「私の身体、まだまだいける。」
― 私がピラティスを続けている理由 ―
私は、ピラティスの素晴らしさをきれいな言葉で伝えたいわけではありません。
むしろ私は、ずっと自分の身体がよくわからない人でした。
運動は長くやってきました。
身体を動かすことも得意な方だったと思います。
でも、なぜかうまくいかない。
なんかギクシャクする。
身体を痛めることもある。
「なんで?」
ずっと、そんな感じでした。
運動指導を仕事にしているのに、自分の身体のことがわからない。
それが、私の中にはずっとありました。
ピラティスをすると、「なぜ?」のヒントが見つかった
ピラティスに出会ったからといって、急に全部わかったわけではありません。
今だって、わからないことはたくさんあります。
でも、ピラティスをすると、
「ああ、ここだったのかもしれない」
「私はここを動かさずに、こっちで頑張っていたんだ」
「こうすると、こんなに違うんだ」
ということがある。
それが面白かったし、今もとても面白いです。
そして、少しずつ自分の身体がわかってくると、
身体って、まだ変わるんだ。
と思うようになりました。
できないと思っていたことができる。
苦手だった動きが少し楽になる。
今まで感じなかったところがわかる。
そのたびに、
「私、まだまだいけるやん」
と思うんです(笑)
これは、私にとって結構大きなことでした。
だから、お客様にも「正解」を押しつけたくない
長く指導していると、
「この姿勢だから、このエクササイズ」
「ここが弱いから、ここを鍛える」
そんなふうに簡単にはいかないことを、嫌というほど経験します。
人の身体は、本当に一人ひとり違います。
同じ人だって、昨日と今日で違います。
だから私はレッスン中、結構考えています。
この人は、なぜこう動くんだろう。
ここを直すより、違うところを動かした方がいいんじゃないか。
このエクササイズじゃない方がいいかもしれない。
やってみる。
見る。
「あれ?違うな」と思ったら変える。
また見る。
そんなことの繰り返しです。
私は、それがピラティスの指導だと思っています。
私は、お客様を「変えてあげる」人ではない
以前、このことを考えていたとき、自分の指導に一番近い言葉は何だろうと思いました。
出てきたのが、
「エスコート」
でした。
私が全部やってあげるわけではない。
正しいところへ無理やり連れていくわけでもない。
少し先に立つこともあるし、横についていることもある。
必要なときには手を出す。
でも、自分でできそうなら待つ。
小さな子どもが、ちょっと怖い滑り台を滑ろうとしているときに、横で見ている感じです。
危なければ手を出す。
でも、できるのなら自分でやってもらう。
だって、動くのは本人だから。
私は「きれいな形」を作りたいわけではない
もちろん、ピラティスには基本があります。
形を学ぶことも大切です。
私自身、今でも学び続けています。
でも、形をきれいにすることだけが目的になってしまったら、私は少し違うと思っています。
大切なのは、
なぜ、この動きをするのか。
そして、
この人に、この動きが何をもたらすのか。
だと思うからです。
だから私は、一つの部分だけではなく、全体を見ます。
動きも見る。
安定しているかも見る。
呼吸も見る。
そして、表情も見ています。
すごく頑張っている顔をしていたら、
「これ、本当に今この人に必要なのかな」
と思うこともあります。
「変化」は、大きなものだけじゃない
姿勢が変わった。
できなかったことができた。
身体が楽になった。
もちろん、嬉しいです。
でも、
「あれ?さっきと違う」
という一言も、私はすごく嬉しい。
なぜなら、それはその人が自分の身体に気づいた瞬間だからです。
昨日と違う。
いつもと違う。
今まで知らなかった感覚がある。
それだけでも、身体との付き合い方は変わっていくと思っています。
結局、私は今も「ピラティスって何だろう」と考えている
長くピラティスをしていても、
「これがピラティスです」
と簡単には言えません。
むしろ、学べば学ぶほど考えます。
ピラティスって、何なんだろう。
なぜ、このエクササイズなのか。
なぜ、この器具なのか。
なぜ、この順番なのか。
そして、目の前の人にどう使えばいいのか。
私は、その答えをずっと探しているのだと思います。
だから勉強するし、いろいろな先生から学びます。
でも、新しい知識を集めたいからだけではありません。
目の前にいる人に、もっと何かできるんじゃないか。
それが知りたいからです。
私がピラティスをしていて、本当によかったと思うこと
結局、私自身がピラティスからもらった一番大きなものは、
「身体って、まだ変わるんだ」
という実感だったのだと思います。
年齢を重ねても。
苦手なことがあっても。
身体に癖があっても。
全部が思い通りになるわけではありません。
でも、
自分の身体を知ることはできる。
そして、今より少し違う使い方を見つけることもできる。
私はそれが嬉しかった。
だから、お客様にもそれを感じてもらいたい。
「私の身体ってダメだな」ではなく、
「あれ?私の身体、まだまだいけるかも」
と思って帰ってもらえたら。
私は、それでいい。
たぶん、それが私が今もピラティスを続けている理由であり、この仕事をしている理由なのだと思います。
※9/13(日)に、株式会社メッツさんの「PILATESnavi」でオンラインWSを担当します。
今回は『PILATES BASICS』をもとに、実際に身体を動かしながら、**「エクササイズをどう見て、どう考え、どう指導するか」**をお伝えします。
私が長年ジリアン・ヘッセルから直接学んできたことも、たくさん詰め込んだ内容です。
資格を取ったばかりの方はもちろん、すでに指導されている方にも、基本を深く見直す機会になればと思っています。
今後もPILATESnaviでは、インストラクター向けの学びのWSが開催される予定です。
【9/13(日)10:00〜12:00/オンライン】
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