師匠のお宅のベーゼンドルファーフルコンについて音符

もともとあったスタインウェイフルコンについてと、その隣りにベーゼンドルファーフルコンが来るまでの一連の流れ、そしてベーゼンフルコンの選び方については、こちらに書きましたウインクルンルン 
フルコンを購入予定の方には参考になるかもしれません爆笑


このところ公私共に忙しく、色々とありまして、続きをアップするのが遅くなりましたが
今回はいよいよ本題、ベーゼンフルコンの響きについて書こうと思います鉛筆

前回もそうですが今回も、ここに書く事は私が師事している師匠の自慢などでは無く、勿論私の自慢でもありません。
単純に、前回の記事では師匠のお宅が見た事の無いようなスゴイ事態になっているという驚きを、そして今回はベーゼンフルコンの響きや扱い方についてを、興味のある方に向けて書いています。

師匠のお宅のレッスン室に来たベーゼンドルファーVCシリーズは新型モデルだそうで、アンドラーシュ・シフも絶賛し、ご自宅に置いているそうですキラキラ
師匠の話では、ベーゼンは2000年以降とそれ以前ではアクションが違い、鍵盤の重さが違って感じられる、とのこと。

このピアノの響きを一言で言うならば、人の声のよう。
弦のようだ、とも言えると思う。
師匠は「弦のようだ、このピアノ一台でウィーンフィルのようだ」と言っています。
でも、自分の中にあるイメージを"楽器"よりもダイレクトに表現出来る、という意味で、声のようだとも言えると思う。
地声では無く、声楽家やオペラ歌手のエレガントで品格ある発声で、すごく細やかで繊細な表現で歌うような。

ただし、このピアノは普通に弾くとそのような響きは出ないのです。
普通に弾くと、音がこもったり潰れたりする。
鍵盤の極めて浅いところに良い響きが出るツボがあるので、それより深いところを狙って打鍵してしまうと、途端に音が死んでしまう

例えるなら、フィギュアスケートで、ものすごく薄い薄い氷の上を滑るイメージ。
普通に立つと氷は割れてしまう(深いところを狙って打鍵するケース)。
だからといって、氷を割らないように体重をかけないようにと手摺りに捕まって恐る恐る氷の上に立つと、良いスケーティングは出来ない(いわゆる浮いた音、のっていない音のケース)。

私は先日のレッスンで初めてこのピアノと対面し、師匠から言われた「ツボがすごく浅いよ」という一言を頼りに、まずは一音弾いてみたピンク音符
すると…ツボを捉えられた目
その響きは部屋の空気よりも軽く、フワ〜〜ッと浮かび上がっていくキラキラ
そのまま曲を弾き始めるピンク音符ピンク音符ピンク音符
空間にフワッと浮かび上がる薄い薄いベールが、幾重にも重なり、色合いを変えて漂うみたいキラキラ

ベールの端を持って腕や指先を動かすと薄いベールもヒラヒラとなびく…そんなふうに響きに表情が出る。

薄氷の上でターンをしたり、スピンをしたり…そうして一曲、弾ききった音符


「うん!出来てる!!弾けてる!!このピアノ楽しいだろ〜〜ウシシブルー音符」と師匠。
「楽しい!めっちゃ楽しい!爆笑」と私。
「例えばこんな事も出来るよビックリマークキラキラ」と師匠が弾いてみせてくれる。
楽しくて楽しくて二人で「楽しいね〜!!」と大笑いしながら交互に弾いた音譜音譜音譜

私の家のピアノが24色の色鉛筆だとしたら、このベーゼンは100色以上の色鉛筆セット虹キラキラ
上手く扱えないと芯の先が折れてしまい描く事が出来なくなる、繊細な色鉛筆。

反応が良く、自分のイメージしたものがダイレクトに、この上なく繊細に、響きに変換される。
もっと言うと、イメージ以上のものが響きに表れて、その美声や表情に惚れ惚れしてしまうラブ
薄氷を滑らなければ見る事が出来ない景色や色彩が、空間に描き出される。

ただ、このピアノを弾きこなせる生徒は10人に1人だそうで、師匠の下で長く学んでいる人でさえも、弾ける時と弾けない時がある、扱いが非常に難しい楽器だとのこと。

そんな中、私がこのピアノを弾けてしまったのは何故か。
それを文章にするのは難しいし、書くと多分とても長くなるので今回は省きます。

でも一つ言っておきたいのは、私は薄氷をいきなり滑れてしまったけれど、自分の事をスゴイとは思っていない、ということひらめき電球
なぜなら師匠のところには、音大生や音大卒の方々が学びにいらしていて(しかも首席卒業の方が多い)、18年のブランクがありレパートリーの少ない私と違い皆さん学校の課題をこなして来ているためレパートリーが多く、いつでも暗譜で弾ける曲がいっぱいある。
作曲家や作品についての知識も豊富だし、難曲も難なく弾いてしまう。
そういう方達を私はスゴイと思っているし、尊敬しているからです。

私はただ、はじめましてのピアノと仲良くなれただけチューラブラブ
みんな次第に仲良くなれて、あのピアノを扱えるようになっていくと思う。

素晴らしい環境でレッスンを受けられる事が嬉しいニコニコピンク音符
もっともっと、あのピアノと仲良くなって、あのピアノの可能性に触れてみたいドキドキ



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