私は仕事上、ふだんから怒っていること不満に思っていることがあります(写真は「ねぶた」です…)。

 

 

それは「算数講師に比べて、良い国語講師が少ない」ことです。

圧倒的に少ない気がします。

 

もしかすると、私の敬愛するF先生(茶クマくん先生)は「算数だって少ないぞ!」とおっしゃるかもしれませんが。

 

国語の講師というと、野球ではキャッチャー、サッカーならディフェンダー、ロックバンドではベーシストっていうイメージです(うまく伝わりますか?)。

花形ではないけれども、土台となるもの。

地味だけど、実は大事なんですウインク

 

まぁ、世の中に良い国語講師が少ないからこそ、私のような個人事業主が何とか食べていけるのですが。

塾業界って、大手が有利とは限らない数少ない業種ですので、それはそれでおもしろい世界といえます。

 

で、保護者の方とお話ししていても、たいてい同じような内容のご相談をされることが多いです。

あれ、前にも別の方から聞いた話だぞ」みたいなデジャヴ感を味わうことがあるのです。

 

ならば、「ダメな国語講師の見抜き方」を世間に周知させれば、少しは現状が改善されるのではないかと考えたわけです。

 

え?余計なお世話ですか? 

 

そうかもしれませんが、本ブログをお読みいただいている方の一助になればとウインク

 

いつもながら、基本的には私の独断と偏見によるものです。

「何を~!」とカチンときても、そこは一つ、ご容赦いただければ幸いです。

 

以下の項目に当てはまる国語講師は要注意です。

すべて実話に基づくノンフィクションです。

 

□ 読書をすすめてくる
最近はさすがに減ってきたと思いますが、私の学生の頃は

 

「国語ができないの? そんじゃあ、キミ、本を読みたまえ」

 

という流れは半ば常識でした。

 

「太陽が地球の周りを回っているに決まっているだろ」という感じで。

 

読書が「たまたま」国語力に良い影響をもたらすこともありますが、それは映画だって日常会話だって、マンガですら起こりえます(「ちびまる子ちゃん」とか「サザエさん」、「ジブリ作品」などは勉強になることも多いです)。

 

すなわち、日本語に触れてているということは、語彙力を高める可能性はあるわけですね。

 

何度も言うようですが、読書は一流の娯楽なのです。

「読書を勉強に役立てよう!」だなんてせこい考え方は、金輪際やめた方がよいでしょう。

 

 

ちなみに、中学入試によく出る作家の作品を「無理矢理」強制するのも百害あって一利なしです。これは愚の骨頂です。

 

子どもが続きを読みたがったときに読ませましょう

(たまにそう言ってくる子がいますが、そのときは少し嬉しくなります)。

□ 天声人語などの音読や要約をすすめる
これも、どちらかというと年輩の講師がやりがちな指導法です。

正直に告白すると、実は私も試みたこともあります(二十代の頃)。

 

天声人語などは新聞の読み物なので、その時代性が色濃く反映されます。また、小学生には難解で不適切な内容も含まれることがあります。

 

だから中学受験の国語の勉強には不向きなのです。

 

「天声人語を書写し音読して、国語力がついた」というと、なんだかかっこいい感じがしませんか?(私だけかなぁ…) 

英語のテスト、たとえば「TOEICの問題集をやらずCNNを聞いてテストで高得点をとった!」みたいな。

 

でもTOEICで短期間でハイスコアを出したいのなら良質の問題集をやったほうが近道だと私は思うのです(ただし、本当に英語力のある人は対策をしないでも、ハイスコアがとれます)。

□ 国語の方法論(指導法)を聞かれても即答できない
ふだんから生徒にどのように教えようかと悩み考えている講師は、すぐに方法論が口から出るはずです。

 

質問する際には具体的なものがよいでしょう。

例) 要約型記述はどうやって教えますか?

   記号選択問題はどうやって教えますか? etc…

 

方法論がすぐに言えない講師を目にされたら、是非、拙著「文章読解の鉄則」をおすすめしてください照れ

□ 他教科を勉強するようにすすめてくる
信じられないかもしれませんが、かつて勤めていた塾でこういうことがありました。

 

「国語はそんなに勉強しなくてもいいんだよねぇ。そんな時間があったら、算数をやりなよ」

 

国語講師がそれを言っては、いや、心の中で思っても、おしまいでしょう。その方には、心の底から「国語講師を引退して欲しい」と念じたものでした…。

□ 知識事項を固めるようにすすめてくる
中学受験の国語の知識とは、漢字や慣用句、ことわざ、四字熟語、文法などです。これらは努力すれば、ある程度とれるようになります。

ですから、しっかりと固めることはもちろん大切なことです。

 

でも、やる気になれば、自学自習できます(やる気のない子に覚えさせるのは楽ではありませんが)。

知識事項の習得のみなら、わざわざお金を払って塾に通う意味がなくなりますよね。

□ 分からないところは質問するようにすすめてくる
これは集団授業の塾のケースです。

「分からないところを質問する」というのは、理にかなっているようで、「え? 何がいけないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

集団授業は確かに個別指導に比べて教えづらい点があることは否めません。でも、分からないところがないように努めるのが、講師の仕事です。「はじめから質問ありき」の姿勢では心もとないです。

