小説「神田 直子/ようこそ!私の奇跡」第39話(赤いパンツの女、降臨) | ひでおん

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2023年8月より、童話に続けて小説を投稿し始めました。
他にも時事問題から、くいしんぼ、ドラマや映画や音楽、タクシー日記に趣味の話しなどアップしていきます。
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適当によろしく~

神田直子(37)は中国出張からの帰国便で大事故に遭ってしまい、ひと月もの昏睡状態から奇跡の生還を果たすことが出来た。

 

目覚めた直子は高度な読心術と電撃能力を手に入れていた。

そして自身の体の中を出入りする宇宙人のバモスとテレサとのドタバタ生活が始まったのだ。

 

これは、愉快痛快! ポンコツ物語なのです。

 

 

「そうだが、何か文句ある? 最初はマサピーからだ!」

 

……あんぐり」

 

「めちゃくちゃですよ! サイコロで決めるなんて」

(ぶん殴ってやりたい)

 

「いいから、早く振れ!」

(ちくしょー)

 

サイコロを無理やり手に握らされた正志は、もうどうでも良いか……と天を仰いだ。

するとバァルナ神の遥か後方から白い物体がもの凄い速さで飛んで来るのが見えたのだ。

 

 

 

「神田 直子/ようこそ!私の奇跡」

第39話 (赤いパンツの女、降臨)

 

 

得体の知れない小さな何かが、見る見るうちに近づいて来る。

 

バァルナ神の真後ろまで勢いよく飛んで来た時に、それが何かがようやく分かった! 白い色は全身を纏(まと)う着衣だ。

 

人だ! と気がついた直前にそれは向きを反転させた為、着衣が捲くれ上がり白い太ももと赤いパンツに素足の裏側が目の前に見えた。

 

「あ、危ない!」と大声をあげた正志はバァルナの後ろを指差しながら、美穂を押しのけて横へと飛んで逃れた。

 

「な、何だ?」と言う間もなく、バゴ――ンと音をたてバァルナの後頭部にもろに強い蹴りが入った。

 

「どっ! ぐわわわ――――!」と叫び声をあげたバァルナは正志の方へと転がってきた。

弾みでよろめいた為に持っていたサイコロを落としてしまった。

 

そして転がった、サイの目は地獄だった。

 

うわっ! と思わず声を上げて拾いあげると、それを見ていたバァルナは正志の目を見て、地獄だったなとニタリと笑ったのだ。

 

三人の前に立っていたのは細身の透き通るような肌をした美女だ。

 

きりりとしたアーモンド型の目をしている、きつね顔で、純白のノー・スリーブのワンピースを纏(まと)っている。褐色のロングヘアーを靡(なび)かせながら、倒れている正志と美穂のところへ近づき、見下ろしながら微笑んだ。

 

正志はどきっ、として驚いた(こんなに美しい女性を見たのは生まれて初めてだ……いや、もう死んでるけど…… まな板おっぱいも、良いなあ~)

 

ジロジロと見つめ、変な想像をしているのを見透かされたかと感じ、思わず目をそらすと、

女は口を開いた。

 

「正志に聖子(=美穂)……お前たちは、ここ(冥界)に来るべきではなかった」

 

「あ、ああ……、貴女はどちら様でしょうか? 来るべきでなかったとは?」 (赤いパンツが、モロに透けて見えるんだけどなあ……)

 

蹴られた後頭部を擦りながら「んっ――、なんだ、ねえちゃんか……また良いところで登場かよ」バァルナが言った。

 

「えっ! 姉ちゃんって?」思わず、正志と美穂は驚いた。

 

そう、この女は女神アフローナだった。ご存知のバァルナの姉である。

 

美人な顔立ちであるが、なぜか険しく困惑したような表情が見てとれる。

 

アフローナは正志の質問には答えずに、バァルナの耳をつかむと少し離れたところへ引っ張って行った。

「イテテテ……、な、なんだよ」

 

「あんた! 何やってるの! お前は本当にバカだ」

 

「だ、だってよ……」

 

「まずいでしょ――これ以上、面倒かけないでよ――じゃないと――」

 

そこまで聞こえたが、なんかすごく揉めているようだった。この二人は本当に神様なのか? そして兄弟なのか? なんて美穂と話をしていたら、ようやくこちらに戻ってきたのだ。 

 

 

そのころ、下界では――

 

棺に収監された正志の遺体は炉前室(遺体を焼く火葬炉の前の部屋)から、まさに火葬炉へと入っていった。

 

泣き崩れた直子に寄り添う、宇宙人のバモスとテレサ、そして両家の遺族関係者、加えて直子の親友である、桃香と彩もいる。

 

さらに行き付けの喫茶店のマスターの時田まで最後のお別れにと老犬のエルを連れて来てくれているのだ。

そして、直子の倒産間際の勤務先の、金大福支社長までも参列してくれている。

 

――それでは骨上げまで、およそ1時間ほどになりますので、それまでは控え室にてご休憩して下さいます様、お願い申し上げます」と、火葬炉の扉が閉められた。


 

 

40話へ続く

 

 

 

主な「登場人物」

 

神田直子:物語の主人公 37歳

神田正志:直子の夫

バモス:アラヤダ星人

テレサ:アラヤダ星人、アラヤダ国の王女

雷神バァルナ:一時はアラヨ博士が捕まえたが、とてつもない神の力に太刀打ち出来ず、ただ遊ばれただけだった。現在は冥界で閻魔代理としてアルバイト中。

キャバクラの美穂:新宿歌舞伎町のキャバクラ『でんじゃらす学園』にいたキャバ嬢

女神アフローネ:雷神バァルナのお姉さん

 

その他、もろもろ

 

 

おまけのはなし

 

「今年のミニトマト」

毎年、栽培しているミニトマト

今年は奮発して、一株280円ほどの苗をひとつだけ買いました

去年は一株80円だったかな

でも、いっぱい収穫できたけど

その名はアイコ

なぜ高いのにしたかというと

連作障害を避けたかった(同じプランターの土壌で育てるので)

今年は失敗したらと思えば、200円たかくても十分ですよね

 

そして初収穫

大きな、だ円の身が沢山、生ってきましたよ~

 

甘くて美味しかったよ! 大正解でした

 

こんなのです、枝豆との比較です

 

 

 

作者からのお礼とお詫び

 

コメントありがとうございます。元気と執筆パワーを頂けます!

 

小説「神田 直子」は作者の怠慢から、いつ掲載出来るかわかりません。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

では、では 次回まで