132番 僕の創造した宇宙には
132番目の詩。事務所で写真を見ながら。
僕の創造した宇宙には
いくつか星が輝いている。
人生の一瞬を切り取り
永遠にした笑顔だ。
アマテラスのように
岩戸に隠れることもなく、
気づいてみればどの顔も笑顔で
僕を永遠に照らしてくれている。
外でスピードを争っている人たちは
急ぐことに忙しく、
赤信号で顔をしかめて
瞬間を消費している。
笑顔のない宇宙で
自分の人生が冷えた後は、
自分の宇宙の笑顔で暖まろう。
僕はあなたの写真がとりわけ好きだ。
131番 セヴンイレヴンでゆで卵を買って
131番目の詩。春の嵐を感じながら。
セヴンイレヴンでゆで卵を買って
自動ドアを出て左折したら、
ビューンと突風が体当たり、
僕はとっさに帽子に手を当てた。
すると突然頭が
越路吹雪の愛の讃歌を歌い出し、
どん な逆境にも負けるものかと
意気込んでいる自分に気づく。
自分の仕事場に着いても
何をやるでもなく
クロッカスや水仙が無事なのを見て
春の嵐を一息吸ってみる。
猛烈に働いた過去が僕の冬ならば、
この突風は最後の嵐。国に貯金しておいた
年金で僕の春をおだやかに過ごし
花の咲く頃に散りたいものだ。
130番 僕の詩に興味のない人たちには
130番目の詩。人の幸せを願いながら。
僕の詩に興味のない人たちには
お金儲けを教えてあげてください、
上手にお世辞を言う技を教えてあげてください、
グルメになって楽しむ方法を教えてあげてください。
僕の詩に価値がないと思う人たちには
難しい学問をやらせてあげてください、
なんでも一流を目指すようにしてあげてください、
真理を得るために苦行を与えてあげてください。
僕の詩がつまらないと思う人たちには
人生には生きる意味がないと思わせてあげてください、
いつまでも迷わせてあげてください、
孤独の空しさを与えてあ げてください。
僕の詩が好きになってくれる人たちには
単純な喜びを
心からの笑顔を
そして揺ぎ無い愛を与えてあげてください。