亀田興穀、老獪元世界王者をボディーで悶絶!! …よりも嬉しかった佐々木基樹、世界ランカー撃破!! | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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さいたま パンフレット

11・26 さいたまスーパーアリーナ 


ボクシング・フライ級10回戦(26日・さいたまスーパーアリーナ)――世界ボクシング協会(WBA)フライ級8位、亀田興毅(19)(協栄)が、元WBAミニマム級王者、ノエル・アランブレット(31)(ベネズエラ)と対戦。

 亀田は序盤から連打で終始優位に試合を運び、アランブレットが8回開始のゴングに応じなかったため、亀田の7回終了TKO勝ちとなった。 以上記事参照

 もうテレビで流れてるし、話題の亀田の7R終了戦意喪失TKO勝ちは簡単にすませよう。

 しかし、ノエル・アランブレット、がっかりだった。やり辛さは発揮するも、それだけだったなぁ…。逆を言うとそのやり辛さを意に介さず、左ボディーストレートを突き刺して『心』までもへし折った亀田が素晴らしかった、と褒めるべきか…?


 遠くから双眼鏡で見ていたので、その左ボディーストレートが炸裂した直後、腹を抑えて亀田に背を向けたアランブレットに対して、「なんだぁ?」と思ってしまったのだが、車に戻ってテレビ中継で見直すと、

「…口から内臓が飛び出しそう」

な凄まじいみぞおちへの『腹打ち』だったので、仕方ないとも感じた。しかし、その冷静さ、気合の込め方、集中力、は並みの19歳ではないことは明らかだ。その『精神面』の充実ぶりに目を見張る。強くても、きっちり『結果』を出すことの難しさは言うまでもあるまいし、何食わぬ顔で、

『…ただ普通にボクシングやっただけやから』

なんぞと、サバサバと答えちゃうあたり、評価せざるを得ないか…。それにしても、ノエル・アランブレット、もうちょっとがんばってほしかったなぁ…。


 名護明彦は完封された。ジャッジこそ78-76 78-75 78-74だが、HIGEGE91はひいき目に見て、80-73であった。対戦相手の高吉勝之(2勝)は距離を保ち、完全にアウトボックス。下田昭文ほどの目を見張る何かはないが、名護はむやみにフックを空転させるばかりでいいところなしだった。残念だった。もっともっと『必死に、しゃにむに』に出て欲しかった。


 …が、このさいたまスーパーアリーナ、問題の?セミファイナルは『感動』しちゃいましたよ。

さいたま 基樹登場 ・・・基樹、入場!!


 WBAスーパーライト級6位・ダウディ・ハバリ(インドネシア・27W11KO1D) VS 日本スーパーライト級5位 佐々木基樹(24W16KO6D) の1っ戦だ。

 

 散々書いてきたが、己が道を行く佐々木基樹、誰がなんと言おうと、センスが悪かろうと、趣味が悪かろうと、とにかく、『天上天下』『唯我独尊』『基樹参上』…なのだ。無敗の世界ランカーとの対決。進退に大きく影響を及ぼす『ラストチャンス』と言っても過言ではない一戦…。あのプリンス・湯場をKOし、現・OPBF W級王者 日高和彦も屠り、…が、なぜか初防衛失敗、日本王座再挑戦も僅差で判定負け…。やったりやられたり、とにかく何かしでかす男…、佐々木基樹が世界ランクにアタック!! 両者右ボクサーファイターの戦い。



R1 両者、「見る」展開。…負けなし無敗のわりに、線の細い印象のバハリ。…スリムでスタイリッシュな印象。ガツガツ頭から突っ込んで行く佐々木とはちょっと違う。長い右リードは軽そうだがわりかし早いしスムーズに出てくる。…あいや、ピシピシと喰らい続けてダメージ蓄積しそう…ってのは要らない不安であった。佐々木のジャブが当たるし、互角の展開。…しかし、まだ始まったばかり…。互角10-10


R2 コンビネーションから右ストレートが炸裂!! やけに綺麗に当たったなぁ。さらにそのかえしの左も当たる。しかし、ハバリ、小顔でやや2枚目?ポーカーフェイスなだけに、まだ怖いぞ!! 佐々木10-9

