ベテラン登用が吉と出るか?(眞鍋JAPAN) | 福永英樹ブログ

福永英樹ブログ

歴史(戦国・江戸時代)とスポーツに関する記事を投稿しています

 現在米国カリフォルニア州アナハイムで強化合宿中(米国代表との練習試合含む)の日本代表女子チームですが、登録メンバーが発表された時に当ブログでも少しふれましたが、ベテラン勢の例年以上の積極的登用が目立ちます。当然ながらこうするにはそれなりの根拠があるはずで、私は昨秋のパリ五輪予選(ワールドカップ)の20点以降のセット終盤でレセプションが大崩れし、また攻撃も消極的になってしまったことが監督の頭に強く残ったからだと想像しています。つまり技術的なものを含めた勝負弱さが露呈したからではないでしょうか?


 まずはパリ五輪予選ブラジル戦の第5セット最終盤で相手サーブにあっけなく崩されてしまったリベロ西村・福留とサイド林です。2022年のVNLに出場した33歳の山岸と29歳の小島を呼び戻し、西村を薩摩川内市合宿の前に早くもチームから離脱させました。定位置ではレセプションに安定感があっても、サーブを受ける範囲に難があるからだと思われます。またディグが抜群の小島が直近のVリーグで苦手だったレセプションを大幅に改善してきた努力も、眞鍋さんは見逃さなかったようです。こうなると2年続けて国際大会でスタメンをはってきた福留も安泰ではありません。特に彼女は直近のVリーグでレセプション成功率がベスト10以下の体たらくでしたから、一人でポジションを担わなければならない五輪リベロに選ばれるには、これを克服することが必須です。個人的には眞鍋さんがそのコミュニケーション能力を高く評価している小島が五輪選手に相応しいと感じています。

 次に今やチームの中核である林ですが、彼女はインタビューで自らの勝負強さを追及していきたいと言及しています。裏を返せばそれが不足していることを認めているわけで、私はトルコ戦の勝負所でレセプションが崩されたことを言っているのだと思います。そこでスタメン争いの対抗馬として現れたのが、2年間日本代表から離れていた黒後です。東京五輪では黒後がスタメンで林はリザーブでしたから、経験値では互角ともいえます。黒後がどこまで復調しているかはVNLを視てみないと何とも言えませんが、林の刺激(プラス面の)になっていることは間違いないと思います。特にVリーグ決勝直前の足首負傷で林は出遅れましたから、この逆境を克服することが勝負強さに繋がれば災い転じて福となすです。

 最後に35歳になったセッター岩崎です。日本代表の大きな大会でスタメンセッターとしてトスを上げたのは2017年のグラチャンだけですが、セッターは経験を積めば積むほどり技量が上がるといいますし、何より『幼いお子さんと長期間離れてでもチャレンジしたい』という強い意気込みを眞鍋さんは買っているのだと思います。若い中川つかさを早々に離脱させ、岩崎を松井との勝負に挑ませたのです。スタメンはおそらく関だと予想していますが、眞鍋さんのことですから岩崎スタメン正セッターもあるかもしれません(冷汗) 


 何はともあれ勝利のためのベストの布陣を優れたバランス感覚で冷静に決めていくのが眞鍋監督だと思いますので、我々ファンは信じて待つしかありません。『勝つために、選ばれるために決して諦めない執念をもった選手・・』。最後はそんな人が12人の最終五輪メンバーに残るような気がします。