「これから沢登りを始めたいけど何が必要なのか分からない」という方は多いのではないでしょうか?
沢登りの装備は計画している遡行の内容・人数・登攀の有無等によって様々です。
登山も同じ山に行く場合でもリュック・靴・服装・装備は人それぞれだと思います。
そのため、あくまでも参考としてご覧頂ければ幸いです。もちろんこれが正解ではありませんので軽〜くご覧頂ければと思います。
 
 

【バリエーションルート・クライミング経験がある方でこれから沢登りを始めたいと思っている方へ】

「真夏日や猛暑日で歩き主体の沢登り」でしたら普段のバリエーションルート装備・クライミング装備の他、沢靴のみの購入でもなんとかなる場合が多々ありますのでご一緒に山行するリーダーの方やガイドさんに相談されることをおすすめいたします。
※真夏日・・・気温30℃以上の日
※猛暑日・・・気温35℃以上の日
 

 

【沢登り装備の例】※バリエーションやアルパインとほとんど同じです。

ハーネス

ヘルメット

セルフビレイコード(コネクトアジャスト・PAS等)

ビレイデバイス

アッセンダー(タイブロック・ロールンロック等)

カラビナ5個

 ビレイデバイス用(HMS型)・・・1個

 セルフビレイコード用(HMS型・変形D型など)・・・1個

 アッセンダー用(オーバル型)・・・1個

 安全環付カラビナ・・・2個 ※コンテ・補助ロープなどで使用

スリング2本

 60cm・・・1本以上

 120cm・・・1本以上

ビレイグローブ

 

 

 

【沢靴】
沢靴は「渓流シューズ」とも呼ばれているトレッキングシューズタイプが主流です。
ソールは「フェルト」と「ラバー」があります。
※「沢たび」をあえて好んで使用している方もいます。
 

 
 
沢までのアプローチが長い場合や下山道が長い場合はこのように途中でアプローチシューズに履き替える場合もあります。
 

【リュック】

沢登り用のリュックもありますがほとんどの方は沢登り用のリュックは使用していません。沢登りではリュックが濡れたり汚れたりするのでポケットなどが少なくてシンプルなタイプのリュックを選ぶことをおすすめします。
私の場合は毎回、遡行後に丸洗いするので洗いやすいということも非常に重要な要素だと思っています。
「布っぽい素材」よりも「いかにもナイロン系って感じの素材」や「ビニールっぽい素材」の方が良いような気がします。
写真はパタゴニア「アセンジョニストパック30」※旧モデル
 
 
ハンマーを簡単にガッチリと取り付けられるようなタイプが使いやすいです。
 

 

【リュックの中はどうするの?濡れちゃうよね?】

沢登りをやったことのない方にとって最も疑問に思うことのひとつとしてあるのが「リュックの中身は濡れちゃうんじゃないの?」ってことだと思います。
そのため、リュックの中の持ち物が濡れないようにするためにモンベルの「ライトドライバッグ30L」に入れてからリュックに入れてます。
※10Lとか5Lぐらいの防水バッグを複数に小分けする方も結構います。
 
 
 
あくまでも好みになってしまいますが・・・
「一つの防水バッグにする方法」と「いくつかの防水バッグに小分けする方法」があると思います。
30L
 
 
 
5L
 
 
【リュックは水が抜けるように穴をあけた方がいいの?】
沢登りは「沢歩き」「滝の登攀」「泳ぎ」などいくつもの遡行スタイルがあります。そのため、穴をあけるかあけないかについては実際に沢登りを経験してから考えて見た方が良いと思います。リュックにもよりますが必ずしもあける必要はないと思います。
もし、実際に沢登りをしてみてリュックの中に水が溜まって使いづらいと感じた場合は穴をあけた方が良いと思います。
使用しているリュックや沢登りのスタイルにもよると思いますがちなみに私の場合は穴をあける必要性を感じてないのであけてません。
 
 
 
【レイヤリング】
レイヤリングは速乾性の高いものが必要です。沢登り用として販売しているものである必要はありません。ウォータースポーツ(サーフィン・水泳・プール・海水浴等)・釣り用品なども良いと思います。
 
