骨粗鬆症(骨粗しょう症)について⑨ ~食事療法について~ | 東大阪病院 人間ドック・健診センター ブログ

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大阪市城東区にある東大阪病院の「人間ドック・健診センター」スタッフによるブログです。

今回は前回に引き続き、『骨粗鬆症の食事療法について その2 』ご紹介します。


<これまでの骨粗鬆症(骨粗しょう症)記事>

 骨粗鬆症① テーマ「骨粗鬆症とは?

 骨粗鬆症② テーマ「骨粗鬆症の原因

 骨粗鬆症③ テーマ「骨粗鬆症の原因 その2

 骨粗鬆症④ テーマ「骨粗鬆症の症状

 骨粗鬆症⑤ テーマ「骨粗鬆症の検査

 骨粗鬆症⑥ テーマ「骨粗鬆症の治療について

 骨粗鬆症⑦ テーマ「骨粗鬆症の食事療法について

 骨粗鬆症⑧ テーマ「骨粗鬆症の食事療法について その2

 

健康で丈夫な骨を作るためにはどのような栄養分が必要なのでしょうか?

 

“骨に必要な栄養分”というと多くの方がまっさきに思い浮かべるのが『カルシウム』でしょう。
もちろんカルシウムは骨にとって重要な成分ですが、骨はカルシウムだけでできているのではありません。
コラーゲン(蛋白質)やマグネシウムなども含まれています。また、血中のカルシウム濃度を調節したりホルモンのバランスを保ったり、骨を丈夫にするためには他にも様々な栄養素が必要です。

次の図に、骨を健康に保つために必要である主な栄養素を示しています。
また、各栄養素の説明と栄養素を多く含む食品や含有量を記載していますが、文献によりデータが多少異なりますので
おおよその目安としてください。摂取推奨量等は厚生労働省の資料を参考にしています。

 

 骨を健康に保つために必要な主な栄養素

 

 

これまで2回にわたり、骨を健康に保つために必要な主な栄養素をご紹介して参りました。
今回は、その逆です。

カルシウムの吸収を妨げるものについてご説明させていただきます。

 

<カルシウムの吸収をさまたげるもの>
 せっかく摂取したカルシウムを吸収されにくくしたり、体外に排泄してしまったりします。


 リ ン
 リンも骨の材料となる成分ですが、取り過ぎると腸管内でカルシウムと結合し便中に排泄されるため、カルシウムが吸収されません。リンは保存料など食品添加物に多く含まれています。ウインナーなどの加工食品やインスタント食品、炭酸飲料などを取りすぎないよう注意しましょう。

 

 アルコール
 過剰に摂取すると胃や腸の粘膜を荒らしカルシウムの吸収を妨げます。また、利尿作用によりカルシウムの排泄が促進されてしまいす。

 

 喫 煙
 女性では特に喫煙の影響が大きく、骨の形成に大切な女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が抑えられてしまいます。
  喫煙歴のある女性は年齢に関わらず骨量の低下が見られます。また、胃腸の働きを抑制しカルシウムの吸収を悪くします。

 様々な病気の危険因子とされており、間接的に骨粗しょう症につながることもあります。

 


これまで丈夫で健康な骨を作るために必要な栄養素について紹介してきました。
栄養素は単独で摂取しても吸収されにくく効果が出ない場合があります。他の栄養素とお互いに作用しあって初めて有用に働くことができるため、さまざまな栄養素を同時にバランスよく摂取することが大切です。

これまで紹介した栄養素は、骨以外でも体に欠かせないものです。

 

これらの栄養素を含む食品はその他たくさんの栄養素を含んでおり毎日の食事にぜひ取り入れて頂きたいと思います。結局、一般に『体によい』といわれているものは骨にもよいものであり、『体にわるい』といわれているものは骨にもわるい影響を及ぼすのだということです。

きっちりと必要な栄養素量を考え食事を作れれば理想的ですが、いちいち食品成分表等を見ながら献立を考えるのは大変です。

とりあえず、一度の食事の中に「タンパク質」「炭水化物」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」の五大栄養素が入るよう意識するとよいでしょう。
1回の食事の中でバランスよく栄養素が取れなくても神経質になる必要はありません。まずは1週間ぐらいの中で全体的にバランスのよい食事がとれるようチャレンジしてみましょう。余裕があればネットや本で各食品に含まれる栄養素量を調べて、食事に取り入れてみましょう。
カルシウムは不足しがちなので、カルシウムを多く含む乳製品や小魚類等お好きなものを毎日必要量とることを習慣づけてみましょう。ただし、小魚類を食べる時塩分は控えめにしましょう。また、年齢と共にタンパク質摂取量の低下がみられるのでタンパク質も意識して取り入れましょう。
病気の治療で医師に止められている食品がある方は、その食品は避けて献立を考えましょう。

まずは実際の骨量がどのくらいなのか確認することが大切です。

骨量が少なければ増やすことを考えなければいけませんし、年相応であればできるだけ骨量を維持するよう努力しなければなりません。

自分の骨の強さを確認し“健康に過ごすためには何が必要か”を確認しましょう!!


各栄養素は骨以外にも体にとって大切な栄養素です。ぜひバランスよく毎日の食生活に取り入れていきましょう!

 


東大阪病院では、超音波骨密度装置による骨量検査を実施しています。
人間ドックや健診にて、オプションとして追加することができます。

自分の骨の強さを確認し

“健康に過ごすためには何が必要か”

を確認しましょう!!