 さいたま 基樹、攻める


R3 佐々木のプレッシャーが試合の流れを作って行くいい展開。悪くない。…ファイターよりの佐々木に対してボクサーよりなハバリ。ハバリは長いジャブから始まるまさにオーソドックス。…直進的な左はよけずらそうに見えるのだが、佐々木、かわしてブロック。有効打を浴びることなくクリーンヒットを浴びせる。佐々木優勢。あれ、これは…!? 佐々木10-9


R4 佐々木の連打が炸裂、ハバリ、堪らずクリンチするも膝をつく。

 …スリップ。なぁんだよ、しかし、いいぞいいぞ。佐々木10-9


R5 佐々木のボディーが入った!! ハバリ、再びクリンチのもみ合いから膝をつく。

 …スリップ。またスリップかよぉ!! しかし、ハバリ、佐々木の圧力の前に振りぬくほどのパンチを打てない。

 佐々木 10-9 

 

R6 お、ハバリ、積極的にジャブをつき、フットワークのギアを上げてきた。手数も増えてきた。やばいか?…が、佐々木、変わらない。自分のボクシングを展開。迷いなし。終盤、佐々木のアッパーが当たる!!

ハバリ、膝をつく。…が、スリップ!! 何度目の『スリップ』なんじゃ? 佐々木、10-9

 

R7 佐々木は自分のペースを維持するも、大きな有効打には恵まれず。こうなると、ポコポコとジャブをついて足を使うハバリにポイントは行くか…?…が、流れ的には佐々木。ハバリ10-9


R8 佐々木の左フックから右ストレート!! 両者も連れるようにスリップダウン!! 佐々木のスタミナは問題なさそうだ。木村戦は終盤気合で押し込むもゼーゼー言ってた。今回も疲れてはいるが、集中力と身体の動きのバランスが良さそうだ。優勢!! 佐々木10-9


R9 佐々木の『執念と気合』がピークに達する。押せ押せだ。ポイントは完全に貰ってる。ダウンが欲しい。ハバリは何度も膝をついている。ダメージも蓄積してそうだ。いけ、いけー!! 佐々木 10-9


R10 来たー!! 倒せ、倒せ、倒せ!! 

『佐々木ー!! 世界ラング獲れよー!!』

 図太い観客の声が響く。もうハバリは諦めてる。ラッキーパンチもなさそうだ。気合が数段上回ってる。来たー!! やれ、やれ、やっちまえー!! 佐々木10-9


 採点の結果 99-93 99-92 HIGEGE91の採点 99-92 

さいたま 基樹、勝ち名乗り


…勝った!! またしても『番狂わせ』、奇跡を?起こしたぞ!! 僕はその証人になったぞ!!


 しかし、無敗の世界ランカーが相手だっただけに、実は壮絶にKOされるイメージがあったのだが、申し訳なかった。佐々木選手よ、よくやった。これで、晴れて日本王座、OPBF王座への再チャレンジの道が開けてこようというものだ。出来ればあの宿敵、日本スーパーライト級王者・木村登勇へリベンジしてもらいたが・・・。木村も世界ランカーだからこれに打ち勝てば、『世界』の二文字が多少見えてくる…。今度、ハットンと統一戦をするマウーサだったらやれるんじゃないか?…いくつもの『奇跡』の向こうに見えてくるまだまだ遠い『世界』の二文字だが、やれないことはない。信じれば繋がる。続いているのだ!!


 当日券8千円は高いと思ったが、佐々木の世界ランクゲットがあったしHIGEGE91的には満足な興行であった。しかし、ハバリ、ちょっとあれで『世界6位』ですか?…って内容であった。これは『ラッキー度数』高い1戦だったが、世界王座への道は『奇跡』の果てにあるもの。巡り合わせ、時の運も含め、それは実力の内であろう。そうだ、先日あの柏木崇を1Rに3度も倒して王座を防衛した韓国のOPBF王者・金をぶっ飛ばすってのもいいな。…でも、木村を倒して欲しいし…。どっちにしても、今後が楽しい展開である。


つづく