 

ちなみに、集団塾でしっかりと質問してくるのは結構大変です。

大人が想像するよりも。

 

まず、質問するのに行列ができてしまうこと。

その間の待っている時間も無駄です。

 

そして、お子さんが引っ込み思案の性格だと、質問できずに帰ってくるのもよくあることです。

 

「今日、質問はちゃんとできたの?」

「うん…。したよ…」➡ウソ

 

こうならないように気をつけましょう。

 

□ やたらと宿題の量が多い
これも大手集団塾では起こりがちです。

 

たとえば、6年生なら夏期講習期間や入試直前期に、過去問などを大量に宿題として出し、提出させます

 

そもそも、受験しない中学の過去問を、やみくもにやらせる意味って、あまりありません。過去問は学力をつける目的で作られたものではないからです。

 

塾側の意図としては、大量に問題を解かせることで、「自発的に」問題パターンをつかめればよいというものがあってのことでしょう。

 

ところが、このやり方では「国語が苦手な子」はさらに抵抗感が増すだけです。

 

国語の学習は「量より質」を目指すべきです。

 

□ 独自の読み方を押し通して誤読する
かつて、豊島岡女子の過去問をベースとした読解問題を、授業で扱っていたときのこと。

※豊島岡の過去問は記号選択中心で難解な問題ですが、豊島岡志望者でなくてもやらせる価値があると私は思います。


「あれ? この解答、何か変だぞ…」ということがありました。

 

その教材は他のクラスでも使用していた「共通教材」だったのです。

他のクラスの先生が勝手に解答を変えていたのですね。

 

この方、大ベテランの先生でした(講師歴30年以上!)。

私に一言相談してくれれば良かったのに…。

しょうもないプライドがあったのかしら。

 

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、豊島岡は学校が模範解答を公表しています

声の教育社、東京学参、みくに出版(日能研)の解答が全く同じなのは、そのためです。

 

記号選択問題でも、きわどい問題は過去問題集によって解答が割れることがあります。「これってどうなの?」という気もしますが。

 

記号選択中心の聖光学院と比較すればよく分かります。

聖光は学校解答を発表していませんので(正確に言うと、HPの解説で少しだけ発表しています)。

 

「学校解答がすべて正しい読み方だ」とは申しません。

私だって「あれ?」と思うこともなくはありません。

でも、問題作成者の意図はくむべきです。

少なくとも入試現場では、それで採点されているのですから。

 

ベテラン講師で自分の教務力を過信している人は「自分の読み方のみが絶対的に正しい」と思いこんでいることがあるので、要注意です。

 

ちなみに、先ほど挙げた先生ですが、他でもこういった事例はいくつもありました。「一事が万事」です。

□ 精神年齢を引き合いに出す
「○○くんは考え方が幼いんですよね」とはよくある話。

 

で、肝心の対策は? 

 

相手は小学生ですから、常識がないのは百も承知です。

「それを教えていくのが、国語講師の仕事でしょう」と言いたくなります。

 

ちなみに「うちの子、中学受験をするには幼すぎるんでしょうか?」というご相談も同様です。

 

中学受験をする子がみんな芦田愛菜ちゃんみたいに物分かりの良い子だったら、それはそれで恐ろしいです(愛菜ちゃんをディスっているわけではありませんよ)。

 

精神年齢が幼くても、勉強のほうでカバーすれば中学受験も何とかなります。

□ 「いずれできるようになる」と言う
信じられないかもしれませんが、わりと言われることがあるようです。

 

「いずれ」っていつなのよ?(保護者の方の心の声) 

 

中学受験が終わってからかもしれないでしょう。そんな言葉で「あ、そうですか。安心しました」ってならないでしょう!

□ 語彙力のなさを家庭環境のせいにする
塾に通いはじめたばかりの頃(小4あたり)は、生徒の語彙力に差があるのは事実です。

そして、語彙力の高い子が高得点をとることが多いです。

 

でも、語彙だって勉強していけば良いのです。

 

たとえば、帰国子女で英語が母国語のような子でも、努力次第では、日本で育った子よりも高い国語力(日本語力)を身につけることはできます。つまりは、勉強に対する意識の問題です。

 

私は「プラスの危機感」と呼んでいます。

□ 受験学年の後半なのに、音読をすすめる

最後に、音読について。

 

音読は文字認識の速度を上げる効果があります。

現在の受験国語で文字認識の速度は軽視できません。

 

入試問題では本文の合計文字数が平均7000~8000字くらいあります。もっと多いところもあります。

 

音読は小5の終わりまでは頑張って続けて欲しいと私は考えています。モノにもよりますが、現在扱っている塾の教材を「1分間に400~500字」読めるように訓練しましょう。

 

小6になると、他教科もたくさん課題が出るので、音読の時間がなかなかとれなくなります。ましてや、受験直前期に音読をするのは遠回りすぎます。ですから、音読は6年までにしっかりとしておきましょう

 

以上、自分の思う「ダメな国語講師の見抜き方」でした。

いつものことですが、言いたいことを言ってスミマセン…。

そして、モデルになってくれた先生方、ありがとうございました!ニヤリ

 

 

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