大園継基(おおぞのひでき)のショーミのハナシ -6ページ目

出会い・・・2

いきなりですが、ボクが使っている和バサミ(糸切りハサミ)

とにかく異様なほど切れます!

通常は糸を切るとき、「チョキン!」って音がするイメージですけど

ボクの和ばさみは「・・・無音!」しかも手に切った感触さえ無い・・・!

 

なぜそんなに切れるのか?

刀と同じ技術で作られているんです!(写真参照)

 

 

かなりざっくりとしかわかりませんが

一般的な和バサミは、2種類の鉄を溶接して作るのですが

ボクのは軟鉄と鋼を鍛造、つまり叩いて(鍛えて)一つにする

いわゆる「手打ち」なんです!

 

出会いは、いつもお世話になってるハサミ製作所さんに

ネットで和バサミの追加注文をいれたんですが

社長さんから電話がかかってきました・・・

 

なんか間違った?なんか怒らせた?

と、ちょっとビビりながら出ると

 

社長「今回の注文の和バサミ、お勧めのがあって

   電話させてもらったんです・・・」と!

 

ボク「いつも使ってるのがよく切れて気に入ってるんですが・・・」

 

社長「実は引退した一人の職人がいるんですが、

   その腕が惜しく、説得して復帰させたんですよ

   まだ若いですし!」

 

ボク「若手かぁ〜、熟練の職人さんの方が良いですが・・・」

 

社長「まだまだ若い75歳!」

 

ボク「・・・超ベテランですやん!」

 

 

と、こんな感じで手打ち和バサミを購入することになったんです。

 

その後届いた和バサミは、先に書いたような切れ味で

手放せなくなり、もう一つ購入するほどのお気に入りとなりました。

 

ですが、社長とのやりとりで「若手」という言葉がどうも気になったんで

詳しく聞かせていただけないかと、連絡したんです。

 

すると社長の息子さん(ラシャばさみ職人)からお電話をいただき

播州の手打ち和バサミ職人の現状を聞かせていただきました。

 

何と、現在3人の職人さんしかいないそうで

1番ベテラン方が80代半ば、で2番手の方が75歳で

最近40代の方が業界に入られたそうなんです。

 

ラシャばさみ(裁ちばさみ)が幕末に洋服と共に伝わってくるまでは

大型の和バサミで生地も切っていたそうですが

ラシャバサミの普及と溶接技術の進歩などで

手打ち和バサミと職人の激減につながったと考えられます。

 

 

こんな素晴らしい日本の技術を、後世に伝えてほしいと願うばかりです!

 

 

ボクの独自技術マジックウォッシュ(手作業ユーズド加工)職人はボク1人・・・

あと何年できるかわかりませんが、身体の限界までやるつもりです!!

 

 

 

大園継基

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出会い・・・

何事かを始める時、

ボクはいつもカッコから入ってしまう。

といっても、有名ブランドや高額なものを

求めるわけではなく

自分が納得できるもの、気にいるもの、

それは形だったり、色だったり・・・

 

そんなボクは、最近料理を始めたいと思い始めました。

案の定包丁が欲しくなったんですが

仕事道具以外で面倒な手入れはしたく無いんで、

ステンレス!左利きなんで両刃!

この2つに絞って探すことにしました。

 

とりあえず動画やネットで色々調べて

方向性を決めようと思ってた矢先

アウトドア用のナイフで心惹かれる1本が出てきました。

 

実物見てないけど・・・ええわ!買ってまえ!

勢いだけで購入・・・!

 

 

程なく使う機会が訪れました。

ヨメさんが用事で夕方遅くなるから晩御飯が作れない…ということで

ボクの大好物のチキンステーキを作ってみるわ、ってことになりました。

 

どうせなら美味しく作りたいんで、ユーチューブでいろんな動画を見て、

スジの取り方など学びました。

 

さぁいよいよ初めてのマイナイフの出番です!

 

いざ、使ってみると・・・

 

なっ、なんじゃこりゃー!!

全く切れません!

全くです!

 

ヨメさんの包丁借りる…?

いやぁ、マイナイフで乗り切る…!

 

そんな葛藤の中、最後までナイフを使いましたが

スジを手でむしり取った感じでした…

あれだけユーチューブ見てイメージしたのに〜

 

これが現実かとへこんでたら

追い討ちをかけるように

チキンがフライパンに引っ付き

ニンニクは生煮えで…

 

それでもヨメさんは

美味しいっていってくれたけど・・・

 

実物を見ずに買ったことに後悔しつつも

研ぎ専門の職人さんに研いでもらおうと思い

数日後、堺伝統産業会館へ足を運びました。

 

包丁作りの町ならではのお店で

堺打ち刃物が所狭しと飾られてる

プロの料理人さんや道具にこだわる方にとっては宝箱!

 

研ぎだけお願いして帰ろうと思ったんですが

せっかくなんで一流の包丁を見てみようと店内を散策…

 

もちろん、見るだけ!

 

どれもこれも切れ味が良さそう…

っていうか、すごい存在感!

そんな中で一本の包丁に目が止まったんです!

その刻まれた銘に見覚えがある気がして

記憶をたどると、一度お会いしたことのある職人さんの物でした!

 

ガラス越しにじーっと眺めてたんですが

見れば見るほどその包丁から目が離れず・・・

すぐ近くにお店の方がいらっしゃったんで

素材と何刃か尋ねたんです。

 

すると、「ステンレスの両刃です」と言いながら

ショウケースから出してくださいました。

 

「あかん!これ手に取ったら・・・やばい!」

とか思いながらも手は勝手に包丁へと伸びていき・・・

 

持った瞬間、分かった!・・・(ような気がするだけかも)

 

切れる包丁って、見た目はもちろんですが

持った時にしっとり手に馴染むというか

持ち手から刃先までの重量バランスが良いというか・・・

 

結局、ボクが仕事で使うハサミと同じようなフィーリング!

 

『こっ、これください!』

 

 

 

 

 

で、今度はポトフに挑戦!

玉ねぎ、ニンニク、セロリ、ジャガイモに鶏肉・・・

 

キレる切れる!!

 

硬い食材でも同じ力加減でス〜っと切れる!

ど素人のボクでもヒヤッとすることが無く快適!

 

本物との出会い・・・

 

奈良や平安の古い時代から受け継がれてきた

技術の伝承と進化、とんでもなく奥が深い!

 

この存在感・・・

 

職人の端くれのボクに

お前のモノづくりは何かに媚びず

ただひたすら挑み続けているか?

と問いかけられているような・・・

 

 

身が引き締まる思いです!

 

 

ありがとうございました。

大園継基

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェケットスタイルとマジックウォッシュ!

濃色インディゴにメリハリの効いたヒゲと当たりのデニム・・・

クラッシュやリペアが入っていてもカッコよくジャケットに合わせられると思います。

 

ただ、最近そんな気分じゃないんです・・・

 

もっとサラッとジャケットとデニムを合わせたい・・・

 

インディゴ薄くて良いなぁ

ヒゲいらんなぁ

当たりも極小でええなぁ

 

ほな、作ってみよか!

ってことで、作ってみたんですが、

これが難しかったです・・・

 

ボクは料理ができないんで、

よく聞くこととして、薄味で美味しい料理って腕がいると・・・

 

そんな感じでした!

 

大園継基