久能山東照宮の次は、羽車神社(はぐるまじんじゃ)に行ってきました
羽車神社は、世界文化遺産にもなっている、三保の松原にあります
御祭神は、三穂津彦命(ミホツヒコノミコト)・三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)
三穂津彦命は、大国主命(オオクニヌシノミコト)の事
三穂津彦命と三穂津姫命が羽車に乗って、三保の浦に降臨し、国土平和の為に御穂神社(みほじんじゃ)に鎮座し、羽車神社を離宮として設けられたそうです
また、この地には、羽衣伝説というのがあります
『三保に白龍(はくりょう)という名の漁師がいました。
今朝も三保の松原で釣をしておりました。
見慣れた浜の景色ですが海原に浮かぶ春の富士はとりわけ美しく見えました。
と、どこからともなく、えもいわれぬ良い香りがしてきました。
香りに惹かれて行ってみると一本の松に見たこともない、美しい衣が掛かって風に揺れていました。
「何てきれいなんだろう。持ち帰って家の宝にしよう。」
そういって衣を抱え家に持ち帰ろうとしたその時です。
「もし、それは私の着物です。」
木の陰に美しい女の人が立っていたのです。
「私は天女です。その衣は羽衣といってあなたがたにはご用のないものです。
どうぞ返して下さい。それがないと天に帰れません。」
白龍はこれがかの天の羽衣かととても驚きましたが、天女の悲嘆にくれた姿を見て羽衣を返す気持ちになりました。
「返すかわりに天人の舞を舞って下さい。」
天女は喜んで承知しましたが
「羽衣がないと舞が舞えません。まず羽衣を返して下さい。」と言うのです。
白龍はふと思いました。羽衣を返せば舞を舞わずに帰ってしまうのではないか。
すると天女はきっぱりと答えました。
「疑いや偽りは人間の世界のことで天上の世界にはございません。」
この言葉に白龍は自分がすっかり恥ずかしくなりました。
羽衣を身にまとうと、天女は優雅に袂を翻し、舞いを舞いはじめました。
どこからともなく笛や鼓の音が聞こえよい香りが立ちこめます。
白龍があっけにとられて見とれているうちに天女はふわりふわりと天へと上り、だんだん高くなったかと思うと、みるみる内に愛鷹山から富士の高嶺に、霞にまぎれて消えていきました。』【静岡シティプロモーションより】
そして、衣が掛かっていたという、羽衣の松がありました
この羽衣の松は、三代目らしいです
ちなみに、羽車神社の境内には、枯れてしまった二代目がありました
そして、羽衣の松の前には、エレーヌの碑というのがありました
日本の能楽「羽衣」に傾倒(けいとう:深く心を惹かれ、夢中になる事)した、フランスの舞踏家エレーヌ・ジュグラリスは、1951年7月に憧れの三保の松原を見ぬまま亡くなりました
「私の髪を羽衣の松の近くに埋めてほしい」という遺言により、エレーヌの碑が建てられたそうです
三保の松原、初めて来ましたけど、こんな話があったんですねぇ…