AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -125ページ目

マジすか学園F☆#1ー4☆

東京──


新宿にある、正確には、あったと言うべきか─、アンダーガールズ総本部ビルの跡地前に、深紅の特攻服を、颯爽と身にまとったショートカットの少女が佇んでいた。


数日前、マジすか女学園との抗争の際、この建物は、何者かによって、研究室に火を放たれ、爆発炎上し、いまは、ほぼ見る影もない。

少女は、険しい表情で、その焼け跡を見つめていた。

ほんの数日前の出来事なのに、何故か、遠い昔のように感じられる。それは、自分が、その時、現場に居合わせなかったから故か。
しかし、感慨に浸ってばかりもいられない。
一番隊隊長として、組織の建て直しを模索し、来るべき、大戦への準備が必要であると、そして、いまだ検挙されていない放火犯を必ず“捜査当局より早く”見つけださなければ、そう秦サワコは考えていた。


「サワコさ~ん、なんで、そんなむずかしいかおしてるんでしゅか~?」


「……何故、君がここに…?」

冷静さを装いつつ、サワコが問いただす。自然と、言葉に、ため息が混じる。


「さっき、街で、サワコしゃんを、見かけたんで、面白そうだから、ついてきちゃいましたでしゅよ」


「面白いかどうかどうでもいいが、普通に話してくれないか…、金子」

「どうしてでしゅか~?ふつうでしゅよ~、しゃわこしゃ~ん。はぴはっぴ~」


ある人物に、
メールで、呼び出されたアンダーガールズ一番隊隊長、秦サワコが、頭痛を覚える。

やってきたのは、見た目も喋りも、ヤンキーには到底見えない、ほんわかほわほわした容貌で、ダブダブの深紅の特攻服を着た、これでも四番隊隊長の金子(かねこ)シオリだった。
サワコは、この少女が苦手だった。
唯一といってもいいくらいに。

ある人物とは、金子のことではない。


そのようなやりとりをしている二人に近付く者がひとり。

二人が、それに気付き、声をかける。



「あー、メアリーしゃん」

「平田、無事だったのか?」


二人の前に現れたのは、メールの送り主でもあり、数日前から音信不通、行方知れずだった、三番隊隊長、ブラッディ(血まみれ)メアリーこと、平田リカコであった。

金子が、勢いで、腰のあたりに抱きつき、顔をグリグリする。

「心配してたんでしゅよ~、どこ行ってたんでしゅか~?」

しかし、どこか平田の様子がおかしい。

言葉を発することなく、平田の右拳が動いた。
サワコが、叫ぶ。

「金子!」

一瞬の後。

金子のパンチのほうが、先に動いた平田の顔面にきまっていた。

金子にとっては、全くの無意識のうちに。

無意識による防衛反応及び反撃が、金子シオリの武器であり、特殊能力だった。専守防衛。
相手が、攻撃することを、予測するのではなく、敵意を感知するといったほうが良いのかもしれない。

それゆえ、金子は、狼狽していた。何故、仲間である平田に敵意を向けられるのか。
黒目がちな瞳をパチパチさせながら。

「な、なんで~?」

「離れろ!金子!様子が、変だ!」


平田の表情は、憔悴しきっていて、両目の焦点が不安定だった。

「コロス…、コロス…、アンダーガールズ…、コロス」

平田が、腕を振り回す。

そして、
明らかに、人間ばなれした動きを見せる。



「洗脳か…?」

サワコが、懐から、チェスの駒を出し、いつでも攻撃できるように構える。そのサワコの背中に隠れるように移動する金子。仲間を無闇に傷つけないために。

「もしかして、マサナしゃんのNSG計画でしゅか?」

ネオ・スターゲート計画。
かつて
CIA(米中央情報局)も関与したといわれる超能力者養成計画。

大矢マサナによって、運用されていた計画だ。

人間の筋力を最大限に高め、運動能力を上げたり、新たな能力を目覚めさせようと様々な実験が行われていた。
洗脳も、その内のひとつだった。


「いや、設備やデータは焼失してしまったし、大矢は、あの研究を放棄したはずだ。
(データが漏洩していたのか…?それとも、独自の研究か…?
まさか…、“洗脳”をかけることが出来るような…、そんな能力を持った者がいるというのか…?)
それにしても、平田ほどの者が…」

何者による差し金か。


「どうすれば、いいんでしゅか?」

困惑する金子に、きっぱりと、言い切るサワコ。

「アンダーガールズ“緋の掟”、…敵対する者に容赦なし!」


そう言って、一番隊隊長は、手にしたチェスの駒を同時に、三種投げつけた。

プロ野球の投手が投げる硬球以上の威力を秘めた駒を、まったく、意に介さず、自らの肉体で、はじきとばす。

「ちっ!やはり、筋力も増強しているか…」


「コ…ロ…ス」


最大限の筋力を活かし、
一瞬で、距離をつめる平田。


「しまっ…」

サワコのきれいな顔に、平田の拳が、まともにきまった。
アスファルトをすべるように、倒れ込むサワコ。体幹を揺るがすほどの破壊力(パワー)。


「サワコしゃんッ!」


平田は、身体を巡らし、もうひとりの標的に向かう。


「うぅぅ…」

金子が、泣きそうな表情で、近づいてくる平田を見つめる。

「アンダーガールズ…、コロ…ス」

その剥き出しの敵意に対し、
金子の無意識の攻撃が始まる。
泣きながら、迫る平田に、拳を打ち込む。
しかし、平田は退かない。逃げようともしない。

「ぅわぁあああああ!」

拳が痛い。
こんなことは、初めてだった。


そのとき。


金子の拳が、止められた。

しっかりと、手のひらで包み込むようにして、拳を受け止めたのは、秦サワコだった。


「離れていろ、と言ったはずだ…」

そう言うと、
金子と平田の間に立つ。
顔についたアザが痛々しい。
瞳は、相手を射抜いたまま、口から流れ出る血を、袖で拭う。


「願わくば…、これで、正気に戻ってくれ」


サワコが、右の拳を、ちから強く握りしめた。


「サワコしゃんが、封印してる、あの…、紅(くれない)の拳?」

金子が、少し離れて、見守る。


「…コ、ロ、…」


「赦せ!平田!」

直後。
真紅の衝撃が、真っ直ぐ、平田の心臓めがけ、走る。
拳、空気、特攻服との摩擦熱により、焦げた匂いが辺りに漂い、
サワコの一撃必殺の拳が、炸裂した。




マジすか学園F☆#1ー3☆

マジすか学園F☆#1ー2☆