小説「神田 直子/ようこそ!私の奇跡」第41話(金社長の妄想) | ひでおん

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2023年8月より、童話に続けて小説を投稿し始めました。
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適当によろしく~

神田直子(37)は中国出張からの帰国便で大事故に遭ってしまい、ひと月もの昏睡状態から奇跡の生還を果たすことが出来た。

 

目覚めた直子は高度な読心術と電撃能力を手に入れていた。

そして自身の体の中を出入りする宇宙人のバモスとテレサとのドタバタ生活が始まったのだ。

 

これは、愉快痛快! ポンコツ物語なのです。

 

 

 

「お母さん! その話は止めてよ! まだ倒産はしてませんから……それに、今ここに社長さんが来て下さっているのよ」直子は母を睨みつけ、耳元に返した。

 

「あと、これからの生活もあるし、出来れば慣れた仕事は続けたいと思うの……」

 

「まあ、まあ、正志の生命保険も入るだろう」(いっぱい出るのかな、もしかしたら億か!)

と義父。

 

「そうそう、航空事故の賠償金もあるだろ!」と父もお金の話を重ねた。

 

「そうよね、会社都合のままで失業保険もらって、ゆっくり考えなさいよ」と母がしつこかった。

 

 

 

「神田 直子/ようこそ!私の奇跡」

第41話 (金社長の妄想)

 

 

 

 骨上げを待ちながら故人を偲ぶ時間であるはずなのだが宇宙人がいる円卓は、そんな事はおかまいなしに、その奇妙なふたりを中心に話が盛り上がっていた。

 

それは友人の直子と親密な関係であると思える大きな白人が、ふたりとも丸刈り頭で日本語もある程度上手なのである。しかもスター並みの美男美女なのだから……皆が興味津々なのである。

 

 「そ、そうなの~ 直子のマンションに泊まっているのね!」とバモスの隣をしっかりと確保している桃香の声質は確実に甲高(かんだか)くなっている。

 

そして初対面の人は苦手であり、いつもは遠慮気味であるはずの彩も今回は積極的になっていた。

 

「あの~ お二人とも凄く日本語がお上手ですね、どこで習ったのかしら?」という彩の問に対して、たったコップ一杯だけど生まれて初めてビールを飲んだテレサが答えたのだが、

 

「それはよー、ナオコサンが毎朝見てるテレビだよー『田舎に行こう! みんなの農村』て番組で、少しずつ覚えたんだべさ」と、どこかの訛(なま)り言葉に戻っていたのだ。

 

「あははっ! それ私も見てる! テレサさんて、面白い人ね」

 

「彩さんてばあー、オラやっと話せるようになったんだがらあー、こっぱずかしいっよお。それと遠慮しねえで呼び捨てにしてくれよ」と彩の背中をパンパン叩いて調子ぶっこいている。

 

――じゃあ、そうするね。テレサ、何でふたりとも丸刈り頭なの? 軍隊の関係者かしら……それともミュージシャンとか?」

 

……オラたちは宇宙人だからだべよ! ナオコの体から出てきたら全身の毛が無くなるんだよ、つんつるてんよ」

と酔った勢いで本当の事を話してしまっているのだが、「あはははははは……」とその真実の言葉は誰もジョークにしか聞こえず、大笑いしている賑やかな席であった。

 

マスターの時田が連れてきたエルは火葬場に許可をもらいゲージに入れられて入室したが、今はバモスの膝の上に乗っていて満足そうな顔つきだ。

 

「そうかそうか、元気だったか!」とバモスの手から直接もらったロースハムを美味しそうに食べているのだった。

 

「こいつは結構、人見知りの犬なんだけどね……今日、会うのが始めてなのに、ものすごく嬉しそうだよなあ、まるで昔の友達にでも再会したみたいだな」とマスターは不思議に思った。

 

「バモス、テレサ! 日本のお料理はどうですか? あまり食が進んでいないみたいだけど」と桃香がふたりの重箱を覗いて言った。

 

「これ!すごく美味しかったなあ」とデザートで既に空になっている水羊羹(ようかん)のお皿を指差した。

 

「へー、羊羹好きなのね、私ので良かったら食べて」と桃香はバモスに差し出す。

 

