身体を感じる事を優先する!
バレエを踊るには正しい知識とそれを実行出来るだけの身体を持っていなければなりません。 常に身体を感じ意識し続けなければ正しく立っている事すら難しいです。
しかし一方で考えなくても良い事(どうでもいい事)に気持ちが囚われて必要な意識が疎かになって上手く踊れない事もよくあります。
例えば、“サークルポールドブラ”の時に鏡を通してポジションの確認をする人が多いのですが、鏡を見ると目線が固定されます。 しかし“サークルポールドブラ”で動きの一番大きくなる頭部の動きを目線で制限すると頭部が背骨の動きに合わせられずに正しい“サークルポールドブラ”が出来なくなります。 頭を回すと自動的に目線も回るのですから目線を一方向に固定する等は絶対に不可能なのですから鏡で確認する事自体がナンセンス(無意味)な事なのです。
これは視覚と云う情報に惑わされてしまう典型例です。
“サークルポールドブラ”は背骨や脳天を感じて『綺麗な真円を脳天で空中に描く』イメージで身体をコントロールしなければならないのですが、目から入って来る情報に頼る人は鏡を見過ぎてしまい脳天の感覚が疎かになり、その結果正しく動けなくなってしまうのです。
この様に「目で見る」と云う事は「身体を感じる」と云う感覚を奪ってしまう事があるので常にやって良い訳ではありません。
めるもさんのブログにも下記の様に書かれていましたが、動かずに身体を感じられると云う事がとても難しく、でも踊る者にとってはこれ程重要な感覚は無いと言って良いのです。 プロダンサーといわれる人達でさえ感覚の弱い人が居るのですから毎日の訓練が欠かせません。
ピラティスですらそうです。ピラティスはエクササイズなのでどこまでいっても華やかな表舞台はないけど、最初は「きちんと仰向けになれるかどうか」から始まります。
そこで思索できるかできないかは人によるので、もっと動きのあるそれっぽいことをさせてあげることが多いのですが。 ずーっと寝て身体を感じるってなかなか一般人には理解し難い。
https://ameblo.jp/mermo72/entry-12843520859.html
余計な知識は捨てて動く!
“ピケアラベスク”でも軸脚のつま先を置く場所を気にするダンサーが多いのですが、そう云うダンサーは床につま先をつけてから、その足の上に乗ろうと意識するので身体が上がり切らない事が殆どで、その結果軸脚が曲がったり、それを伸ばそうとしても伸び切らないままだったり、重心位置が分からずにバランスが上手く取れない、身体が引き上がらない、直ぐにポジションが取れない等、多くの問題を抱える事になります。
しかしプレパラシオンをしたら「脳天を出来るだけ高い位置に引き上げる」と云う、只一つの事だけを意識して“ピケアラベスク”すると上記の問題が全て霧消して理想的な“アラベスク”が出来る様になります。
立つ位置は頭を引き上げる位置で調整出来るので足先の位置の事など考える必要さえありません。
二つの違いは「下から伸び上がる」か「上から身体を垂らす様に引き伸ばす」かだけですが、上から物を垂らすと重力の働きで垂直になる事を上手く利用して上げれば軸は簡単に垂直になります。