体が変わる人、変わらない人の違い
~ピラティスインストラクターが知っておきたい本当の理由~
「同じようにレッスンを受けているのに、なぜあの人は変わるのだろう?」
インストラクターをしていると、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
週に1回通っていても大きく変化する人もいれば、長く続けていても思うような変化が見られない人もいます。
もちろん年齢や既往歴、運動経験などの要因もあります。
しかし、長年指導していて感じるのは、
体が変わる人と変わらない人の違いは、身体能力よりも「向き合い方」にある
ということです。
変わる人は「自分の体に興味がある」
変化する人は、自分の体をよく観察しています。
「今日は右の股関節が動きにくい」
「呼吸が浅い気がする」
「昨日歩き過ぎたから腰が重い」
そんな小さな変化に気づきます。
そして、その状態を良い悪いで判断するのではなく、
「なぜだろう?」
と考えます。
ピラティスは単なるエクササイズではありません。
自分自身を観察し、理解し、コントロールしていく学習のプロセスです。
Joseph Pilatesも著書『Return to Life Through Contrology』の中で、
エクササイズの目的に心を完全に集中させること
の重要性を語っています。
ただ回数をこなすのではなく、自分の体で何が起きているのかを感じることが大切なのです。
変わらない人は「正解を外に求める」
一方で、変化しにくい人には共通点があります。
「先生、これで合っていますか?」
「どのエクササイズをしたら痩せますか?」
「何回やれば良くなりますか?」
もちろん質問することは悪いことではありません。
しかし、
自分で感じる前に答えを求めてしまう
のです。
インストラクターが正解を与え続けると、クライアントは受け身になります。
ピラティスの本質は、
「やってもらう」
ではなく、
「自分でコントロールする」
ことです。
変わる人は結果よりプロセスを見る
体が変わる人は、
「痩せたい」
「姿勢を良くしたい」
という目標を持ちながらも、
その過程に目を向けています。
今日は呼吸が入りやすかった。
今日は肩に力が入らなかった。
今日は骨盤の位置が分かった。
そんな小さな成功を積み重ねています。
反対に、
体重が減らない
見た目が変わらない
という結果だけを追う人は途中で焦り始めます。
体の学習はそんなに早く起こりません。
神経系が新しい動きを覚え、筋肉が協調し、姿勢が変わるには時間が必要です。
インストラクターが見るべきもの
私たちはつい、
可動域が増えた
姿勢が整った
エクササイズが上手になった
という変化に目を向けがちです。
しかし本当に見るべきなのは、
その人の意識が変わったかどうか
です。
自分の体に関心を持てるようになったか。
自分で考えられるようになったか。
自分の体を人任せにしなくなったか。
ここが変わると、その後の身体変化は加速します。
ピラティスは「自分を取り戻す作業」
現代は便利になり過ぎています。
体調が悪ければ薬。
肩が凝ればマッサージ。
不調があれば誰かに何とかしてもらう。
しかしピラティスは違います。
自分の体を感じ、
理解し、
コントロールし、
責任を持つ。
その積み重ねによって、本来持っている機能を取り戻していきます。
だからこそ、
体が変わる人とは、
「エクササイズが上手な人」ではなく、
自分自身と向き合うことをやめない人
なのだと思います。
私たちインストラクターの役割は、体を変えてあげることではありません。
クライアントが自分の体を理解し、自ら変化できるよう導くこと。
それこそが、ピラティス指導の本質ではないでしょうか。

