『ブラッド・ダイヤモンド 』 という作品をご存じでしょうか?
かなり前の映画なのですが・・・(^^;)
「ラストサムライ」で指揮をとったエドワード・ズウィック監督の社会派傑作と言われていますが、
本作は「紛争ダイヤ」を巡る アフリカのシエラレオネの内戦をテーマにした作品です。
内容も描写も非常に衝撃的ですが、ある意味「平和ボケ」している私たちに一喝をもたらす傑作です。
(まだ見たことがないという方は、是非一度ご覧になってみてください!)
武装勢力が、彼らの武器の資金源とするために、
周辺の村落から強制連行してきた黒人を暴力と恐怖を用いて強制的に労働させてダイヤモンドを採掘し、
賄賂と汚職を幾度も経て国を渡りながら密輸が繰り返され、
先進国で正式なダイヤモンドと混ざり流通される。
また、ダイヤモンドの希少価値を保持するために、
武装勢力がダイヤをばらまかないよう現地で「内戦」を長引かせる黒幕が先進国にいる。
社会は非常に残忍で、利己的で、不平等で、汚い、とさえ思えてくる内容ですね。
非常に多くのメッセージを放つ本作品ですが、最も心に残ったのは
この汚い社会の中における人間の「愛」の側面です。
善良で、将来医者になることを夢見た少年が、
突然、武装勢力に拉致され、親を殺されかけ、
お前の親は弱かったからお前や家族を守れなかったとされ、
親からもらった名前を捨てさせられ、
銃をもたされ目隠しをして人を殺戮する訓練をさせられる
(少年兵にさせられる)。
暴力の後には優しくされ、
自分の居場所はここにしかないんだと信じ込まされ、
麻薬中毒にして洗脳されていく。
そして、あれほど尊敬し慕っていた親を「敵だ」と感じ、銃を向けるまでに追い込まれていく。
しかし、最後の最後で、父親から
本来の名前、好きだったこと、頑張っていたこと、親から愛されていたこと、可愛がっていた妹がいたこと、を語りかけられ、
我慢していた涙が溢れるというシーンがあったのですが、そのシーンは非常に胸を打ちます。
人はどんな状況にあろうとも、何をされようとも、どこまで汚されようとも、
人間は、無償の愛を忘れることはない
ということを教えていただいたような気がします。
この作品をみていると、色々と考えさせられるところはありますが、
忙しいことやうまくいかないことに不平不満をつい並び立ててしまう自分に、不毛さや次元の低さを感じ、
何より、今、命の危機なく生活し、平和に生かして頂いていることに感謝の気持ちを抱かざるを得ません。
(突然武装勢力が襲ってきて手首を切られたり、殺されたり、家族がレイプされたり、
奴隷にさせられることはありませんからね)
また、私たちの平和が、世界の誰かの犠牲のために成り立ってはいけないということも考えさせられます。
そう思うと、今の自分の悩みなんて本当にちっぽけに思えてきますね。
もっともっと社会に目を向けて生きたい、今の状況に感謝して生きたい、
そう思った終戦記念日間近の夏の日でした。
人事コンサルタント
金森秀晃