気になるボクサー列伝 シャイで朴訥なハードパンチャー 竜宮城  | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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竜宮城 復活なるか


沖縄ワールドリングボクシングジム(中真茂会長)主催の「拳に生きる ROUND3」が12月10日、北谷ドームで開催される。当日は同ジムから9人が出場。琉球、島袋ジムからも参戦し、9試合が行われる。
 フェザー級10回戦の竜宮城(15戦12勝10KO1敗2分)はWBA世界12位のワイベル・ガルシア(パナマ)と対戦。「世界ランカーを倒して、一気に世界を狙いたい」と話し…


 …とは、今日の記事だ。


 一時、日本フェザー級2位にまで浮上したのだが、2004年 渡辺一久に3-0で完封されてからジワリジワリとランクから外れてしまった。4回戦賞金トーナメント「B-タイト」のフェザー級で優勝して脚光を浴び、ダイナミックグローブでメインを張ったこともあったが、最近は露出が減ってちょっと寂しい。


 とにかく、ハードパンチャーなのだが、動きはどちらかと言えば「緩慢」。テクニック的には重い連打が武器だが、あまり速攻とは言いがたい。器用かと言えば不器用。しかし、「味がある」ボクサーなのだ。マイペースで、やさしくて、気が小さくて、器用ではないがコツコツの努力家で、口下手だけど人の痛みを感じすぎて…って、言う感じ?


 見ての通りの風貌…。この「味わい深さ」は何だ!? 一度見たら忘れられない男である。 沖縄のボクサーなのだが、悪口ではなくて、とにかく「毛深い」。色白のボクサーが多い日本のリングにあって、「見た目」的にも竜宮城は特殊な存在である。胸から背中にかけての体毛が男らしい。それでいて「スピード」はなくとも「重いパンチ」で敵をKOするのだが、マイクを向けられると、

「……」

 …と言葉につまり、余りにもシャイなのにビックリするのだ。その優しそうで朴訥な印象がHIGEGE91的には堪らない存在なのだ。


 その竜が世界を視野に打って出る…という記事なのだ。正直、厳しさを感じてしまうのは否めない。世界ランカーに竜のパンチは見切られ、距離を置かれれば完封されてしまいそうな予感がする。出入りを激しくスピードを生かされた時、竜は相当に厳しい状況に追い込まれるに違いない。…一発は確かにある。…が、世界ランカーが相手でただの「一発」では試合を決められるとは思えない。単発で終わることなく、とにかく「連打」をぶつけられなくては勝機はない。ポイントを計算しながら稼ぐ戦い方は多分出来ない。倒しに行くファイターとしての攻勢の結果、ポイントがついてくることがあっても、細かく当てて離れるような器用な戦い方は竜にはできない。…しかし、竜はタフで、折れない男なのだ。逆転のKOも幾つか観た。内に秘めた「ファイター魂」は傍目には分かりづらいが、良く観れば感じられるはずだ。例え燻っているように見えても、その火種は燃え上がるときを待っているのだ。それは決して消えることはないのだ。


 寡黙な努力家が、結果を出す…、そうなって欲しい。


 沖縄の興行なので、記事でしか知ることは出来ないだろうが、応援しているぞ!! がんばれ、竜宮城!!


 僕はあなたの朴訥さとハードパンチにグッと来たのだ!! 倒せ、そして続け、不屈の魂の持ち主、先輩・仲里繁の背中を見て育った竜宮城よ、羽ばたけ、羽ばたいて、飛べ!!


 つづく