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81番 一人の若者を救うために

81番目の詩。必死にパソコン入力をやりながら。

 

一人の若者を救うために、

翼の折れたエンジェルを救うために、

僕は、カチャカチャ、バシバシ、バシンと

キーボードを叩いている。

 

電磁波は浴びるし、

目もカサカサしてくるし、

僕のマックはモトローラーだし、

ワードは旧バージョンだ。

 

最新の高速CPUには円もなければ縁もない、

膨大な数字のデジタルではなく、

比較すれば、かなりアナログ的な

僕の世界。

 

デジタルの数字の隙間が問題だ。

その隙間に無限が横たわっている。

1と1の間から途方もない光の世界が

暗黒のように僕を覗いている。

 

僕が叩いているのは

オイディプスの三角形を拒否した若者の

刑務所からの叫び。

無限の愛を求める天使の声。

 

 

80番 セックスレスだと世間は騒ぐ

80番目の詩。愛とセックスを思いながら。

 

セックスレスだと世間は騒ぐ。

テレビも週刊誌も

セックスレスを異常のように吹聴する。

じゃあ、セックスが愛なんだな!

 

あなたたちの愛はセックスで

セックスをしなくなれば愛も消える!

アンドロゲンの分泌が残雪のような僕は

やがて愛に無縁な人間になるわけだ。

 

シルバーになっても現役、なんて

そんな記事読む訳ないよ。

シルバーになれば分かることだよ。

たしかに友人は熱い恋がしたい、と叫んでいるけどね。

 

たしかに、僕には彼のシニフィエが分かるよ。

年寄りの俺も愛してほしい、

それが彼の魂の叫びだ。でも、

もうセックスレスだというのが現実だ。

 

愛はセックスだと若者は解釈する。

セックスが消えれば愛は消える?悲劇だな。

もう一度、優しく親切に接しよう。喜劇の始まり。

老人の僕を愛してくれる人が現れる。

 

 

79番 う〜ん、財布に五百円玉一つ

79番目の詩。財布の中身を見ながら。

 

う〜ん、財布に五百円玉一つ。

歩いて帰ろう、

背筋を伸ばし、腹式呼吸をし、

リズム良くお堀端を回遊しよう。

 

もう僕も64歳。

ミトコンドリア系の生き方で、

仙人のように生きるようにと、

安保先生が言う。

 

歩きながら、

俳句はだめでも川柳なら

只で頭の活性化。

酸素吸い、マグロのように、歩く道。

 

最近、笑顔を褒められる。

帰宅を急ぐ夕暮れは

すれ違う人たちの顔が気になる、

仕事を終えた顔に僕の笑顔を送ろう。

 

歩きながら財布の中身が気になる。

五百円玉ひとつか〜、

過去の栄光は荒城の月、

つわものどもが夢の跡。