ダンタイソンのリサイタル&マスタークラス聴講。
@銀座ヤマハホール
マスタークラスの受講生は今をときめく3名のピアニスト、谷昴登さん、進藤実優さん、山縣美季さん。
前半がダンタイソンのリサイタル、後半が3名のマスタークラス、これで5,000円‼︎これで5,000円ですよお得過ぎませんか
なのに空いている席もあって勿体無いな〜と思いました。
手の動きも見え、響きも良い、とても良い席でした。
ヤマハホールは改修後初めてでしたが、とても綺麗で音響も良かったです
まず、リサイタルの感想を。
ダンタイソン、以前生で聴いた時には、よく言われるように真珠の粒のような丸く品のある音で、端正な音楽、という印象でした。
優しく美しいけれど、その頃の私には少し物足りなかった。
でも今回聴いて、以前とは随分と響きも音楽も変わったように感じました。
とても深い低音、輝く高音、音の質感と立体感が以前と違う。
私は今の演奏の方が好き。
ほんと素晴らしかった
1曲目のバッハBWV564はいつかやりたい曲で、しかもこのAdagioがとにかく大好きなので、これを弾いて下さって嬉しかった
祈りのようなものを感じました。
続くモーツァルト、ピアノをやらない人も知っている有名なトルコ行進曲付きソナタ。
これはね、まさかこの曲の1音目で涙が出るとは思いもしませんでしたよ
不意打ちとはこういうこと。
1音目で泣いてたの私だけかな?皆さんどうだったのかしら。。。
始まりは確かに優しい旋律だけど、1音目ですよ⁇いやぁ泣きながらビックリした。
空気の中から?心の中から?取り出すような。
ピアノの中から出てきたとは思えない音。
本当に不思議で。
温かく美しいモーツァルトで、各楽章の個性も際立ち、素晴らしかった
その後のドビュッシーは、これまたガラッと響きを変えてきて、透明感ある響きを水彩画のように混ぜていく。
ダンタイソンさん、既にこのピアノとお友達なのですね?という感じで、自由自在に響きを変えていく。やっぱりスゴイ!の一言。ため息が出る。
もう前半のリサイタルだけで充分5,000円の値打ちがありました。
休憩
休憩後、いよいよマスタークラス聴講。
ダンタイソン先生(マスタークラスなので先生と呼ぶ)、たまに日本語も飛び出し、ユーモアのある、親しみを感じるレッスンでした。
長くなるので簡単に書きます。
走り書きのメモの写真を置いておきます。
誰ですか 聴講中に落書きをしていたのは
マスタークラス 谷昴登さん
『マズルカ風ロンド Op.5 / ショパン』
谷昴登さん、初めて生で聴きました。
というか、その前に言わせてください
初めて生で拝見しましたが、背も高くイケメン
もしかするとダンタイソン先生が小さめで、谷さんの背が高く見えたのかな⁇
それにしても美しいお顔立ち
クールな見た目と裏腹にとてもチャーミングなショパンの演奏でした
ダンタイソン先生のコメントも、「ブラボー!とても愛らしく品のある演奏!」でした。
そしてその演奏を更に良くするためには、愛らしさの種類、変化を持たせる事が重要、と。
主題は最初、低い音で、田舎のおじさん民謡調。なるほど。
少しずつそのキャラクターが変わっていくと共にペダルの分量も変わる。
変化を付けるにはペダルが重要
ショパンはペダルの素晴らしさを発見した人の一人です。
ペダルの振動によって音が美しく奏でられる。
カンタービレ=たっぷり歌う部分と、愛らしい舞曲との対比がとても大切。
とのこと。
その他、ルバートについて、それから左手で弾いているところを右手で取っても良いなど細かなアドヴァイスや、深い音を出す際の筋肉の動きや呼吸についても触れられ、短い時間で盛り沢山の内容でした
長くなるので、進藤実優さんと山縣美季さんのマスタークラスは次の記事で
Hibikism vol.Ⅱ 発売中!
CDには「ひばり」「献呈」を収録。
色鉛筆画「ミルテの花」も同時発売。