小説「神田 直子/ようこそ!私の奇跡」第38話(バァルナの審判) | ひでおん

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2023年8月より、童話に続けて小説を投稿し始めました。
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適当によろしく~

神田直子(37)は中国出張からの帰国便で大事故に遭ってしまい、ひと月もの昏睡状態から奇跡の生還を果たすことが出来た。

 

目覚めた直子は高度な読心術と電撃能力を手に入れていた。

そして自身の体の中を出入りする宇宙人のバモスとテレサとのドタバタ生活が始まったのだ。

 

これは、愉快痛快! ポンコツ物語なのです。

 

 

 

「さらにキャバクラで客からもらった、ロト宝くじが1000万近くの高額当選していた」

 

「ただ、幸運はそこまでだった」

 

「3日前に、田舎の畑のあぜ道を歩いていたら後ろから軽トラが近づいてきた。それに驚いて深い肥溜(こえだめ)に落ちて死んでしまったという事か……」

 

――今の時代、ど田舎でも肥溜めなんか無いでしょ! 近所の爺さんが昔ながらの耕作方法を変えたくなくて残してたんだからね! これって犯罪でしょ」

 

 

 

「神田 直子/ようこそ!私の奇跡」

第38話 (バァルナの審判)

 

 

 

「こ、肥溜めに落ちて、死んだのか! そ、それは悲惨だ。臭かったろうて……」

 

――そうなのよ、顔から真っ逆さまに落ちてそのまま沈み込んでいったの。一瞬だけ、ぎゃ汚いと思ったけど、匂いなんてまるで分からなくて早く出なきゃと思ったけど、もがいても、もがくだけズブズブとゆっくりと頭から潜っていったの、まるで底なし沼のようにね。そして未だ捜索は続いていて発見されずに遺体は肥溜めの底にあると思うわ。私がここに来る前までは……」

 

……それは酷い死に方だなー」

 

「遺体から離れて下界から浮き上がる時に草むらばかり捜索している多くの人たちがいたのよ、そこじゃないでしょ!て上空から言ったのだけど、誰も肥溜めなんて気にも止めないのよ。臭い物には蓋をすると言った感じで……、だけど捜索してる一人が言ったのよ」

 

[班長、ここは探さないのですか?]

 

[そこはやらなくていいだろう、えらい臭いだろ。それともお前がやるかい]

 

[い、いえ、無理です……]

 

「と、そんな会話をしてた。それで、誰も言わなくなったのよ」

 

「それは、酷い! 可哀想すぎるでしょ! ねえ神様、閻魔様、仏様!」と正志が眉をひそめて訴えた。

 

「うーむっ、そうだなあ、仏はお前たちだが」

 

「そ、それで、私はこれから何処へ行くのですか? て、天国ですよね?」

 

「まあ、待て……、次はマサピーお前だ!」

 

「はあ~」(何で、こいつに審判されないといけないんだよ)

 

「本名は神田正志だな。享年38歳と5ヶ月か――」

 

「まあ、そうなるのかな」

 

「ひとつ年下に直子という妻がいるんだな」

 

「はあ、いたと言うか」(ナフタリン野郎め」

 

「えっ、奥さんがいたの! 独身だと言ってたわよね。男は皆そうなのね!」

 

「死んだきっかけは、その妻、直子の口から出てきた宇宙人に驚いて気絶したのか」

 

「えっ宇宙人? そうか思い出したぞ、直子から人の頭が出てきたんだ」

 

「そうだ、お前の妻の体の中を出入りする、アラヤダ星人だ」

 

「何だって! 宇宙人のアラヤダ…… 何じゃそりゃ? 出入りするって意味が分からないよ?」

正志はバァルナ神より、バモスとテレサの事を教えてもらった。

 

――わ、分かりましたけど、いまさら知っても、どうでも良いというか……意味がないと思いますけど」

(そうか、葬儀場にいた、デカイ外人のような男と女が宇宙人なのか)

 

「そのまま、過度なストレスが溜まっていた為に、二度と目覚めることが出来なかったんだな。お前はもう死んでも良い、いやどちらかと言えば死にたいという気持ちを持っていたからな」

 

……」

 

「すなわち、お前は以前から風俗店通い、パチスロ通いに、のめり込んでいた。そして妻が航空機事故で入院してしまった事をきっかけに、その悪癖が加速した様に続き、ついに夫婦で蓄えた僅かな貯金を使い果たした。そして挙句の果てには超短期返済の悪徳なサラ金に手を出してしまったのか!」

 

「うぐぐ」

 

「会社の重要な仕事にミスを連発、借金も勤務先に知られてしまったからクビ宣告に近い叱責(しっせき)を受けたのだな」

 

「あわわわ」

 

「よし! 審判を下すぞ! マサピーに美穂! これを振るんだ!」

と言ってバァルナ神が取り出した物を見た、ふたりは目が点になった。

 

――何ですか? これは?」

 

「人間界に普通にあるだろ、知らないのか?」

バァルナ神が差し出したのは、なんとサイコロであった。6面に天国と地獄が半分ずつ書かれている。

 

「これで、決めるんですか!」(完全に馬鹿にしてるよ、こいつ本当に神なのかよ)

 

「そうだが、何か文句ある? 最初はマサピーからだ!」

 

……あんぐり」

 

「めちゃくちゃですよ! サイコロで決めるなんて」

(ぶん殴ってやりたい)

 

「いいから、早く振れ!」

(ちくしょー)

 

サイコロを無理やり手に握らされた正志は、もうどうでも良いか……と天を仰いだ。

するとバァルナ神の遥か後方から白い物体がもの凄い速さで飛んで来るのが見えたのだ。

 

 

 

39話へ続く

 

 

 

主な「登場人物」

 

神田直子:物語の主人公 37歳

神田正志:直子の夫

バモス:アラヤダ星人

テレサ:アラヤダ星人、アラヤダ国の王女

雷神バァルナ:一時はアラヨ博士が捕まえたが、とてつもない神の力に太刀打ち出来ず、ただ遊ばれただけだった。現在は冥界で閻魔代理としてアルバイト中。

キャバクラの美穂:新宿歌舞伎町のキャバクラ『でんじゃらす学園』にいたキャバ嬢

 

 

 

おまけのはなし

 

「激安!服のタカハシ」

 

 

大和市つきみ野にある、生鮮市場「角上魚類」に良く、お刺身やにぎり寿司なんかを買いに行くんだけど

その2階のフロアに100均「Seria」と服「タカハシ」がある

 

今日はその洋服屋「タカハシ」さんのこと

 

大分暑い日が続くんで、家着にショートパンツを探したんだけど

 

これが激安!

 

下のハーフドライパンツ

 

699円! 結構、品物良い感じですよ

 

 

そして、夏用の靴下が

 

 

なんとー!

 

 

ぜったいお得

と書いてあった

 

お店中の品物が激安です!

庶民の味方、洋服屋「タカハシ」さんでした

 

 

作者からのお礼

 

コメントありがとうございます。元気と執筆パワーを頂けます!

 

次回もお楽しみくださいね。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

では、また来週