大転子の意識って必要?
最近他所のブログで『大転子云々』と云う物を見掛けるのですが、これって大転子を意識して使う様に教えている指導者でも居るのでしょうか?
私は『大転子は大腿骨を内側に回転させると外に出っ張って来てお尻が丸くなるよ!』という現象を教える為に話をする位でアンドゥオールを始め、バレエ基礎の全てで大転子をコントロールして何かをすると云う事は殆ど言わないので大転子を意識してアンドゥオールすると云うのが不思議でなりません。
あくまでも脚をアンドゥダーンさせると大転子が外に出っ張って来て、アンドゥオールさせるとお尻の中に引っ込む感じになると云う現象が起きるだけです。
小転子の方が重要!
脚をアンドゥオールさせる為に意識すべきは大転子ではなくて小転子の方です。
小転子は脚をパラレルにして立った時に脚の後ろ側に在るのですが、この時に小転子の真下に膝と踵が在る事で脚が真っ直ぐに伸びている事が確認出来ます。(先ずここで真っ直ぐに出来る様に矯正する必要のある人も沢山います。)
この小転子から踵までのラインを崩さない様に内側に回して来る事で大腿骨がアンドゥオールして膝とつま先が連動して外向きになってくれると云う仕組みになるのです。
もし“大転子”を意識してアンドゥオールしても、それに繋がる脚のラインはありません。
と云う事は脚を伸ばす意識とアンドゥオールする意識を別々に考えなければならないと云う事なのです。 小転子を意識すれば脚を伸ばす事とアンドゥオールする事は同じ部分で考える事が出来るので一つの意識でコントロールできます。 両脚で考えればラインは左右から一点に集めるので、この意識もここに集約されます。 一つの意識で済む所を2つにも3つにも分けて考えるのは無駄だし不可思議な行為ですよね。 そんなに複数の事を同時に考える思考力は殆どの人には無いですし。
ですからアンドゥオールするのに大転子を意識する必要はないのです。
また『“脚のアンドゥオール”よりも“脚を伸ばす事”を優先する!』と以前から言っていたのは、「小転子〜膝〜踵のライン」を確立してからアンドゥオールしないと膝関節が捻れても自覚出来ないからなのです。 自覚出来なければ脚のアンドゥオールを基礎から理解する事は不可能なので、現役のダンサーであっても常に小転子を意識してレッスンに励んで下さい。