「良いのですか!」 とバモスはぺろりと頂いたが、それを見ていたテレサが

「ずるいべよ、バモス! まずは王女様のワダスに差し出せよ」

 

「わかった、わかったわ、私のは王女様に献上しますからね」と彩が笑いながら自分のをテレサにあげたのだ。

ふたりの宇宙人の前には俺も私もと、隣のテーブル席からも水羊羹が差し出されていった。

 

――何か楽しそうに盛り上がってるみたいね」と、自分のビール・グラスに、きんぴら牛蒡が盛られた皿を持った直子は、各席へと順番に挨拶をしながら一番奥のバモスたちのところへやって来た。

 

「供養になるから、これも良かったら食べてくださいね」と金支社長の重箱に取り箸で少しのせ、

「社長、今日はわざわざ告別式から参列して頂きましてありがとうございます。お忙しいのに済みませんですね」

 

「ナ、ナオコさん、堅苦しい事はぬきあるよ。当然のことしてるだけあるね」

(これで、ナオコと結婚出来るかも知れないあるね……)

 

「いつでも良いから、落ち着いてから会社に出てくればいいあるよ。それと毎日出て来なくてもいいある」

 

「社長、あ、ありがとうございます」

金支店長は小さいグラスに入った冷酒を飲み干して直子を見つめる目はトロンとしている。

 

(喪服を着たナオコのうなじ……ものすごく綺麗ある……その帯をくるくると回してほどいてやるぞ~)

 

(し、社長、や、やめて、ください……)

 

(いいじゃまいか…… もう旦那のことは忘れるんだナオコ! 今からお前はわたしの物だぞ! ほれ~ くるくるだ)

 

(あ~れ~)

 

(ぐはははははは~)

 

(もう、酔ってるの……まあ、心の妄想なんだから今日は許してやるか……)

 

 

42話へ続く

 

 

 

主な「登場人物」

 

神田直子:物語の主人公 37歳

神田正志:直子の夫

バモス:アラヤダ星人

テレサ:アラヤダ星人、アラヤダ国の王女

雷神バァルナ:一時はアラヨ博士が捕まえたが、とてつもない神の力に太刀打ち出来ず、ただ遊ばれただけだった。現在は冥界で閻魔代理としてアルバイト中。

キャバクラの美穂:新宿歌舞伎町のキャバクラ『でんじゃらす学園』にいたキャバ嬢

女神アフローネ:雷神バァルナのお姉さん

 

その他、もろもろ

 

 

おまけのはなし

 

「植物栽培も難しい」

 

猫の額ほどスペースで家庭菜園を楽しんでいますが、

これ以外と難しいです

 

①桜

 

 

先日やっと芽が出た桜の苗 新緑の芽が出たが

……そのまま枯れました  ガビーン なんでよ!

 

悔しいのでメルカリで苗を手に入れたよ

 

 

しっかり、育ってます

愛知県から送ってくれた、染井吉野より少し遅く咲く種類だそうです

花が咲くのはいつのことか……

 

②赤松

 

青々とした苗を手に入れたのは3月ごろ

3本とも最近までしっかり育っていたのに

一本が枯れ

二本目も枯れた…… なんでよ(涙)

 

 

下のは一番小さい苗のが元気に育ってる

2年前から、しつこく拘ってますが

これで、6本くらい枯らしてます

 

最後の1本がもし枯れたら、もう諦めるしかないかな

 

③レモン

上のはレモンです

庭にアゲハが飛んでくるので

アゲハ用にもうひとつ増やしました

早く大きくなあれ

 

④ミニトマト アイコ

どんどん収穫中です

綺麗な色でしょ

 

20個くらい採れてたけど、すべてが真っ赤な良い色だよ

もちろん甘くて美味しいです

 

ちなみに去年のは

見たとおり、全然違いますよね

 

今年は苗に奮発して良かったよ

 

たかが200円高いだけで、満足してます

 

味と見た目と

 

あとね、実がなってパンパンになった時に外皮が割れないんですよ

(去年までは割れた)

 

 

 

おっと、巨大ひまわりの種まき忘れてたよ

 

 

作者からのお礼とお詫び

 

 

コメントありがとうございます。元気と執筆パワーを頂けます!

 

小説「神田 直子」は作者の怠慢から、いつ掲載出来るかわかりません。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

では、では 次回まで