129番 あなたの名前は?
129番目の詩。戦争をさせたい人びとのデリュージョンに同情しながら。
あなたの名前は?
ある人間が尋ねた。
私は在る、これがあなたの名だという。
だから神は命とイコールになった。
赤紙一枚で戦争に
行かなければいけない時代があった。
人殺しに行くの?いや、国を守るためだ。
そのために命を散らす。
僕は神を守りたいと思う。
だから戦争には行かない。
自分の命も、他者の命も
神とイコールだからだ。
そんな神聖冒涜ではなく、
命を愛するほうが幸せだ。
僕はあなたを愛している。
僕にとってあなたは在るからだ。
128番 劇的だということなんだ
128番目の詩。世界は舞台だ、などと思いながら。
劇的だということなんだ。
日々マンネリ化した人生は
忙しいのに劇的ではなさそうだ。
僕は暇なのに心の中が忙しい。
意識が飛んで急に
蘇我 氏と物部氏の闘いに巻き込まれたり、
仏教はカモフラージュで
本当はキリストの愛だと叫んだりする。
すると次にはあなたが浮かんで、
僕はあなたを抱きしめている。
あなたの裸体を感じ、
僕のアメリカ!などと言ってみる。
赤信号で立ち止まり、
僕は冷たい風に吹かれながら、
僕の人生の瞬間瞬間を
ドラマチックにしている。
127番 気がついたら僕は生まれていた
127番目の詩。生まれて来た宿命について感じながら。
気がついたら僕は生まれていた。
父と母を選んだかどうかなど記憶にない。
なんでこんな異常な環境に、
こんな家族に生まれて来たのだろう。
恨んでもどうしようもなかった。
死ぬことでしか自由は得られないと思った。
しかし、死んだと思えば、
生まれ変わることが可能なことを学んだ。
初めから不自由な宿命に生まれて来た人たちは
僕より可哀想だと思えた。
立派に死んで軍神にされた人たち、
皇太子は学食で美味しそうにうどんを食べていた。
人間の自由を奪うのは神ではない。
暴力と金力と法律を拝んで宿命を押し付けるのは
愛を経験したことのない権力者。
敬天愛人、愛し合える人びとだけが自由になれる。