々と上がる日がやってくることを、僕は信じている。
…が、問題は今夜のセミファイナル、もう一人の世界ランカーであった。
WBAスーパーライト級11位
元日本スーパーライト級王者
佐々木基樹 25W16KO6L 30歳
VS
同級
山岡靖昌 8W3KO5L1D 25歳
ボクシング界にあって、その独自の哲学、ササキズムを提唱?…その凄まじい形相(…すみません)といい、ふてぶてしさ、頑固さ、しぶとさ…と、そのアクの強さが逆に気持いい佐々木基樹。
http://ameblo.jp/higege91/entry-10006507349.html 佐々木基樹VSダウディ・バハリ戦
亀田興穀のアランブレット戦のセミファイナルで無敗の世界ランカーを撃破、あの現日本王者、木村勇登への挑戦が僅差判定での敗戦(…個人的には採点はドローでした)から再起後復活を遂げ、さらに勢いをつけたいこの一戦。格上の実力差を思い切り見せ付けて勝たなくちゃダメだ。
1R やや距離をおくタイプの山岡に対し、大きな右フックを好打、佐々木優勢。 佐々木10-9
2R 一発狙いの佐々木、パンチが大きい。山岡はコンスタントに手数を稼ぎ、細かいクリーンヒッ
トを当てる。山岡10-9
3R やや距離をおかれて被弾していた佐々木だが、接近戦で右フックカウンターをドンピシャで決
める。山岡ダウン!!! …が、立ち上がる。再開後、佐々木さらに猛進、右ストレート?で再びダ
ウンを奪う。…が、山岡しぶとく立ち上がる。さらに再開、佐々木は試合を終わらせようと果敢
に出るもここでゴング。 佐々木 10-7
4R ダメージが深いであろう山岡に対し、佐々木が止めを刺しに行く…が、激しい手数で抵抗に
合い、後退を余儀なくされる。しかし、窮地に自ら打って出た山岡の気迫は素晴らしかった。
山岡10-9
5R 逆に山岡が出て、佐々木が待ち受ける展開に…。山岡のボディー打ちからの顔面へのコン
ビネーションが決まる。チャンスのラッシュを押し返された佐々木にスタミナの消耗が見える。
あれ? ちょっとぉ…。 山岡10-9
6R 佐々木は接近戦で激しく連打するも、最後の決めが大振りで繋がりきらない。一方の山岡
はコンスタントにボディー、顔面と佐々木にパンチを当て続ける。さらに手数が旺盛だ。2度の
ダウンがあったとは思えない回復ぶり…。と、佐々木の足が止まり、その腰が曲がる。あれ?
佐々木、丸めた背中が起き上がらない。 …あ、腹、効いてる。 コーナーで足の止まった
佐々木。ここぞとばかりに打ち込む山岡。R終了間際、佐々木は大きな右を当て返すも、有効
なのはボディー打ちの山岡だ。山岡 10-9
7R 序盤、ジャブが増えた佐々木。山岡を突き放したいと見える。接近戦でまとめて強打を決め
る。山岡は接近戦で腹を打ちたいが佐々木が意地を見せた。…が、相当効いてるぞ、腹。
佐々木10-9
8R 佐々木は相当に腹が効いているらしく、引けた腰を伸ばせずに頭が下がり、レフリーに注意
を受けるほど。山岡は旺盛な手数で打って出る。ロープを背負った佐々木の足が止まる。山岡
が打つ!! R終了間際、佐々木の左フックがカウンターとなって決まるが、手数とクリーンヒット
数で山岡が妥当だな、しかし、佐々木堪えきれるか?山岡10-9
9R 混戦から佐々木の右アッパー、右フックが山岡を打ち抜く。しかし、目の前にぶら下がった
「金星」に山岡はひるまない。相当に手応えを感じていると見えて物怖じしない。これは強い。
だがベテランの佐々木は意地を発揮、上から叩きつけるような連打ラッシュ!!! 綺麗ではない
が、気迫の見えた攻勢を印象に残す。佐々木10-9
10R 採点は拮抗模様だ。この最終Rを奪った方が勝ちに相当近付くぞ。しかし、佐々木手数が
出ない。疲れた。山岡は細かく打って出る。これは当たらなくても有効だ。山岡が出る。佐々
木はクリンチも使って凌いでいる印象だ。 ぐ・・・。 ラスト30秒で打って出た佐々木だが、こ
こは全般的には手数で山岡とするべきか?山岡10-9
Higege91の採点 94-94のドロー!!!
公式の採点 97-93(佐々木) 95-95 95-95 でドロー!!!
引き分けだぁ…。痛い、痛いなぁ…。
スマートなボクサー山岡を2度倒しながらも引き分けとは・・・。世界ランクが泣く結果であった。
でも、相当に『腹』はまいっていたと思われる。普通のボクサーなら膝をついていたかもしれない。
気迫は魅せるも、スタミナ配分が出来なかったし、チャンスを逸してさらに窮地に追い込まれ、山あり谷ありの『落第ギリギリのドロー』には痺れました。格の差を見せ付けられなかった時点で、厳しい言い方になるが、残念な結果であった。
しかし、山岡の勝利を唱えるものも多いかもな。ダウンがなければ勝っていた山岡が強かったと言うべきか?
イイ試合の後には『落とし穴』が待っている…とは某ジムトレーナーの言葉であるが、片足は突っ込んだ感が残りましたかね?
今夜の戦いでは、木村勇登には勝てない…。この強烈なキャラクターはボクシング界に必要なのだ。三十路となったがまだまだやれる。大振りが目立った今夜の連打であったが、「なにくそー!!!!」
…は確かに感じた。
腹、大丈夫ですか?
あの止まった足と曲がった背中が頭に焼きついて離れない…。
でも、しがみついた。負けたら「終わり」だった。しがみついたんだから、よじ登って、次の場所へ突き進め!!!
御愛読感謝
つづく