昨夜の母はずっと声を出していました。
寝ていると母の声がします。
泣いているのかと思いました。
泣いている・・・喘いでいる・・・
口から魂が出ているのかと思った。
何度も顔を見て「痛いの？」「苦しいの？」と聞くと首を振って「水飲んだの。」「苦しくないよ」
自分で吸い飲みから水も飲めています。
それでも「うぅぅぅ～」・・・と声がします。
一晩中。
たまに寝息を立てて寝ています。
私はその声を一晩中聞いていました。
「うるさいなぁ」と言うより、心地よく聞いていました。
母がなんか言ってる。
どこかの空間でなにかを発している。
途中で
ちゃっくん
と言っていました。
チャーリーが様子を伺っているのでしょう。
母は寝ている時間が長くなりました。
ポータブルトイレに行く体力がなくなりました。
ベッドに横になったまま排せつのサポートをするようになりました。
看護師さんがやってくれているのを真似て弟と協力しています。
いよいよヘルパーさんの契約をすることにしました。
午前中に往診に来て頂きました。
２週間に一回だったのが毎週に・・・
今週は木曜日にも来て頂くことになりました。
先生からは「年内微妙かも・・」
あと１０日ほど。
私もそう思います。
弟とは「お正月をみんなで過ごすことを目標にしよう」と話しています。
私は弟と母を看取りたいと願っています。
弟もその覚悟で一緒にいます。
いまの状態で長く生きることが母の願いではありません。
弟と私とで母が生まれ育って家で旅立つ。
それが母の願いです。
いま、私たちはとても幸せです。
母は今日も大好きな「ピノ」をほうばっています。
私が小学５年生、弟が小学３年生の時。
父が単身赴任でイタリアのローマに行っていました。
２年弱でしたが親子三人で暮らしていました。
近くに祖母がいましたが、父のいない生活でした。
その頃「番犬にしよう」と母が近所で生まれた子犬をもらってきました。
コロちゃんです。
この子は父が帰国して間もなく旅立ちました。
２年に満たない一生でした。
コロの生まれ変わりがデイジーです。
私たち家族はいつだって動物に助けられています。
なので私は動物たちの「声」を届けることを使命としています。
陽だまりのしっぽ 美香