WBC世界スーパーフライ級王者・徳山昌守の初防衛戦について… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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田中聖二よ お前がくれたチャンピオンベルトだぜ  …王者・川嶋勝重を完封 再冠後の徳山昌守


徳山 V1へ戦闘モードだ

 ボクシングのWBC世界S・フライ級王者の徳山昌守(31)=金沢=が16日、12月から本格的なジム練習を再開することを明言した。来春予定されるホセ・ナバーロ(米国)との初防衛戦へ向けていよいよ“戦闘モード”に入る。
 今月1日からすでに自主トレを開始し、同日から酒も断っている。「今は練習に入る前の自主トレ段階。まだ体がついていかない。体ができたら合宿を張って練習に打ち込みたい。前回みたいな体をつくります」と意気込みを見せた。

以上記事参照


 …やっとこさ、って感じでナバーロ戦決定?の記事らしきものを発見。一昨年、まさかの1RKO負けで王座陥落後、後輩で日本王者だった田中聖二(同門ジム)のリング禍を乗り越え、川嶋にリベンジを果たした徳山昌守が重い腰を上げた…と言う。


 …が、ブルファイター・川嶋を完全にアウトボックスして「完璧」に近い形で勝利したわけだが、予め決まっていたような同級1位ホセ・ナバーロとの防衛戦が確定しきらず、開催日時や条件の擦り合わせに因るのならばまだしも、徳山本人の「初防衛」に向けての前向きな発言がなかなか聞けなかったので、HIGEGE91は何か嫌な感じがしてしまう。


 …やや、モチベーションを失った印象の徳山。あの「悪夢のR1KO負け」で失った『プライド』は不屈の精神で取り戻したし、亡くなった田中聖二選手にも『約束』は果たせた訳だが、今の徳山の印象はやはり、何かが足りない感が漂う不穏な印象が拭えない…。


 ホセ・ナバーロは強い。あの川嶋勝重とのタイトルマッチは驚いた。徳山を1撃でしとめた強打を浴びるも、ひるまないし、弱らない。ポーカーフェイスで果敢に打ち合い続け、結果、判定で敗れるも開催地がアメリカであったならば勝者はナバーロであってもおかしくない内容とも言えた。そのタフネスと執念は並大抵ではなかった。アマエリートであり、「疑惑判定?」の川嶋戦以外無敗最強の挑戦者であろう。


 燃え上がれなければ、徳山は負ける…。その完成度の高い技術とアウトボックスは軽くナバーロをいなせるだけの「潜在能力」はもちろんあるという前提での話だが、それでも世界タイトルマッチの長丁場12R当てて逃げ切るためには、『気力の充実』と『継続力のある集中力』が発揮できなければかなり『危険』と見る。


 ボクシングと言うスポーツは『ハングリー』と言う『言葉』の『代名詞』である訳だが、世界王者に返り咲いたことで満足しきっているとは思わないが、『挑戦者』のような『心』で挑めるかが問題である。

 

 現WBCバンタム級王者・長谷川穂積は日本タイトルマッチ「木村VS福原」戦を後楽園ホールで観戦して、対マルチネス戦での戦略を『攻め』のボクシング、『倒す』ボクシングに決めたと記事で読んだが、結果、『打ち合って勝つ』ボクシングに開眼し始めているし、自分のためだけでなく、「日本のボクシング界」の旗手としての充実した『自覚と気迫』がありありと感じられて観ている方も楽しいし、今や安定感も圧倒的になりつつある。


 …では徳山はどうか?…正直、微妙?


 川嶋に負けて世界王者のベルトを奪われた時、ウェイとコントロールも失敗していたようだが、何よりも1番はあてどなく防衛し続けることにモチベーションを失っていった「自覚」があったような記事も目にしたことがある。


 徳山が「ハングリー」でないわけがない。世界王座を8度防衛した安定王者、名王者なのだ。その記録は輝かしいし、世界王者に返り咲いたこと自体とてつもないことなのだ。


 それだけに、それだけに勝って欲しい。


 同門の小島英次選手が眼疾で正式引退。3度目の世界挑戦の為の前哨戦直前であった。小島の無念もある。故・田中聖二選手との約束も「再奪取」だけではないはずだ。その先がまだあるはずだ…。


 勝手な印象を書いてしまったが、さらに名勝負を我々に見せて欲しい。そして、名王者から、さらに『伝説の王者』になって欲しい…。


 川嶋勝重もHIGEGE91は好きだ。情感溢れるそのファイトスタイルは実は徳山の綺麗なボクシングよりもどちらかと言うと『好み』だ。川嶋は階級を上げて長谷川に挑むとも、カスティーリョVSムニョスの勝者に勝者に挑戦を絞るとも言われている。川嶋に関して言えば、その「萎えることのない闘志」がニュース記事の端々からでもありありと伝わってくる。


 それだけに、それだけに徳山の『モチベーション』が気に掛かるのだ…。


つづく