 
【レイヤリングの例】
 ①登山用アンダーウェア(保温性のあるタイプ)※上下
 ②ラッシュガード(薄手)※上下
 ③ラッシュガード(厚手)※上下
 ④レインウェア※上
 その他、海パンまたは速乾性のあるパンツ
 
上記のように4枚の重ね着をおすすめします。真夏日の場合は①と②だけで良いと思います。レインウェアについては真夏日でも昼食休憩の時は肌寒く感じるのであると重宝します。
※泳ぎ主体の沢登りの場合はラッシュガードではなくウエットが必要です。
 
 
①登山用アンダーウェア(保温性のあるタイプ)は例えば下記のようなタイプのものです。
「水に濡れてしまうのに登山用アンダーウェアを着るの?」って思うかもしれませんが実際に来てみれば機能性と快適性を実感すると思います。
真夏の場合は半袖タイプでも良いと思いますが基本的には長袖(ロングスリーブ)をおすすめします。

 

 

ファイントラックの場合はこちらが良いと思います

真夏日や猛暑日の場合はドライレイヤーベーシックの方が良いと思いますがワンシーズンを通して考えるとドライレイヤーウォームが良いと思います。

 

 

 
モンベルの場合はこちらのタイプが良いと思います。
※女性用もあり
※タイツもあり

 

 
②ラッシュガード(薄手)※上下
③ラッシュガード(厚手)※上下
②と③のラッシュガードは沢登り用品である必要はありません。プール・海水浴用で可です。
どちらか1枚でももちろん良いのですが朝方は寒くて昼間は真夏日で30℃以上になるような時もあります。そのような時は重ね着をしておいた方がレイヤリングしやすいと思います。
 
 
②ラッシュガード(薄手)の例
 
 
③ラッシュガード(厚手)の例

 

 

 

モンベルの場合はこちらのタイプが良いと思います。
※タイツもあり

 

 
④のレインウェアは一般的な登山用のレインウェアです。滝の真下を通過するシャワークライミングの時はフード付きのレインウェアが役に立ちます。
 

 

【ソックス】

ソックスは基本的には厚み2.5mmぐらいのネオプレーンタイプ(クリマプレン・クロロプレンゴム)のものがおすすめです。
モンベルやキャラバン(渓流)などで販売されています。

 
 
【真夏日・猛暑日に適したソックス】
滝の登攀が多い時など足裏感覚を重視したい時はファイントラックやモンベルから発売されている薄手のソックスを使用しています。特に真夏日・猛暑日での遡行の時は非常に快適です。
※ファイントラック 「ラピッドラッシュソックス」
※モンベル「ライトネオプレンサワークライムソックス」
 
※注・・・気温と水温にもよりますが真夏日・猛暑日以外の時はネオプレーン系などの素材のものを強くおすすめします。このタイプのソックスは防寒性能は全くありません。
※ファイントラック・モンベル共にどちらも極薄なので耐久性はありません。10回ぐらい履くと親指のところに穴があく可能性大。同行者で新品購入後1回目で親指のところに穴があいた方もいます。そのため、長持ちするものとは思わないで使用することをおすすめします。

 

 

 

【スパッツ(ゲイター)】

靴の種類によっては砂・小砂利が靴の中に入ってしまうのでスパッツ(ゲイター)を付けることをおすすめします。また、保温・怪我の防止にも役立ちます。

※モンベルやキャラバン(渓流)で販売されています。


 

【グローブ】

私の場合はグローブは写真を撮ったりしやすいように指の部分はカットしています。
※ワークマングローブなども使用率高いです。

 

【ハーネス】

私は一般的なクライミングで使用しているハーネスを使用しています。※写真はペツルのコラックス
※登攀をあまりしない歩き主体の沢登り限定でしたら水切れの良さそうな超軽量モデルでも良いと思います。
 
 
ハーネスにギアラックを取り付けるとハンマーなどを取り付けるのに便利です。
※写真はペツルのキャリツールエボです。
 

 

 

 

 
 
【ハンマー】

ハーケン打ち・ハーケン抜き・急登の高巻き・草付き・泥壁・トラバースなどで使用します。

※沢登りを始めたばかりでハーケンを打つことはほとんどないと思いますが滝の高巻きでピッケル代わりにあると非常に便利です。

 

 

泳ぎ主体の沢登り「泳ぎ沢」についてはこちらのページをご覧いただければ幸いです。