足裏の筋肉を縮めると・・・(^_^;)


 これは誤解されている事が多いのでしょうが、足(つま先)を伸ばす時には足裏の筋肉は縮めようとするのではなく伸ばして使う様に意識するのが正しい方法です。


 こんな事を書くと、また解剖学をベースに教えている方に『間違っている』と言われそうですが、あくまでも『伸ばして使う様に意識する』と言っているだけで『筋肉が伸びている状態である』とは意味が全然異なります。

 言語への理解が足りないと意味を取り違えて会話が成り立たないので気を付けたいですね。



 つま先を伸ばす時には足の裏はどう見ても縮まっているのに何故『伸ばす』様に意識しなければならないのかと言うと、もし『足裏を縮める』と意識して使うと脹脛や大腿部の筋肉まで縮めてしまうからです。 また足首と指の連携も取れなくなり足首と指を同時に動かしてしまい勝ちになります。


 つまり『伸ばす』積りが縮んでしまい各関節の屈伸の順序もコントロール出来なくなるので、やろうとしている事と実際に起こっている事が正反対の状態になるのです。


 解剖学に頼り過ぎると視野が狭くなり、上に上げた様な逆転現象が多々起きるので騙されない様に気を付けましょう。





足裏を伸ばさないとつま先も伸びない!


 足の裏は縮めずに伸ばそうと意識しますが、これと似た動きをする場所があります。


 それは横への“カンブレ”の時の脇腹です。


 横への“カンブレ”では両脇とも引き伸ばそうとするので頭は横方向へ移動しますが、もし片脇を縮めると頭は骨盤の上からあまり移動しません。
 これはつまり反対脇もあまり伸びない状態と云う事になります。

 そしてこれは足先の動きにも当てはまる事で、足裏側も甲側も両方が伸びて行く事でつま先が踵側から離れて行き、長く伸びた足になるのですが、足裏を縮めると、つま先が遠くに出なくなるので足自体(勿論甲も)が引き伸ばせて居ない状態になるのです。

 ↑これって足が伸びた、つま先が伸びたと言えるでしょうか?

 そう、これでは足が伸びていないのです。 ではその原因は何かと云うと足裏の筋肉を縮めた事にあります。

 ですから足の裏は常に広げて伸ばして置く意識で居なければ、足も脚も長く伸ばして使う事は不可能なのです。 そして勿論甲が伸びなければ甲を高くする事も不可能なので、やはり足の裏を広げて伸ばす意識が欠かせません。 世間で流行っている上から足を押す『甲出し訓練』と云うのが如何に非科学的でいい加減な方法なのかが判ると思います。


 解剖学的に分析するとつま先を伸ばす時には『足裏の筋肉は縮んだ』と捉える事が出来ますが、それをそのまま生徒に教える事は正反対の結果を導き出してしまうので、その様な事が起きない様に導いて上げなければなりません。
 そう云う意味で指導者とは本当に頭脳明晰でなければならないのです。 曖昧な知識しか無いのであれば教えるべきでは無いと言っても良いでしょう。
 また生徒側も精一杯頭を回転させて指導者の言葉の意味を汲み取って身体に反映させなければ何も成果を得られません。 自己満足してレッスンを終える様では勿体ないので、確りと頭を使いましょう。 その方がレッスン後の爽快感が倍増する事を保証しますから(^_-)-☆

 バレエレッスンとは計算され尽くした方法通りに身体を動かす訓練なので、曖昧な知識で練習しない様に気を付けましょうね。






 明後日はめるもバレエでの講習会ですが、配信はリアルタイムでなくとも見られるので、今からでも是非お申し込み下さいね(^_-)-☆