名城信男、世界挑戦者決定戦を制す   | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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名城、判定で初防衛=世界王座へ挑戦権獲得-日本Sフライ級

名城信男、初防衛成功
 

 プロボクシングの日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦は22日、大阪府立体育会館で行われ、王者の名城信男(六島)が挑戦者で世界ボクシング協会(WBA)同級2位のプロスパー松浦(国際)を3-0の判定で破り、初防衛に成功した。名城はこれでWBA世界同級王座への指名挑戦権を獲得。次戦は辰吉丈一郎(大阪帝拳)に並ぶ日本最短8戦目での世界王座奪取が懸かる。

 …以上記事参照

 名城信男が勝った…という。この勝利で次戦での世界挑戦がほぼ確定…と言ったところか?

しかし、僕は『動く名城』を見たことがないので、読み知ったことだけの情報からの「想像」しか出来ないわけだが、3-0の判定での日本王座防衛とだけ記されているところを見ると、「無難」に競り勝った…のだろうか?プロスパー松浦はこの階級においては群を抜いた「身長・リーチ」のあるベテラン選手で、ボクサーファイター…というか、距離を置いてのリードの差し合いからチャンスを作って行く「安定型」である。従って、このプロスパーから3-0で勝利を掴んだとなると、相当のプレッシャーで押し込んで終始攻めきった…ということなのだろうか? 名城が無名時代、2度の世界挑戦の経験をもつ世界ランカー・本田英伸を判定で破る大金星を挙げてその存在が注目されたわけだが、よっぽど凄い『圧力』を発揮するファイターなんだろうなぁ…

 …勝負とは非情なものである。苦労人、うなぎ屋で働きながら世界を目指しているプロスパー松浦には痛い敗戦である。世界挑戦目前においての挑戦者決定戦での敗戦はさぞかしこたえていることだろう…。その『試合内容』の詳細が分からないだけになんとも言えないが、先ずは静養してその後の談話を待ちたい。お疲れ様でした。

 名城よ、必ずや獲れよ、世界王座を!! 現王者・カスティーリョVS前王者・ムニョスの勝者に挑戦?

やれる、獲れるぞ、全てのボクシングファンのために、王座奪取頼んだぞ!!


マルコム・ツニャカオ 元世界王者 


 …で、この写真は後楽園ホールで挨拶した『踊る マルコム・ツニャカオ』の写真である。


 先日の11・19、後楽園ホールで行われたOPBFバンタム級タイトルマッチをテレビで観戦。前WBC世界フライ級王者・マルコム・ツニャカオ(比)VS現OPBF王者・クマトーン・ポープルカモン(タイ)の1戦。この試合が日本で行われるのには訳があり、王座陥落後、チャンスに恵まれなかったツニャカオが日本人のマネージャーと契約して日本で再び世界を目指す…という経緯があるからで、なかなか外国人同士のOPBFタイトルマッチは観れないし、さらに元世界王者の1戦が観れるのだからかなり「興味深い」のも事実。…とは言え、ボクシングファンでなくては楽しめない…というか、興味が沸かない1戦とも言えるので複雑である。しかし、前王者・鳥海純からダウンを奪っての載冠となったクマトーンとしてはかなり『厳しい』マッチメークである。勝てば当然『世界挑戦』へのこれほど強烈なアピールはない。2階級下…とは言え、ツニャカオは前・世界王者である。文句のつけようがない対戦相手である。…が、圧倒的不利である。貧しい国のチャンピオンは辛い。自国での興行開催は困難なのであろうか?…敵地で(今回はちょっと特殊だが…)、さらに、全世界王者が初防衛戦の相手とは…。


 試合は一方的であった。技術、スピード、パンチの切れ、どれをとってもツニャカオの圧倒的優勢であった。採点は118-111 119-109 120-109 の完封勝利であった。

 しかし、サウスポーのツニャカオの流れるようなフットワーク、その身のこなしから繰り出される光速のような踏み込みからの左ストレート、垂直に突きあげられるアッパー、また、コンパクトなコンビネーションから身を寄せての防御としてのクリンチワーク、その『巧さ』を存分に堪能できる素晴らしい1戦であった。強い。これが世界の頂点を極めた『ボクシング』かぁ…。…で、さらにこの一方的過ぎる試合がこれだけ面白く観れたのは、OPBF王者・クマトーンの『執念と根性』があったからに他ならない。打たれたら止まらず打ち返す。下がらないで打つ。常にプレッシャーを掛ける。…それは見事であった。

 解説者の浜田剛さんの言葉を借りれば、「…パンチがないのが痛いですな、しかし、プレッシャーではクマトーンですよ、タフですからツニャカオとしてはもっと手数が欲しいですよ、効いてます、…あ、効いた、効いた、効いた、効いた…、倒れますよ、もっと行かなきゃいかんですな、そうすれば倒れますよ、痛いですな、クマトーンはパンチがないのが、痛いですな…」

 …って感じだった訳だが、鳥海に足りなかったものが見えてくる一戦でもあったわけだ。鳥海の欠点である『スロースタート』が禍した部分も大きかろうが、ツニャカオのような淀みなく流れる「フットワーク」を駆使しても簡単には裁ききれなかったクマトーンである。さらにあのキレのあるツニャカオのクリーンヒットを浴びるも終始打ち返し続け、前へ出続けたクマトーンである。仮にノンタイトルでもなんでもリベンジできるチャンスが来たとして、前回の高野旭線の出来では、この夜のクマトーンには勝てないような気がする。では、どうしたらよいか、どんな作戦で戦えば良いのか?


 …む、それは、やはり『序盤からの足の使い方と距離の使い方』ではなかろうか?…裁く、とよく言うが、裁くには自分にとってだけいかに都合の良い間合いを維持し続けながら、チャンスに踏み込み畳み掛け、さらに打ち終わりの反撃を防ぎ続けながら…ってことなのだから、クマトーンのように圧力の強い相手と対峙する時、見すぎてはやはりいけなかったのだ、それは高野戦でも感じたのだ。見てもいいが、『エンジンが掛かっていない状態』で『見てはいけない』のだ。


 偉そうなことを書いてすみませんが、是非、鳥海選手に勝って欲しいいもので…。




 おお、12月3日に迫った日高和彦のOPBF東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチが待ち遠しい。間もなくである。対戦相手は前王者・レブ・サンティリャンである。前回はKOではあったが、危険な場面も確かにあった。勝てよ、負けるな、目指せ、日本人初の「世界ウェルター級王者」!!


 つづく